年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

サッカリン 昭和11年

2006年10月18日 | 趣味としての漬物
昭和11年12月4日朝日新聞夕刊
投書
砂糖が高くなっていますので砂糖の変わりにサッカリンを家庭で使ってもよろしいのですか?
回答
サッカリンは一般家庭で自家用に使用する分には自由で構わないことになっていますがしかし飲食物取締令では販売に供する飲食物中にサッカリンを使用する禁止しています。砂糖業の保護という意味がありますがサッカリンを使用した飲食物は一般にとにかく腐りやすいといった点がなどからこれを有害な物としているわけですから、甘さといった点ではサッカリンは砂糖の約300倍も甘い物ですから砂糖の約300分の1の使用量ですみますので結構間に合います。
 サッカリンを多量に使用した飲食物の味はいやに甘ったるくしかも苦味が出てきて砂糖の甘さと比較にならないほどの不味い物です。
 しかも砂糖は糖分を始めとして栄養があるのですからサッカリンは栄養価がゼロですから体に入ったサッカリンは殆ど体を素通りして排泄されます。更に砂糖は一種の防腐作用があり長持ちしますが甘さの点だけで砂糖の代用となります。その他の点では砂糖の代用品とはなりません。
 警視庁衛生検査所 xx技師談
昭和11年12月23日朝日新聞によると警視庁衛生検査所は総勢22名である。
回答の間違え
『サッカリンを使用した飲食物は一般にとにかく腐りやすい』というのは間違いで、サッカリンを使用した飲食物はとにかく安い(=悪い)材料を使用しているので腐りやすい。別の記事でサッカリンは防腐効果ありと出ている。平成の今ではサッカリンの保存料としての意味はない。砂糖を使用していないので漬物において発酵しにくく腐りにくいだけである。
コメント
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