庭にジャコウアゲハが低空飛翔していた。
我が家には、庭に食草のウマノスズクサがある。数年前、Hさんから一株貰ったもの、毎年山椒の木にヒョロヒョロと伸びて絡まり、花も咲かせている。
今年も、春もずいぶん遅くになって芽を出し、3本の芽が伸びた。
この庭のわずかな食草を見つけて、ジャコウアゲハが卵を産んでいった。
嬉しかった。カメラを手に、しばらく産卵行動を見ていた。
ウマノスズクサの植わている西側の庭を、数十分ゆっくり飛んで回った。
アジサイ、キク、ヤマボウシ・・・、周囲のあらゆる葉を前脚でさわりながら、これも違う、どこにあるのかと、警戒することもなく産み場所を探していた。
このいっぱいの緑の中で、彼女はどうやってウマノスズクサを識別できるのだろうか。
チョウやハエなどは、口器の表面や先端の他に、前脚の先端にも味覚器官が存在するらしい。
前脚で葉に触れ判別していることがよくわかった。
わずかに開いたウマノスズクサの小さい葉に産卵するところを認め、シャターを切った。
ツルは長いが、開いた葉は少ない。数枚、葉の裏に生み付けられた赤みがかった卵を見つけた。
産み付けられた3粒を認めたが、わずかな食草に、これから葉は十分だろうか心配になった。
何とか成長して旅立って欲しい。しばらく楽しみに見守っていきたい。 (2011.6.8)