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中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’20年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その1

2020-11-07 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■「ベストがない」中型電動リール■

 ボクの記事で掲載している画像を見れば解ると思うが、こと中型電動リールに関しては昨年春ごろまではダイワ・シーボーグ500ATをメインに、その予備として中古のシーボーグ500FT(超音波タイプでない方)をヤフオクで手に入れて2台体制をとっていた。だが、今では随分と陣容が変わっている。
 以前に書いた記事にも中型電動リールに「ベストの機種はない」と記したが、ボク的には現在でもその状況は変わらない。そんな状況だから「少しでも良い物を」と、現行~絶版モデルの中でずっと漂流し続けている。
 そして、その漂流度合いは激しく、また悲し過ぎるため、今春に掲載した中型電動リールに関する記事に責任がとれなくなって、不掲載とせざるを得ない状況に陥っている。


■不運?■

 ボクが「ハズレくじ」を引く名人なのか、ここ数年間に見舞われたトラブルは、かなりの数になる。
 まず初めに新品購入したシーボーグ500ATが使用開始2回目でICモジュールに雨水が侵入し、保証修理でICモジュールが丸ごと交換になった。
 次いで同じリールの電磁クラッチが切れなくなって配線修理となり、その修理後も同じトラブルに見舞われたので、結局2度目のICモジュール交換になった。
 すると今度は予備で使っていた500FTのフリー回転が悪くなる。修理に出すと、トラブルの原因は「巻いたフロロカーボンラインのテンションで、スプールが横方向に伸びてサイドプレートに当たった事」で、「一度抜いてから巻き直すと元に戻った。」と聞いてビックリ。「このまま使うのは怖い。」と判断し、これは手放すに至った。

●シーボーグ500AT(手前)と500FT(奥)●

 次いでシーボーグZ500MMを予備機として手に入れた。これを白石グリまでの航行中に、ロッドにセットした状態でホルダーに差していたのだが、ポイントに到着後、数投で液晶表示の半分が見えなくなった。どうやら船の振動でICモジュールのどこかにヒビ等が入って海水が浸入したのが原因のようだった。
 この出来事のすぐ後にSLP(ダイワの修理会社)のコラム
https://slpplus.jp/column/today.repair.seaborgltd
を読んでいると、「袋やバッグに入れてあっての破損もある。」との記述があった。これには「じゃあ、精密機器扱いで釣り場に持って行けと言うの?」と、ツッコミを入れたくなったが、保証書もないので、仕方なく「ジャンク品扱い」としてヤフオクでの処分に至った。

●シーボーグZ500MM●

 因みに500ATやZ500MMのICモジュール交換は一発で¥50000クラスの修理になる。従って、使っているうちに保証期限が切れてしまった500ATは「もしも」の際に多大な出費になる事を懸念して、不本意だが手放してしまった。
 そして同じ頃にZ500MMをヤフオクで再び手に入れたが、これは当たりだったようで現在まで無事だが、ロッドホルダーには刺さず、釣り場に到着するまでバッグ内に納めて持ち込んでいるのは言うまでもない話だ。


■続くトラブル■

 そうこうしている間に、シマノからビーストマスターMD3000が発売になった。元々ボク自身が〝シマノ党”だった事と、ドラグ・フィーリングの良いシマノ製品が「回らない」と定評のあるスプールインモーターを廃した事を受けてMD3000を購入。次いでPEライン専用で使用していたビーストマスター3000XPを手放してビーストマスター2000EJを導入した。

●ビーストマスターMD3000●

 ドラグ性能の良いシマノがフリー回転性能を得た事で「喜び勇んで」MD3000を実戦投入した。初回は小マサばかりで実力は発揮出来なかったが、2回目の釣行での、ブリが掛かった際の余裕度には感激するほどだった。
 だが半面、気になる事が実釣時に起こっていた。レベルワインド機構が装備されるリールでは、多少の凹凸は出来るものの、巻かれたラインは割とキレイに巻かれてゆくのだが、MD3000の場合は(あくまでも他モデルとの比較だが)スプールのサイドプレート際のラインの「なで肩度」が大きい。
 そしてその両サイド部にラインが食い込み、放出と負荷のかかった巻取りを繰り返す内に、それがドンドン激しくなってゆくのだ。ついには食い込んだラインは指でつまみ出せるレベルではなく、拳で握りこんでから引っ張らないと出てこない状態に陥った。
 また、どのリールでもスプール軸に近く巻かれた部分ではラインの潰れが発生するが、このリールは中間位置から既に潰れが酷く、もうそれは傷に近い状態だった。
 その状況に「マズイな…。」と思っていた矢先にアタリが出て、ラインが走った途端にスプールに食い込んだまま固着して、糸の潰れた部分で高切れが起こってしまった。
 ここで「もう使えない。」と判断し、予備で持ち込んでいた2000EJにフロロカーボンラインを巻いた物に交換してその日をしのぎ、それ以降はフリー回転性能が中型クラス最高の2000EJを使うようになった。
 しかし、その2000EJでもトラブルが発生した。新品から数えて使用2回目で6号ラインの食い込み&糸潰れが酷くなり始め、良型ヒラマサらしきアタリが出た直後にスプール軸上で高切れを起こしてしまったのだ。

●ビーストマスター2000EJ●

 PEラインと違ってフロロカーボンラインやナイロンラインは伸び縮みの幅が大きい事は当然知られている。しかし、この伸び縮みが想像以上の圧となってスプールを締め付けている事はそんなに知られていないと思う。
 だが、例えばダイワだと、タナコン750ではカタログに、わざわざ「本製品はPE専用です。スプール破損の恐れがありますので、ナイロン・フロロラインはご使用にならないでください。」と書いているほどに要注意事項なのだ。
 更にはそれに収まらず、そう謳っていないリール=上述した500FTのようにメーカーが「完全フカセ向き」としているモデルであっても、テンションの掛けようによってはスプールを歪ませてしまうほどの圧が掛かるのだ。
 素人考えかも知れないが、ボクの分析では…。
 シマノのMD3000と2000番シリーズは、スプールインモーターを廃してコンパクト化した結果、スプール軸の径が細いタイプになっているが、その分だけ単位距離あたりの軸に巻かれる回数が増える。
 その上に、クラスを超越した大パワー・モーターで巻き上げられたラインには強烈なトルクが掛かって強く引き伸ばされながら巻き込まれるが、当然その分だけ縮む際の力も強くなる。
 だが、幸い(?)にもシマノのスプール軸剛性は高いので、スプールは歪んだり伸びたりせず、テンションの全てをラインが背負う事になってしまう。
 特にエッジ際ではラインが行き渡ったり、行き渡らなかったりで、なで肩状になりつつ、テンションに疎と密が生まれ、疎になった部分に後から強烈なトルクの掛かったラインが巻き込まれ、その後に強烈に縮んで、この部分で食い込みと糸潰れが特に激しくなる。
 この辺りが原因なのだと思う。
 この件に関してはメーカーにも問い合わせをしたのだが、「糸巻の際にボビンとの距離が近かったり、ロッドの元ガイドとの距離が近いとラインがサイドに行きわたらなくなる事がある。」との見解だった。
 だが、ボビンは出来得る範囲内で最大に離しても状態は変わらなかった。また、ガイドとの距離の件も使用ロッドが同社のアオモノリミテッドなので、原因とされても困る話だ。

●ビーストマスターMD3000のスプールエッジ際●

 結局、上記の経緯でMD3000は手放す事になり、完全フカセはダイワのZ500MM、天秤&落とし込みのPEラインを使う際はシマノの2000EJとして使い分けするしかないと思っていたのだが、ここでボクのへそ曲がりと言うべきか、そんないつものヤツが心中でザワつき始めた。

 以下、その2「シマノをイジる編」へ続く

 上記はボクが体験した事実と、それに対する見解だ。だが、どんな工業製品であっても当たり外れはあるのは当然の事だし、例えばドラグフィールだと使う釣り人によっても感じ方が違うので、意見の相違も出て来る。また、フロロカーボンライン使用時では不都合があっても、PEライン使用時であれば、全く問題なく使用出来るので、一概に良し悪しの決めつけは出来ない。よって、今回の記事は「完全フカセでの限定使用時」の個人的な参考意見として読んでいただきたい。

コメント
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