中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

狙っていたワケではないけれど…

2015-06-13 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■残り物■

 舞鶴沖=白石グリのヒラマサだが、6月に入って数は減ったものの、まだポツポツと釣果が出ているようだ。情報はイヤでも入ってくるので、まだボクの未練心は刺激されていたが、加えてマダイの乗っ込みがピークになりつつあるとあって、有力船に週末の空きがあるハズは無い。
 そんな状況だったから、「玄達への釣行日も近いから、ここは諦めて、そろそろ渓流に行こうか?」と算段していた。しかし、たまたまH.P.を覗いたタイミングにキャンセルが出ていたため、ラッキーにも、東舞鶴から出ている瑞翔(ずいしょう)さんの“船上の人”になることができた。

●瑞翔さん(帰港時)●

 現地では9時半頃に出船し、4人が乗船した。勿論、ボクは残り物のヒラマサ狙いなのだが、乗合船という事情から勝手を言うワケにはいかず、「何処に行くのか」が心配だったが、行き先が白石グリだと聞いた瞬間は「チャンス有り」と、ほくそ笑んでいた。

●出港地は自衛隊の北吸桟橋の近く●


■逆潮の中■

 白石グリまでの航行中、入漁時間の早いジギング船から無線情報が入っていた。それに耳を傾けていると、現地は南東方向から流れる逆潮になっているとのことだった。白石グリでは西から東に抜ける潮が本潮となる。海底隆起の配置的に捉えても本潮では大型魚の着きやすい浅場に潮がブチ当たるため、全体的に本命魚の食い気が上昇するし、それに恐れをなしたエサ取り達が跋扈することも少なくなるため、釣り易くもなる。しかし、逆潮となると別条件になるため、貧果になる確率が高まる。せめてもの救いは、風が同方向から吹いていることで、「とりあえず、支障なく流せるだけマシか…。」と思いながら、現地までの不安な1時間を過ごしていた。

 午前11時に実釣スタート。船長の事前説明から判断すると「浅場の端に定位させた船から瀬を横切る形で完全フカセ仕掛けを流し込んでいくイメージで流せばいいのかな?。」と思い、それに合わせたタックルセッテイングを行った。
 「付近の水深は35mということだし、潮が緩いため、マキエサが効き出すと、足の遅いエサ盗り達が沸くだろう。」という予想から、沈む仕掛で粘らず、発泡ウキの番手をどんどん上げることで仕掛を浮かせる方向へシフトさせることを念頭に置いて攻めることにした。

 最初の一投で船首方向から声が上がり、同船者に良型のイサギがダブルで掛かったが、程なくして当初は緩いながらも流れに一定性のあった潮にムラが出て、止まりかかったりするような流れになると、エサが殆ど残らない状況に陥った。
 発泡ウキは8番の1個入れでは通用せず、8+7まで上がっていたが、少し潮の勢いが増したかと思った途端に良型のイサギをゲットする。

●40cmほどのデブ・イサギ●

 しかし、ウマい魚であっても全く引き味はなく、感動はない。次いでの魚は、時間が空いたが、再びもう1匹の良型のイサギをゲットする。だが、それ以降は、かわしてもかわしてもエサ盗り達の攻撃は激しく、船内を見渡しても、たまたま掛かってくるウマズラハゲが僅かに竿を曲げるのみで時間だけが過ぎていった。

●沈黙の時間が船内に流れてゆく●


■陽の落ち始め■

 途中、眠くなってボ~ッとする時間もあったが、午後3時を過ぎて日の傾きを感じたので、気合いを入れ直す。というのも、光の屈折の関係で、海中では地上よりも早い段階で暗くなり、それと同時にエサ盗りが減り始めるからだ。
 その実、40mほど先まで沈まないような、発泡ウキを8番を2個がけしたセッティングでは高浮力過ぎて、エサが残るようになっていた。そこで、流す距離をそれまでの80mから100mに伸ばしてみた。しかし、それでも残るため、発泡ウキのサイズをを8番+7番へと順次下げていった。それが8番+6番になったところで、それまで潮流に合わせてトロトロとゆっくり回っていたリールが80mあたりで、一気にではなく、言わば「スルスルッ」「スルスルッ」と途切れ途切れに強弱を繰り返すといった感じで回り始めた。
 「アタリのアラームは鳴らないが、何か変だ。」と思い、スプールを親指で押さえてみると、ラインから竿に伝わる生命感が感じられた。そしてすかさず竿を手に持ってアワせてみると、「ズドンッ!」とう、衝撃が伝わるのと同時に竿が大きく絞り込まれていった。

●待望の大型魚!●

 最初の内はドーッ!と走ったかと思えばグイグイと締め込んでくる。その強さは時折リールの巻き上げが止まってしまう程だったため、正体は判らないものの、大型魚には違いない。そこで、強引さは控えてドラグを調整しながら慎重にやりとりを行うことにした。
 締め込みをかわして何とか船下まで引き寄せても、竿を叩かず下方向への更にシツコク締め込んだために、「お願いヒラマサであってくれ!」と、心中で叫んだが、スピードがないので違うようだ。そして、中層まで引き上げてみると、今度は横走りを始めた。
 「エ~ッ、ブリ系なの~?…。」と、ここで判断を修正したのだが、やがて姿を現した相手を見てビックリ仰天。正体は想像もしなかった大マダイだったのだ。普段のマダイであれば、掛けた後の、底~中層にかけての走りはあっても、浮き袋の膨らみ易い体質?のため、中層から上に引き上げる頃には遊泳バランスを崩して、頭を振ってイヤイヤするだけになるのだが、この日のポイントは、船下の水深が35mほどしかなかったために、いつまでもヘバることなくパワーを発揮していたようだ。
 
●大マダイ●


●キッチリとスケールで計ると…●


●84.5cmあった!●

 狙っていたワケではないものの、久しぶりの80cm級を手にしたことに気を良くしつつ、ニヤけながら撮影等を済ませた。そして次の流し以降でも続くアタリをとるため、発泡ウキは同じセッティングのままで流していった。数投を経た後、今度はキッチリとアラームが鳴るアタリが出て、55cm級のマダイをゲットする。その様子から「どうやら時合い到来か?。」、「今度こそヒラマサが来るのか?」と、一人ほくそ笑んだが、それはぬか喜びであり、以後は無情にも潮が緩んでアタリが遠退いていった。


■夕マヅメ■

 アレコレ思案しつつも時は流れ、早、完全なる夕刻に入ったため、日暮れにアタリが遠退くことの多いヒラマサは諦めなくてはならなかった。残念だったが、ここでもう一度頭の中を整理し、以後の対策を練ることにした。
 エサ盗りの気配は更に減っていたため、策の第一として全ての発泡ウキをハズしてみたが、これではエサが盗られるだけだったので、一旦、大マダイを掛けたセッティングに戻し、エサの盗られ具合を確認しながら、浮力を下げてゆくことにした。
 8番+6番ではエサが残ったため、8番+5番へ、そして8番が1個へと徐々に浮力を落としていったが、7番が1個になった仕掛が60mを過ぎた瞬間に急速逆転し、55cm級をゲット。ここから入れ食いが始まった。(とは言え、流速が遅いために一流しに時間がかかって、間が開くのだが…)

●竿が快調に曲がり出す●

 次いでのマダイは70cm級だったが、これは、玉網を入れる際のトラブルで、ハリが外れてしまった。別に土産で欲しい魚ではないので、ロスト自体にはガックリとならなかったが、普段通りのマダイであれば、水面まで浮かせると腹を返して浮いたままになって掬い直すことができるほどの“ヘタレ”具合なのに、この日のような浅場の釣りでは、泳ぐ勢いが衰えず、そのまま一目散に逃げ去ったことは驚きだった。
 そして、その外れたマダイの後に、船長から「あと2投で終了。」との声が掛かった。思い描いたことがハマッていたため、気を良くしたままの状態で仕掛けの投入を再開すると、全く同じセッティング&距離で、逃がしたサイズよりもやや小さいサイズをゲットする。

●70cm弱●

 続いての流しでもアタリを捉えて、またもや55cm級をゲット。ラスト3投はパーフェクトの状態であり、次の流し以降でも食い続きそうであったが、残念ながら、ここで時間切れとなって、納竿となった。


■再評価■

 これまで、下層での抵抗こそあっても上層まで引き上げてくると、腹を返してしまう“だらしないマダイ”に魅力を感じることは少なかったが、あれやこれやで浅場で掛けた場合は“別物”だということで評価が変わった次第だ。これからもボクがマダイを専門で狙うことは殆どないだろうけれど、条件次第で違ってくる楽しさを今回は充分に味わうことができた。そんな意味で、“腐っても鯛”を痛感した一日だった。

コメント
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