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「槭」と「楓」と「紅葉」について考える

2009-10-06 13:06:53 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

 カエデは秋の野山を彩る樹木として、古来より日本人に親しまれてきました。

紅葉」と書いて「もみじ」とも読み、カエデのことをモミジと呼ぶこともあるように、カエデ紅葉・黄葉する樹木の代名詞であるといわれています。

モミジとカエデの違いは何でしょう。

Photo モミジとは、カエデの別称、または紅葉することや紅葉した葉そのものを指すことがあります。さらには、紅葉している樹木全般をモミジと総称している場合があります。

万葉の時代、山々を美しく彩る紅葉を「毛美知波(もみぢは)」と呼び、その中で葉が切れ込んでカエルの手を連想させるものを「賀閉流手蝦手(かへるで)」といったのです。それが転じてカエデとなったとされています。

カエデは紅葉の美しさを愛でるのみならず、庭や公園等の水辺を演出する役割も担い、多くの園芸品種がつくられてきました。紅葉だけでなく、早春に芽や若枝が徐々に赤く染まっていく様子は、春の到来を予感させ、生きる喜びを感じさせるのです。

槭と楓とは何でしょう

Photo_2  Photo_3 カエデカエデ科カエデ属Acer)に属する樹木の総称です。カエデ属は世界に約150種あり、北半球の温帯、亜寒帯から熱帯の、平地から山地まで分布しています。日本には20種以上が、谷沿いから斜面の適潤地を中心に自生しているのです。いずれも高木または小高木で、ほとんどが落葉性ですが、まれに常緑性のものがあります。葉は対生し、切れ込むものが多いようです。

 カエデを漢字で書くと一般的には「」となるが、正しくは「(せき)」と書きます。

Photo_4 1  本来、楓(フウ)中国原産マンサク科フウ属のフウを指します。フウ属は中国・台湾・小アジPhoto_5 ジバフウを見かけることが多いが、フウ属の植物はいずれも日本には自生していません。楓(フウ)、あるいはモミジバフウの葉は槭(カエデ)の葉に似て3.裂あるいは 57.裂し、美しく紅葉するため、槭(カエデ)の仲間に間違えられることが多いのです。

4 しかし、槭(カエデ)の葉は必ず対生するが、楓(フウ)の葉は互生するので簡単に区別することができます。両者は花や果実の形態もまったく異なっている。槭(カエデ)といえば、Photo_6 Photo_7 秋にプロペラのような果実(翼果)がクルクルと回りながらPhoto_8 落ちていきます。一方、楓(フウ)の果実はクリの‘いが’のように見え、落葉後にもぶら下がっていることが多いのです。

ちなみに、槭(カエデ)の翼果(よくか)はクルクルと旋回することによって滞空時間が長くなり、より遠くへ運ばれるようになっています。この翼果は花の段階で既に翼の部分が用意されている。槭(カエデ)の花は小さくて目立たないが、両性花の中を観察してみると、「雌蕊」を中心に小さな翼が対になっているのが見えます。

 1_3 そもそも、なぜ楓(フウ)槭(カエデ)を混同するにいたったのでしょうか。北村四郎 (キタムラ シロウ:1906年滋賀県生まれ。植物分類学者)は1990年に「中国ではマンサク科のフウ(楓)の紅葉が美しいので詩文にあらわれる。日本ではフウを槭(カエデ)と勘違いして、楓をカエデと読む」とあります。

万葉の時代には既に槭(カエデ)として意識され、その紅葉の美しさが愛でられていたのです。当時の貴族階級の知識人にとって、大陸(隋さらには唐)は憧れの対象でありました。野山を彩る槭(カエデ)を、大陸の詩文にみられる楓(フウ)として自らの歌に詠み込むことは、教養を楽しみ、誇る上で格好の題材であったのでしょう。

平安貴族と槭(カエデ)にはどのような関わりがあったのでしょう

Photo_10  平安時代以降、槭(カエデ)は庭園内で欠くことのできない樹木となっていきます。

西暦894年、菅原道真により遣唐使が廃止され、以後、国風文化が花開く世の中となります。貴族の庭園も唐風の梅(ウメ)や竹(タケ)、菊(キク)に代わり、春は桜(サクラ)の花、秋は槭(カエデ)をはじめとする紅葉する樹木が彩る和風の空間へと変容していきます。

平安時代に書かれた日本最古の作庭書である『作庭記』には、「但古人云東には花の木をうへ西には‘もみち’の木をうふへし 若いけあらは嶋には松柳釣殿のほとりには‘かへて’やうの夏こたちすゝしけならん木をうふへし(但し、古人は東には花の木を植え、西にはモミジの木を植えよと言っている。 もし池があれば、島には松、柳、釣殿のほとりには槭(カエデ)のような夏木立の涼しそうな木を植えるがよい)」とあります。

日本の造園史家 ・森蘊(もりおさむ:1986)もモミジと槭(カエデ)を言い分けていることから、作庭記の作者(藤原頼通の子、橘俊綱説が有力)はそれぞれを区別していたものと推測されます。また、池辺には槭(カエデ)としていることから、作者は槭(カエデ)の自生地の環境に基づく植栽計画を推奨しているのでしょう。

Photo_11 Photo_12 槭(カエデ)やモミジを西側に植えるという考え方は、源氏物語少女巻、六条院の四季の庭にもみることができる。また、平安から鎌倉時代に貴族の間に流行していた蹴鞠の鞠庭では、懸かり木(または式木、四季木ともいう。鞠を蹴り上げる高さの基準となる樹木)として槭(カエデ)が植えられた。鞠庭の 4隅には懸かり木として、北東に桜(サクラ)、南東に柳(ヤナギ)、南西に槭(カエデ)、北西に松(マツ)を植えるものとされています。沈みゆく夕日と、散りゆく紅葉との共通するイメージが、槭(カエデ)は西側に植えるものとさせていたのでしょうか。あるいは、槭(カエデ)の葉が強い西日を受けることにより、晩秋の紅葉をよりいっそう鮮やかにすることを狙っていたのかもしれません。Photo_13

1_2 しかし何故、槭(カエデ)という文字があるのも関わらず、と書いて「かえで」と読ますのでしょう。植物分類上全く異なる植物を無理に読ます必要がどこにあるのでしょう。だから楓(かえで)と紅葉は違うなどとトンチンカンな話になるのです。カエデではなくなのですから。

ついでに「観楓会」と言いますが、これは中国では良いかも知れませんが、日本では「紅葉狩り」と言ったほうがよいでしょう。

したっけ。

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倉内佐知子

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