昼前に、猿滝茶屋でお蕎麦でもと思い、東山ダム方面にヒメシジミを見に出かけた。
いつも東山ダムの奧に行くときは、妻はいろいろ心配して、一人では行かせてくれない。
昔の大巣子スキー場跡の草原に、今年もヒメシジミが舞っていた。
例年6月末には必ず訪れるところだ。
数年前に、ヒメシジミの斑紋異常の♀に出会って撮影したことがあった。
やはり冬期間等の気候による影響と思われるが、夢をもう一度と、たびたび訪ねているがなかなか見つからない。
まだ、♀はみられなかった。
【拙ブログ 「ヒメシジミの斑紋異常個体を撮る」(2007-07-06)】
http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/14a36c590a2f83819657b83e5b9f03aa
ここでおもしろい光景に出会った。
黒い個体を♂が追いかけていた。速く飛んでいて判別できないが、これはイチモンジセセリではないかと思った。
でも違っていた。止まったのはダイミョウセセリ,そこにヒメシジミの♂がアタックしているのだ。
どうもチョウも間違ったようだ。こんなこともあるのだろうか。
途中の山道には、クモガタヒョウモン、ミスジチョウ、コチャバネセセリ、サカハチチョウなどが吸水に来ていた。
【キタテハ 夏型】
【サカハチチョウ 春型】
【クロヒカゲ】
【ミスジチョウ】
【コチャバネセセリの集団吸水】
アリがカラスアゲハの羽を運んでいた。いつかもあったはずの夏の暑さを思い出した。
東山ダムの奧には、普段はほとんど人は行かないのに、結構の数の車が通っていたので驚いた。
ほとんどが「いわき」ナンバー、ピンと来た。
多分、2次避難所になっている東山温泉にいる多くの震災の被災者ではないかと思った。
久しぶりに奧の禅寺まで行ってみた。
10年位前にはここにお寺があることすらわからなかった。
その頃はひっそり静まりかえって、不気味なほどの境内だった。
そのとき山門までの階段の左右の灯籠に「無」の付く語がいくつも刻まれていて特に印象深かく心に残った。
5,6年前には美術館が出来て、充実した作品に驚いたことがあった。
その頃から境内の雰囲気も大分変わり、最近では観光で訪れる方も結構いるらしい。
本堂に上がって、原発事故の一日も早い収束と災害の復興を祈った。
高台から東山のさわやかな山里をながめ、このお寺のシンボル「ありがとう」と心でつぶやき、すべてに感謝して鐘をついた。
(2011.6.18)