3月末、中国に単身赴任している甥が脳溢血に倒れた。
現地に、日本人一人で任される気苦労は如何ばかりであったことか。
この夏には帰国の予定だったのに、なんと言うことかと残念でならない。
その後の中国での治療や対応に不安を感じながら月日が経過した。
丸一月経った先月、ようやく医療スタッフを伴ってジェット機で松本空港へ帰国できた。
救急入院後、再手術を受け2週間ほど経った。
ほぼ毎日、妻は姉と電話で連絡を取り合っていた。
昨年秋、義姉の家を訪ねた折りには、ちょうど中国の「中秋節」で、長い休みを利用して帰国していた彼と会った。
お土産の本場の月餅をいただきながら、しばし中国談義に花が咲いた。
現地の様子を楽しく話すあの彼が、今辛い病床にある。
一命を取り留めて、大分落ち着いた彼を見舞いに、週末妻と信州へ向かった。
少しでも元気づけてやりたかった。
本人は元より、義姉や義兄はどんなに辛かったろうか。病院に近づく車で、涙がこぼれた。
甥は思ったよりしっかりしていて、我々をきちんと認識してくれた。よく頑張った。
きれいな、リハビリ専門の病院で、本格的に始まったリハビリをする甥を見て、励ますことができてよかった。
妻の実家に1晚泊まった。翌朝、お墓に寄り線香を上げた。亡き父,母はいつも見つめてくれている。
そして、もう一度病院に甥を見舞い、午前のリハビリに立ち会った。
そうゆっくりもできない。我が家の孫はばーちゃんなしではいられない。
松本まで約400キロある。全行程は往復約1000㎞、慣れた道ではあったが、無理をせずに、途中休み休み車を走らせた。
夕食前に無事帰宅できた。歳のせいか、健康のせいか、正直言ってかなり疲れた。
昨日は父の日、娘たちのささやかな夕食をご馳走になった。
食後は、これまた大好物のスイカ、今年初めての大きな冷えたスイカは本当においしかった。
最近、思い出の写真を見つけた。
三十数年前、夏休みの実家で、甥に連れられて虫取りをする我が子だ。