ボクの好みのスタイルは魚とダイレクトでやり取りが出来て、3Dでの展開を攻略する完全フカセ釣りだが、今回は付属パーツが多くて、基本は上下の2Dでの展開になる天秤仕掛での釣り。滅多にヤラないスタイルだけに色々と考えを変える必要になるのだが、どうなる事やら…。
今回乗船したのは小浜から出船している直幸丸さん。秋本番の、浦島グリのメダイ釣りでは老舗中の老舗。出港から2時間半の大航海?の末に現着した。
慎重に時間を掛けた末にアンカーが入り、実釣開始。開始後数投で前アタリが有って、そのまま穂先が海面方向に突き刺さっていったが、一瞬にして戻ってしまった。回収後に調べると、クッションゴムとの接続に使っていた三叉サルカンのインターロック・スナップが開放されていた。予備の仕掛けに装着している物を調べてみると全てが不良品で、プライヤーで曲げて修正しないと単に引っ掛かっている状態であり、正位置に収まらない仕様になっていたのだ。とは言え老眼が始まる前の若い頃ならそんな事にもすぐに気付いたハズなのに…。
その後また数投でまたもやアタリを捉え、今度はちゃんとやり取りに入れた。
●一本目なので慎重に●
メダイ特有のヘビーな引きを味わいつつ、無事にゲット。まずまずの80cm代中盤サイズだった。
●まずは1本●
時合に入ったのか、乗船していた他の6人にもアタリが連発し、それぞれがゲット数を増やしていったが、同等にアタリを捉えていたはずのボクはトラブル続きで数を増やす事ができず、悔しい時間が続いた。
原因は使用していたリールのドラグのトラブルで、タナまで入った段階で撒きエサをカゴから振りだそうとすると滑るので、ギリギリすべらない程度に締めていただけなのに、その程度でややロック気味になる状態だったのだ。
メーター前後のメダイのファーストランは強烈なのはよく知られている。今回のような天秤仕掛で狙う場合は使用するラインが伸びの少ないPEになるので、ドラグ設定は慎重にしたいのだが、それが出来なかったのだ。
それでもピーキーになっているドラグの妥協点を探りつつ頑張ってはみたが、アタリは5回取って、内2本をゲット。他の2本は本アタリが出た直後にハリス切れが起こるという悲惨な状況だった。
●2本目を獲ったものの…●
やがて時間は過ぎ、船内全体のアタリは次第にポツポツから皆無になっていった。
風向きが変わってもいたので残りの3時間を前に船長がアンカー位置を修正した。
「状況も変わったし、やや深めかな?。」との思い付き(?)から、それまで狙っていた90m付近から93mに変更した。そしてそれが功を奏して船中で一番早くアタリを捉えるに至った。
ドラグ設定は撒きエサを降り出す際には指で押さえないと滑る程度にしていた事が良かったのか、ファーストランをウマくかわしたが、これまでに獲った2本とは違う引きに対して、その昔にチヌ釣りの「ストッパーなしのタイコリール(死語?)」を使用していた時のようなサミングを駆使しつつ、引き寄せていった。
●チョット違う引き●
そして無事にゲット。メーターには少し届かなかったが、重量は11.8kgと、コンディションの良いボディのメダイだった。
●98cm(11.8kg)●
少し間が空いて、もう一度アタリを捉えたが、「緩めすぎたドラグをやや戻したつもり」が、またもや締め過ぎになって固着して、竿が入った直後のハリス切れで逃してしまった。そしてその後は周囲も含めて何も起こらず、静かに納竿時間がやってきた。
この日、船全体で上がったメダイの数は25本になったそうだ。オマツリや操作ミス等でバラしていた人も見掛けたし、それにボクがヘマをした分を含めるとアタリの数は30を超えていたハズなので、この地の、メダイのストック量の豊富さを窺い知った。まさに浦島グリの底力を見せつけられた一日だったが、ボク個人にとっては何とも言い難い展開で、悔いが残る釣行になった。
因みにだが、自宅に戻ってリールを分解してみたところ、「購入後、3年」とは言え、別のリールも併用しているので、そんなに使用回数は伸びてはいないハズなのに、カーボン・ドラグワッシャーがすり減ってカーボンの目が殆ど出ていない状態だった。そのために、滑らないように締めればストップ状態、少し緩めればズルズルになって、中間のオイシイ部分が欠落していたようだ。早速、交換パーツを取り寄せる手続きを行ったが、7枚構成+ギヤ裏を含めると「代金は¥5720なり」。手痛いが、仕方がない…。