中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’21版 バラシを科学する ~竿の角度の話 Part1

2021-06-12 12:30:30 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 バラシの主な原因は前回に記した「ハリ外れ」の他に色々挙げられる。今回は「竿の操作」ついて記してゆく。

 ボクにとっての、釣り人界での最強者は今でも磯のグレ釣り名人だと思っているが、そのグレ釣り界では、バラシを防ぐには「道糸と竿の角度を保つ事が大事」と言われている事は、このブログでも何度か紹介している。かく言うボクもその凝っていた当時の腕前は大したモノではなかったものの、竿さばきの基本を覚えて以降のバラシは激減した経験がある。
 ここまで読んで、「何でグレ釣の話?」と思う人も居るだろう。だが両方の釣りを真剣にした人なら解ると思うが、ヒラマサとグレはハリに掛かった後の習性がよく似ているからだ。付け加えるが、不思議な事に同じ青物と言われるブリは習性が全く違うので、この魚との単純な引っ張り合いでの経験は殆ど生かせない。


■角度の間違い■

 グレ釣りの観点で言えば、「道糸に対して竿の元部を90度近辺に立てた際に、竿の弾力が最高になる」というのが、やり取りでの根幹になる。
 これをヒラマサの完全フカセ釣りに当てはめると、相手との距離によって船上で保持すべき竿の角度は大きく変わってくる事に気付くだろう。具体的に示す必要は無いのかも知れないが、ヒラマサの位置が遠距離なら水平に対して90度近辺。そこから徐々に倒れていって、足下に来た時には0度近辺になるが、足下まで来たヒラマサは真下方向に突っ込むからこれで丁度イイのだ。

 本来の基本操作はそうなるハズなのだが、周りで魚が掛かっている様子を見ていると、相手がかなり沖に位置するにも関わらず、海面に対して30度以下の人を多く見かける。
 これは特に電動リールを使う人に多い現象?だと思う。竿の角度は釣り人の目線と関係しているモノと思われ、この角度になる人は「電動リールの液晶パネルを見た後、そのままになっている」もしくは「早く魚が見たいから道糸の延長戦を見ている」のどちらかが多いと思う。試しに前者は本を見る姿勢を思い出して欲しい。更に言うと老眼が入れば余計にそうなる事も理解してもらえると思う。そして後者は遠くを覗き込んでいる際の姿勢をとれば理解できるだろう。
 そんな竿の角度であっても、電動リールの巻き上げ力で獲れてしまう事があり、それが技術が向上しない原因にもなる。だがこれは最初から道糸とハリスの組み合わせ強度に負けているサイズだからであって、相手が大型になるとそうは行かない。
 逆にヒラマサが足下まで来ているのに、竿が水面に対して90度近くになっている人が居る。これは必死になってポンピングするからそうなるのか、手巻きの人に多いように思う。
 また、別の意味になるが、船長にハリスを掴んで手繰ってもらうために、竿先を持ち上げた後、今度は魚に目が行ってそのまま突っ立てた状態になっている人も多い。
 グレ釣りの観点で言えば、上記の全てがバラシの原因になる。それは「道糸と竿の元部の角度」が鈍角になると竿の反発力が効かないので、負担が道糸&ハリスに集中するし、鋭角になると竿の硬い芯の部分でのやり取りになり、タフな船竿では確率は低いが破損の原因にもなるからだ。

●竿の元部と道糸の角度は90度近辺に●


■ゲット率が下る単純なドラグ操作■

 話は飛ぶが、書き進むうちに、YouTubeの人気釣りコンテンツの一つである「釣りよかでしょう」の中で、ヒラマサを防波堤から狙う回を思い出していた。その中で地元の漁師にアドバイスされるシーンがあって、記憶が確かならそれは「最初の走りを止めてこっちに頭を向かせる事が出来ないヒラマサは、ドラグ操作でかわそうとしても獲れない。」という内容だった。つまりは初期段階のフルパワーを出している状態のヒラマサに、タックルとそれを使う釣り人が負けると「後の取り返しが効かない」という事だと思う。

 以前にも掲載したYoutube動画「https://www.youtube.com/watch?v=YICGDeYdzmo」を観ても解るが、ハリに掛かって危機を感じたヒラマサは、近くの岩陰や海溝に逃げ込もうと突進する。対する釣り人は道糸とハリスの強度を信じて竿を曲げ込みながら耐えてそれを阻む。
 魚は引かれる方向と反対に逃げる習性があるから、ヒラマサは基本的に道糸の延長方向に向かうが、ここで釣り人が道糸を出さずに踏ん張っていると、仕掛けがブチ切れない限り、ヒラマサも泳ぐ方向を変えられずに踏ん張って泳いでいるだけとなる。何故なら向きを変えようとすれば、泳力とタックル・パワーの均衡が崩れて頭が釣人の方へ向いてしまうからだが、逆を言うと踏ん張っているとヒラマサのパワーが落ちた時点で頭はこっちに向くのだから、これを利用しない手はない。
 だから、普通の釣り人感覚の「ドラグを効かせて走らせ、弱らせて、止まったら…。」という対処では道糸が出過ぎて頭がこっちに向かない事が多く、ズルズルと引き出されて根ズレでアウトになる確率が上がるのが理解出来ると思う。
 とは言え、ギチギチのフルドラグでは、道糸やハリス強度の限界を超えるとブチ切れるのは当たり前なので、限界の手前ギリギリで必要最低限の範囲で滑らせるしかないのだが、竿の角度の保持と相手のパワーに見合った道糸とハリスの選択を行えば当然その限界点が上昇する。

 ヒラマサの引きは季節と地形でかなり違ってくる。例えば春の白石グリでは本来の70%程度の力しか発揮していないように思う。これに関しては適水温ではない事と、ヒットポイントから船下までの間にヒラマサが逃げ込みたくなる障害物が少ない事がその要因だ。従ってここでは8号ハリスと6~7号の道糸で何とかメーターちょい迄なら互角に渡り合える。
 だが、初夏からの玄達瀬では水温も上がる上、地形の条件が厳しくなるし、さらなる大型が掛かる確率も上昇するので12号ハリスと10号道糸でも安心できないのだ。
 そして秋の鷹巣沖だが、ここでは白石グリと同等のサイズが狙えるが、産卵から回復した秋ヒラマサのパワーは最大になるので、8~10号ハリスと7号の道糸を組み合わせている。
 道糸の寿命だが、デカい魚を狙う限りにおいては、伸び縮みを繰り返すうちに伸びたままで戻らなくなる=ショック吸収性が落ちて切れ易くなるので、ボクの場合3回程度が限度としているが、勿論、その前の段階で傷があればその部分を切り落とすし、残存距離によっては新品への巻替えを行っている。
 また、ハリスに関しては大型をゲットした後は必ず全交換している。


■ポンピングは…?■

 魚を引き寄せる方法の一つとして、ポンピングという手段がある。
 これは竿を立てて魚を引き寄せ、次に竿を寝かせながら余った道糸を巻き取り、それを繰り返して距離を詰める事を指すが、グレ釣り界では、「ポンピングで獲れるのは小~中型に限られる」と、されている。
 もし大型のグレを相手にポンピングをしていたら、竿を前に倒している最中は角度がキープ出来ず、道糸が緩む。そのタイミングで走られると、根ズレしてバラすハメになるからだ。従って大型は、「竿の角度を保持したままで相手に竿と喧嘩させ、ひるんだ隙にゴリ巻きする方法」の方がゲット率が上がる。
 ヒラマサとのやり取りでも同じだが、相手のパワーが強大なだけにスキを与えた際の痛手は更に大きくなる。だからボクの場合、竿の角度をキープし続け易い電動リールしか基本的に使用しない。
 だが、こだわりがあって手巻きリールを使用する釣り人も居るだろう。その場合は、大マサ相手に左手一本で竿を保持しながら右手でハンドルを巻き続けられるスーパーマッチョな人以外は、初期段階からポンピングせざるを得ないのだが、よく見かける「縦方向に90度から0度までバッタンバッタンと腕を使って倒す方法」ではなく、45度を切らないように気を付け、スクワットの動きや腰の回転を使ってストロークを稼いで行うべきだ。
 とは言え、電動リールであっても、相手との距離によってはポンピングも有効になるので、それについては次回の「距離別対処法」で記す。

 と、ここまで偉そうな事を言ってはいるが、実は昨年、推定メーターオーバークラスを2発バラしている。その原因はやってはイケないハズのファーストラン時のポンピングだった。
 この2回では魔が差したのか、「最初から両手保持が出来るので楽だし、大丈夫だろう。」とばかりに、フルスロットルにしたままでポンピングを開始。なるべく竿の角度が保持できるよう、のけ反りつつ胸の前への引き付けで行っていたが、別々のリールの使用下でありながら、ブチ切れは同じスプール際で起こってしまった。
 恐らくだが魚の走りがマックスの状態にも関わらず、強引なポンピングによってリールのスプールに道糸が喰い込み、その部分が摩擦で耐えきれなかった事が切れた原因だと思っている。
 これに懲りて、ファーストラン時の対応は、元の引き抜きスタイルしか使わないようにしているが、以後に同様のブチ切れは起こっていない。

 尚、「引き抜き」についてはYouTube内の
https://www.youtube.com/watch?v=cYUJaIoXf9w&lc=UgzFJz1bZR1cKBcrIHJ4AaABAg
を参照すれば理解できると思う。

 ここ迄長々と書いたが、ファーストランを止める事が出来れば、そこでの根ズレも激減し、以後にバラす確率がグンと下がる事は間違いのない事実だ。
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春の経ヶ岬 ~7回目

2021-06-12 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 3月からチャレンジを繰り返していた春の経ヶ岬釣行も今回が一応のラスト。だが、暗雲が垂れ込めていた。

■大惨敗■

 経ヶ岬では遅れていた夏の潮が差し始めたのは良いが、緩む日がほとんどなく続いていた。

●ここからさらに速まって、100mあたり2分30秒になった●

 それでもラッキーな人は緩んだ日に当たってヒラマサのアタリを数回捉えていたようだ。だが、ただ緩むだけではダメで、ベイトフィッシュが沸く日はオキアミには目もくれず、そちらを追う為、完全フカセでは勝負にならない。そして当日の状況もそうだった。
 それでも懸命に努力したが、イサギも掛からずタナ決めが出来ない。結局「マダイに遊んでもらおうか」と思い、1~2号の丸玉オモリを入れて無理やりそれをほじくり出したが、4回アタリを取って3回ハリ外れ。結局45cmクラスを1枚という、大貧果に終わった。しかも掛かったマダイは口から4cm程の小サバを吐き出していた。

●遊んでくれたのはこの子だけ…●


■春期の成績■

 結局、春期の成績は小マサ×1、中マサ×8,デカマサ×1という結果だった。119cmのデカマサゲットはウレシイ結果だったが、それ以外にチャンスが一日だけあったにも関わらず、その日は「どうせ…」と諦めムードに浸って見過ごしてしまった。「イタかった」と思っても後の祭り。次に生かすしかない。

 今後は玄達瀬に転戦する。経ヶ岬の状況と現地の状況は連動する事が多いので、やや心配だが、とにもかくにも夢の130cmオーバーを狙ってゆく。
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