なら漬の漬け方
根岸 鎮衛(ねぎし しずもり、やすもり)の耳袋より
漬物にいささか漬け方があること。
なら漬を漬けるに、瓜を二つに割り、種を抜き、塩を詰めた上、酒粕を暑く塗り詰めて、粕を下に置き、その上に瓜をうつむけに伏せ、また酒粕を詰めて順々に詰めることである。心得ぬ人はその酒粕・塩を詰め、瓜を仰向けに漬けているのを見て、字上手な人はこれを見て笑った。その訳を尋ねたら『酒粕の気は上へ上へと抜けるものゆえ、うつむきに漬けるものである。味噌漬はこれに反する事である』と人に語った。
江戸時代中期には奈良漬という名称が一般的になっている例である。
根岸 鎮衛(ねぎし しずもり、やすもり)の耳袋より
漬物にいささか漬け方があること。
なら漬を漬けるに、瓜を二つに割り、種を抜き、塩を詰めた上、酒粕を暑く塗り詰めて、粕を下に置き、その上に瓜をうつむけに伏せ、また酒粕を詰めて順々に詰めることである。心得ぬ人はその酒粕・塩を詰め、瓜を仰向けに漬けているのを見て、字上手な人はこれを見て笑った。その訳を尋ねたら『酒粕の気は上へ上へと抜けるものゆえ、うつむきに漬けるものである。味噌漬はこれに反する事である』と人に語った。
江戸時代中期には奈良漬という名称が一般的になっている例である。