年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

べったら市 昭和3年②

2006年10月09日 | べったら市
昭和3年10月19日都新聞
べったら市近づく
浅漬の良否とその見分け方
昨今浅漬が大分漬物屋の店頭に現れて来ましたが、まだ浅漬としても本当の味が出ていないようである。元来浅漬は原料となる大根は初めは美濃早生を用い、中頃から俗称大根を用いるのでありますが両方とも秋大根に比べて品質が劣っているのであります。一体浅漬の良否は原料によってその品質に関係することが多いのでありますから如何に作業その他に熟練していても原料が悪いと良品を得る事が出来ません。ことに浅漬は漬け込み時にいまだ気温が高いから原料が悪いとすぐに酸味をおび浅漬として価値がないようになるものがあります。今参考に原料品について述べてみますと大根の大きさは小さい物より大きい物が良い。なお、近頃砂糖の代用品としてサッカリンを混入して販売している物が非常に多い。注意しなければなりません。サッカリンで味付けたものは甘苦い感じがいつまでも残りますが砂糖で味付けた物はほんのりと甘味を感じて、それも舌に残らずあっさりと消えます、また味としては樽の上の方や底の方にあった浅漬はよろしくありません。中間のところが美味しいわけです。

俗称大根とは何のことか解らない。
当時は冷蔵庫で漬け込むことはなかったのでかなり製造が難しかった。
コメント
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