■目先を変えて■
前々回でお知らせしたように、メダイの釣果が絶不調な舞鶴沖を一旦諦め、目先を変えて兵庫県北部の釣り船に向かうことになった。乗船したのは、温泉地で有名な城之崎(きのさき)からほど近い、津居山地区の豊裕丸(ほうゆうまる)さんだった。
事前の船長との打ち合わせでは、昨秋はメダイの釣果が好調で大釣りもあったが、冬が明けて以降は今回が初出漁のため、データがなく、僚船からも「良い知らせがない」とのことだった。それでも「やってみなければ判らない」ということなので、一か八かを承知の上での出船となった。
■久方ぶりのご対面■
船長は、昨秋好調だった水深100mラインにある人工漁礁群に船を走らせた。現場に到着し、魚探をかける様子を覗き込んでいると、垂直に切り立つ人工漁礁の周りにほどよい感度が出ていて期待が持てそうだった。
期待を込めての第1投。初めは魚探に写る魚影の最上部に合わせて、83mのタナでカゴからエサを降り出して様子を伺うが、5分待って回収した時点ではサシエサは盗られていなかった。そこで次回のタナは5m落とした88mとし、また5分待ってみることにした。
そして再び回収してサシエサを確認すると、先バリのエサだけが盗られており、丁度良い状態だったので、3回目以降はそのタナをしばらく攻め続けることにした。
そして3投目、すぐに答えが出た。
フワフワと竿先を震わせる前アタリの後に、竿全体を絞り込んでいったため、メダイだと確信したが、竿全体がひん曲がるような引きではない。
それでも久方ぶりであるため、慎重に巻き上げて無事にゲットする。小型ではあるが、2ヶ月半振りのご対面にホッと胸を撫で下ろした瞬間であった。
魚を処理し、次の投入を開始しようとした頃、今度は隣の兄も竿を曲げている。
そして同寸をゲット。
小型なら群れの中の匹数が多いだけに、連発が期待できるため、明日以降の食卓に並ぶ「刺身、手巻き寿司、鍋物、西京漬け」を想像し、「このサイズなら最低3枚が必要」と勝手な皮算用をしながら、以降の投入にも気合いを込めていった。
続く魚はオキメバル。「だったら、もう少し上を攻めてみよう」と、タナを3m上げて85mでマキエサを降り出した。しかし、ハリに掛かるのはまたもやオキメバルだったため、更にタナを上げてゆくが、オキメバルばかりが3匹続いた後は、エサが残るようになってしまった。
しかし、この時点では楽観しており、今度は「大物が近寄ったのか?」との勝手な解釈で、ここからは逆にタナを下げていったのだが…。
ここまでの経過時間は30~40分程。以降はタナを下げようが何をしようが、全くエサが盗られなくなってしまった。
船長の「風向きが変わったからポイントからズレたのか?」との判断で、何度かアンカーを打ち替えてみるが、潮行きが完全に止まり、何をしようが無反応だった。
不思議なことに、魚探では魚影が写っているのにも関わらず、魚はエサに全く興味を示さない。それでも状況の好転を願って同じ場所で3時間強粘ったみたが、状態は一向に変わらず、とうとうシビレを切らして、別のポイントへ移動することになった。
■移動後も…■
次に入ったのは、水深78mラインにある、これまた人工漁礁だった。魚探に写る感度はこの上ない程に素晴らしく、期待が持てたが、現実には最初のポイントと同じ状態だった。
普通であれば、これだけの感度が魚探に出ていれば、サシエサはひとたまりもなく盗られるものだが、ど真ん中に入れてもほとんど残るか、先だけかじられているような状態で戻ってくる。
「どうせ、タナをいじっても変わらないだろう」との判断から、群れのど真ん中で待ち続けることにした。
その作戦が当たったのかは定かではないが、「少し潮が動いたかな?」と思った瞬間にアタリが出て、30cmほどのチダイが掛かり、シビレを切らせて底を狙うとガシラ
が掛かり、また群れの中に戻して少し潮が動けばチカメキントキ
や、大アジ
が掛かって来るだけで、何の興奮もなく、当然アドレナリンが出ることもなく、納竿の時間がやってきてしまった。
■津居山の印象■
今回の津居山沖での釣りは、潮が動かず、恐らくそれと同時に水温低下が起こって思わしい状況ではなかった。魚探を覗いた印象では、100mラインに点在する人工漁礁群は、メダイが好みそうなモノが多そうに思えたので、期待が持てるように思えた。何よりも沖に出ている船数が少なく、競争率も低いようだから、タイミングさえ合えば大釣りができそうな雰囲気はあった。そのため、各釣り船の釣果欄を参考にしつつではあるが、もう一度攻めてみたいと思えるような地区だった。
今回をもって今シーズンのメダイ釣りは終了する。この釣りを始めて以来、75cmの中型と50cmの小型が各1匹という最悪のシーズンだったために、このブログもロクな更新ができずに辛い日々が続いた。来シーズンの、メダイの釣果回復を願いつつも、次回以降は春の潮に変わって好調になりつつある若狭湾周辺を攻め、ゴールデンウィーク以降は渓流釣りも再開するつもりだ。思えば年明け以降は日頃の行いが悪いためか、何かにつけて不運の連続だった。果たして幸運が降り注ぐ日がやってくるのだろうか…。
前々回でお知らせしたように、メダイの釣果が絶不調な舞鶴沖を一旦諦め、目先を変えて兵庫県北部の釣り船に向かうことになった。乗船したのは、温泉地で有名な城之崎(きのさき)からほど近い、津居山地区の豊裕丸(ほうゆうまる)さんだった。
●豊裕丸●
事前の船長との打ち合わせでは、昨秋はメダイの釣果が好調で大釣りもあったが、冬が明けて以降は今回が初出漁のため、データがなく、僚船からも「良い知らせがない」とのことだった。それでも「やってみなければ判らない」ということなので、一か八かを承知の上での出船となった。
■久方ぶりのご対面■
船長は、昨秋好調だった水深100mラインにある人工漁礁群に船を走らせた。現場に到着し、魚探をかける様子を覗き込んでいると、垂直に切り立つ人工漁礁の周りにほどよい感度が出ていて期待が持てそうだった。
●今回は天秤ズボ釣りのみ●
期待を込めての第1投。初めは魚探に写る魚影の最上部に合わせて、83mのタナでカゴからエサを降り出して様子を伺うが、5分待って回収した時点ではサシエサは盗られていなかった。そこで次回のタナは5m落とした88mとし、また5分待ってみることにした。
そして再び回収してサシエサを確認すると、先バリのエサだけが盗られており、丁度良い状態だったので、3回目以降はそのタナをしばらく攻め続けることにした。
そして3投目、すぐに答えが出た。
●久しぶりに曲がる竿●
フワフワと竿先を震わせる前アタリの後に、竿全体を絞り込んでいったため、メダイだと確信したが、竿全体がひん曲がるような引きではない。
それでも久方ぶりであるため、慎重に巻き上げて無事にゲットする。小型ではあるが、2ヶ月半振りのご対面にホッと胸を撫で下ろした瞬間であった。
魚を処理し、次の投入を開始しようとした頃、今度は隣の兄も竿を曲げている。
●50cm台前半サイズ●
そして同寸をゲット。
●続いて兄も●
小型なら群れの中の匹数が多いだけに、連発が期待できるため、明日以降の食卓に並ぶ「刺身、手巻き寿司、鍋物、西京漬け」を想像し、「このサイズなら最低3枚が必要」と勝手な皮算用をしながら、以降の投入にも気合いを込めていった。
続く魚はオキメバル。「だったら、もう少し上を攻めてみよう」と、タナを3m上げて85mでマキエサを降り出した。しかし、ハリに掛かるのはまたもやオキメバルだったため、更にタナを上げてゆくが、オキメバルばかりが3匹続いた後は、エサが残るようになってしまった。
しかし、この時点では楽観しており、今度は「大物が近寄ったのか?」との勝手な解釈で、ここからは逆にタナを下げていったのだが…。
ここまでの経過時間は30~40分程。以降はタナを下げようが何をしようが、全くエサが盗られなくなってしまった。
船長の「風向きが変わったからポイントからズレたのか?」との判断で、何度かアンカーを打ち替えてみるが、潮行きが完全に止まり、何をしようが無反応だった。
不思議なことに、魚探では魚影が写っているのにも関わらず、魚はエサに全く興味を示さない。それでも状況の好転を願って同じ場所で3時間強粘ったみたが、状態は一向に変わらず、とうとうシビレを切らして、別のポイントへ移動することになった。
■移動後も…■
次に入ったのは、水深78mラインにある、これまた人工漁礁だった。魚探に写る感度はこの上ない程に素晴らしく、期待が持てたが、現実には最初のポイントと同じ状態だった。
普通であれば、これだけの感度が魚探に出ていれば、サシエサはひとたまりもなく盗られるものだが、ど真ん中に入れてもほとんど残るか、先だけかじられているような状態で戻ってくる。
「どうせ、タナをいじっても変わらないだろう」との判断から、群れのど真ん中で待ち続けることにした。
その作戦が当たったのかは定かではないが、「少し潮が動いたかな?」と思った瞬間にアタリが出て、30cmほどのチダイが掛かり、シビレを切らせて底を狙うとガシラ
●30cm近いサイズのガシラ●
が掛かり、また群れの中に戻して少し潮が動けばチカメキントキ
●30cmのチカメキントキ●
や、大アジ
●35cmのアジ●
が掛かって来るだけで、何の興奮もなく、当然アドレナリンが出ることもなく、納竿の時間がやってきてしまった。
■津居山の印象■
今回の津居山沖での釣りは、潮が動かず、恐らくそれと同時に水温低下が起こって思わしい状況ではなかった。魚探を覗いた印象では、100mラインに点在する人工漁礁群は、メダイが好みそうなモノが多そうに思えたので、期待が持てるように思えた。何よりも沖に出ている船数が少なく、競争率も低いようだから、タイミングさえ合えば大釣りができそうな雰囲気はあった。そのため、各釣り船の釣果欄を参考にしつつではあるが、もう一度攻めてみたいと思えるような地区だった。
今回をもって今シーズンのメダイ釣りは終了する。この釣りを始めて以来、75cmの中型と50cmの小型が各1匹という最悪のシーズンだったために、このブログもロクな更新ができずに辛い日々が続いた。来シーズンの、メダイの釣果回復を願いつつも、次回以降は春の潮に変わって好調になりつつある若狭湾周辺を攻め、ゴールデンウィーク以降は渓流釣りも再開するつもりだ。思えば年明け以降は日頃の行いが悪いためか、何かにつけて不運の連続だった。果たして幸運が降り注ぐ日がやってくるのだろうか…。