エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

牧水の歌を思い浮かべる 秋

2012-10-14 | 日々の生活

 

 a.m7:32
 
 a.m7:34 2F窓から

 

 秋になると若山牧水の歌を思い浮かべる。

白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしずかに飲むべかりけり」と。

また酒の歌人は「それほどにうまきかと人のといたらばなんと答へむこの酒の味」と詠う。

これは、まさに身体を心配しながら飲む自分にも当てはまる問いで、何と答えようもないのも同じだ。

牧水は、酒は口で味わう「うまさ」と心で噛みしめる「味わい」を持っていると言う。

秋の夜長、心を噛みしめてしずかに飲みたいものだ。

幾山河越え去り行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」と詠う牧水は、

人の心には取り去ることの出来ない寂寥が棲んでいると言う。

私はこの寂寥感が好きでたまらない。

 もう猪苗代湖にハクチョウが飛来した。

白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよう」も大好きな歌だ。

ほどなく、遙か磐梯の雪景色に、湖水の青にも染まず漂うハクチョウの姿に感動する季節が訪れる。

 

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