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エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

 多少の不安

2016-03-11 | 健康

                                                               ツグミ

 ようやく呼ばれて診察室へ。しばらく平穏を保ってきた血糖値がこのところ徐々に上がり、今回はとても高かった。

 いつも心配している肝機能はすこぶる良いが、少しばかり残っている膵臓の働きが低下したのだろうか。

具合の悪かったころはずいぶん食事に気を使っていたが、最近はいたって気にせず自由に飲み食いしてきた。

最近も、特別変わった生活はしていない。思いつくのは、運動不足か。誘惑に負け甘いものもつまんでいたか。

じきに里山を巡る季節がくる。努めて運動したい。食事にも気をつけたい。

多少不安がもたげて、少し気をつけて生活しなければと反省している。

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 月一度の検診日、待ち時間にこのところ「風の良寛」を拡げている。心が安らぐから。

 加島祥造の「老子と暮らす」にあるmindとheartについて取り上げていた。

 《世の中生き抜くに必要な、油断なく働く鋭い頭脳であり、勤勉であり、現世の出来事への飽くなき関心など、そう言う頭の働き》をマインドと、

 それに対し、《鳥の声に耳を傾けたり、風の音に天地の移ろいを感じたりという働き》をハートと言っている。

 良寛はひたすらハートの働きに生きた人だった。

 経済優先の便利で楽な生活に浸りきった現代人には、ハートが忘れられているのではないだろうか。

 前政権の民主党のスローガン「コンクリートから人へ」に似た感じがする。

 いま、時間の流れが速すぎると感じている。もっとゆったりした気持ちで、無為に過ごしたいものだと思っている。

 でも、これまで周囲に生かされ続けた我が身なれば、せめて細々やれることだけの恩返しは、とも考えるが、世の中から見放された老人の戯言かもしれない。

 これから、里山を巡り土手に佇むいい季節が巡ってくる。

 緑を眺め、静かな空間にひらひら飛んでくる白いチョウを眺める。そんなひとときが慰めだ。

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庭のクリスマスローズの花芽が膨らむ                                      サンシュ

     

 

 

 

 


卒業おめでとう  大熊中学校卒業式

2016-03-11 | 教育を考える

 

ご招待を受け、町内会を代表して1年ぶりに大熊中を訪れた。 

在校生の華やかな飾り付けの受付を終えて、来賓控え室へ。

控え室のホワイトボードの全面に、熊川海岸の風景と卒業式に当たってのお礼の言葉が書かれていた。

昨年も臨席したが、控え室の雰囲気は昨年とは一変、明るい空気が流れていた。

それは素晴らしい天気に恵まれたからだろうか。5年の時の流れもあるのだろうか。

昨年、寒い雪の中を隣の短大の式場に移動した覚えがあり、何となく沈んだ印象だった。

    

卒業生26名は、1年の入学から3年間この校舎で学んだ生徒だ。

卒業式プログラムの裏面には、大熊中学校の校章と由来やかつての校舎写真が、また、ふるさとの町民が愛し、住みよい町を作ろうと制定した大熊町顕彰が載っていた。

校歌の一節には”呼べばこたえる太平洋  紫金かがやく 阿武隈や~”とあった。切なくなった。

これらに、生徒たちのふるさとをみた。今そのふるさとへは戻れないでいる。

式までの合間に、図書館を見せていただいた。充実した図書館だった。

書棚に置かれた磐梯山のスケッチ画を見つけ安堵した。

昨年の卒業式に、来賓受付で「図書館に飾ってください」と差し上げた3つの絵だ。

大熊の子ども達が、図書館の一隅で、縁があって過ごした会津若松の秀峰磐梯山を記憶に留めて欲しい思いだった。

   

卒業式はいつも厳粛で美しかった。在校生、教職員、保護者、来賓が卒業生と対面する形式で進んだ。

校長、来賓式辞には、”おめでとう、大震災、感謝、かがやく未来、有り難う、・・・”の言葉が繰り返された。

答辞には感極まって涙が潤んだ。卒業生を見つめながら、子等や孫たちの顔が浮かんできた。

卒業生には、今後自分を見失うことなく活躍して欲しいと思う。どうか輝かしい未来をお願いしたい。

すべての子ども達にもそうあって欲しい。少しの感謝を胸に。

  

昨年、式に臨んで、町内会として何か関わりを探ってみたいと思った。また、何もできずに一年が経ってしまった。

ただ、同じ地域にあるだけで、招待を受けるだけでは寂しい。

理由はいろいろあろうが、生徒たちは仮設住宅から送迎のスクールバスでの登下校だ。また、広く県内外からの沢山の援助がある。

でも、それなりの地域のふれあいを考えてみたいと思っている。

大学構内には、日の丸の半旗が掲げられていた。式を終え帰宅途中、薄日の中雪が舞った。

あれから5年、あの日と同じような寒い一日だった。