閑人もときとして気ぜわしく、このところ止まって自分の心を見つめる機会がなかった。
一人ぼんやりしとしと降り続く梅雨の庭をながめていると、忘れていた心がもたげてきた。こんな生活でいいのか・・・と。そんなときいつも道元の「今を生きる」を反芻し、生きていることの喜びを感じる日々を送ろうと言い聞かせている。
今日、梅雨のさなかの曇り空に、希少なアマゴイルリトンボを見つめてきた。健康で里山を巡り、小さいいのちを見つめ無為に過ごす。その美しい姿に感動し救われている。まさに良寛の”草木を以て隣と為す”心境であり、兼行の ”存命の喜び 日々に楽しまざらんや”の実践でもある。でも、物足りなさもある。坂村真民の詩に”今を生きて咲き 今を生きて散る花たち 今を忘れて生き 今を忘れて過ごす人間たち ああ 花に恥ずかし 心いたむ日々 ”とある。花に学び 恥ずかしくない今を過ごしたいと思う。
アマゴイルリトンボ
新潟県の朱門岳にある雨生ヶ池(あまごいがいけ)で発見され、日本特産で生息場所は福島、山形、新潟、長野の4県に限られる希少な種。
裏磐梯には見られるが会津若松市内にも。コバルトブルーの複眼は宝石のよう、♂は瑠璃色と黒で素晴らしい。
単独で産卵
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畑の脇の手彫りの水路に、希少なアマゴイルリトンボやモートンイトトンボが細々と生息し続けている。
この自然の宝庫をいつまでも守り続けたい。