エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

深まる里山の秋

2012-10-16 | 自然観察

 

この秋一番の穏やかな秋晴れだった。朝5℃まで下がった。

午前中、玄関の風防室に温室棚を庭から移動した。庭の鉢物、もうしばらく秋の陽に当てて、冷える夜にはいよいよ取り込もうと思う。

トンボの撮影には、風がないのが一番、やはり里山へ出かけた。

すっかり秋が深まり、紅葉が始まっている。

 

先日、マダラナニワトンボの産卵を見た池に向かう。途中の山道でコバネアオイトトンボに出会った。

先日見つけて、注意していたら早速の再会だった。今回は♂、♀単独で、しっかり撮ることができた。

コバネアオイトトンボ♀

 

マダラナニワには会えなかった。キトンボ、アキアカネ、マユタテアカネが連結して打水、打泥産卵を繰り返していた。

キトンボは単独でも産卵することが分かった。

 

単独で産卵

    アキアカネ  マユタテアカネの産卵

池の端では、わずかだがアオイトトンボ、オオアオイトトンボ、オツネントンボなどが見られた。

  

アオイトトンボ ♂                                     オオアオイトトンボ ♀

 オツネントンボ♀

シータテハやヒメアカタテハが吸水に訪れた。

    シータテハ

しばらく待ったが、マダラナニワトンボは姿を現さなかった。

池を離れて、すっかり刈り取りの終わったソバ畑の農道を歩いた。

もう最後であろう穏やかな日、所々に咲くヨメナに、キタテハ、ヒメアカタテハ、ベニシジミが乱舞していた。

 キタテハ♂  ♀

 

 交尾モンシロチョウテングチョウ

カワラヒワの集団がマツヨイグサのみを食べに来ていた。近づくと一斉に飛び去るが、しばらくすると戻ってきた。

ファインダーを覗くと、さわやかな姿が美しかった。300mmではこんなところか。  

  

 カワラヒワ♀

数年前にマダラナニワを観察した場所へ、ここは、エゾイトトンボ、オゼイトトンボの多いところだ。

オツネントンボの世界で、もう他のイトトンボは全く見えなかった。付近の湿地はすっかり乾いて、セイタカアワダチソウもかなり分布を広げていた。

この10年足らずですっかり植生も変わり、ここで見られたタカネトンボなどは姿を消した。

林の野鳥は何だろうか。スズメより一回り大きく、止まった2頭は多分雄と雌だろう。図鑑からクロジかも知れないが、初めて聞く名前だ。

ホオジロも飛んできた。後で、鳥博士のYさんに聞いてみようと思う。

 クロジ?

ホオジロ?

約1㎞の林道を往復した。帰りがけに少し黒いトンボが目に入った。マダラナニワトンボ♂だ。

先日今年初めて見かけたマダラナニワトンボは、水辺から離れたソバ畑だった。今回もこんなところで♀を待っているのだろうか。 

数枚写真を撮ったが、見失った。ともかく飛翔が早いし、黒いというのは見つけにくいものだ。

振り返った数えてみると、今年は5頭目撃できた。しかし、来年保証はない。ずっと観察してきた場所では、未だ一頭も確認できないでいる。

秋も深まり、チョウもトンボも少なくなった。ぼろぼろのヒョウモンチョウに会うとき、いとおしさが募る。

今日も、誰一人いない静かな里山で、いつもと同じ時を過ごした。これで良いのだと言い聞かせながら。

 

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