久しぶりに武くんと磐梯町の慧日寺資料館を訪ねた。磐梯山を中心とした山岳信仰や数年前から興味を抱いている徳一大師の足跡に、あらためて往時をふりかえることが出来た。
展示室の一隅に一枚の色紙が飾られている。それは、興福寺の多川俊英貫首の揮毫による【携手撫風光】の書だ。慧日寺は、若き日に奈良で修行を重ねた法相宗徳一の開祖で、興福寺は法相宗大本山である。書の解説文には、「明治の文豪・森鴎外の漢詩の一句で、〈いっしょに自然の景色を楽しむ〉の意」とあった。日々ひとり里山を巡り風光明媚な自然を撫しているが、この「手を携える」とは、自然の一員たる人間が、と捉えたい。
資料館の庭には磐梯山麓の龍ヶ沢湧水が引水されていて、その流れを利用し池を配した庭のたたずまいが素晴らしい。
隣の慧日寺の金堂と中門の間に石敷き広場が復元整備されていた。いつも裏から眺める徳一廟に参った。
徳一廟
今年の紅葉は少し遅いようだが、ほどなく風や光が最も美しく感じられる季節を迎える。あらためて、自然の風光の美しさを堪能したいと思っている。