年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

サッカリン 昭和16年 沢庵漬に使用許可

2006年10月27日 | タクワン
昭和16年7月9日朝日新聞
沢庵に甘味の“解禁”
サッカリンは腎臓病やその他の医療用とは別として販売する飲食物への使用は「人工甘味質取締規則」によって固く禁止されていたが、厚生省衛生局では8月から同規則の一部を改正し、特に「沢庵漬」に限り一定量のサッカリン使用を許すこととなった。
 沢庵漬は都市の好みで段々と甘くなる傾向にあり業者がまた砂糖を使ったのでは発酵腐敗するので従来密かにサッカリンを混入しているのが実情だが沢庵に必要な甘味量4000分の1程度のサッカリン使用なら衛生上害がないので今度は許すとしたもの。

なぜ沢庵漬だけがサッカリン使用の解禁となったかはまだ不明。しかし、このことが戦後の添加物問題が生じると漬物が指摘される原因であったかもしれない。想像だが戦地に送る沢庵漬は故郷を偲ぶ軍需物資として重要視されていてサッカリンを加えた甘味が必要だった。なお、砂糖では暖かい地方では腐敗するので塩分が強くなりすぎる沢庵漬となる。
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