年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

山川漬はコラーゲンを増やす?

2006年04月22日 | タクワン
江戸時代には、都市住民がタクワン漬を作る場合は、干し大根を購入して加工していました。都市から少し離れた農村では、大根を干すことによって保存性が高くなり運搬が容易になる上、販売時期を選んで付加価値を高くして売れるという利点もあったからです。
 また、乾燥することにとって、大根自体が持つうま味成分が凝縮され、米糠、食塩で漬け込むことにより乳酸発酵が進み、独特のうま味が加わり美味しく食べられるようになります。
 現在でも、干しだいこんは全国各地で作られており、主に漬物の原材料として販売されています。
 生大根は、水分が90%以上あることから、そのまま漬け込むと貯蔵性が劣り、調味成分の浸透も悪くなることから、干してから漬け込んだ方がよいといわれています。アミノ酸の一種のプロリンは大根の乾燥度が増すほど増えます。東京タクワンには100g中5mg、渥美タクワンには20mg、鹿児島の干しタクワンには50mgですが山川漬には500mgにもなります。 
新つけもの考 前田安彦著 岩波新書
プロリンは、 皮膚などの組織を構成するコラーゲンの原料となるアミノ酸で、天然保湿成分(NMF) としても使われております。
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