ツグミ
ようやく呼ばれて診察室へ。しばらく平穏を保ってきた血糖値がこのところ徐々に上がり、今回はとても高かった。
いつも心配している肝機能はすこぶる良いが、少しばかり残っている膵臓の働きが低下したのだろうか。
具合の悪かったころはずいぶん食事に気を使っていたが、最近はいたって気にせず自由に飲み食いしてきた。
最近も、特別変わった生活はしていない。思いつくのは、運動不足か。誘惑に負け甘いものもつまんでいたか。
じきに里山を巡る季節がくる。努めて運動したい。食事にも気をつけたい。
多少不安がもたげて、少し気をつけて生活しなければと反省している。
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月一度の検診日、待ち時間にこのところ「風の良寛」を拡げている。心が安らぐから。
加島祥造の「老子と暮らす」にあるmindとheartについて取り上げていた。
《世の中生き抜くに必要な、油断なく働く鋭い頭脳であり、勤勉であり、現世の出来事への飽くなき関心など、そう言う頭の働き》をマインドと、
それに対し、《鳥の声に耳を傾けたり、風の音に天地の移ろいを感じたりという働き》をハートと言っている。
良寛はひたすらハートの働きに生きた人だった。
経済優先の便利で楽な生活に浸りきった現代人には、ハートが忘れられているのではないだろうか。
前政権の民主党のスローガン「コンクリートから人へ」に似た感じがする。
いま、時間の流れが速すぎると感じている。もっとゆったりした気持ちで、無為に過ごしたいものだと思っている。
でも、これまで周囲に生かされ続けた我が身なれば、せめて細々やれることだけの恩返しは、とも考えるが、世の中から見放された老人の戯言かもしれない。
これから、里山を巡り土手に佇むいい季節が巡ってくる。
緑を眺め、静かな空間にひらひら飛んでくる白いチョウを眺める。そんなひとときが慰めだ。
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庭のクリスマスローズの花芽が膨らむ サンシュ