下記の本を読んでいたところ、べったら焼きなる文章が出てきた。べったら漬のことは知っていたがどのような料理か気になって調べる。
お好み焼きの物語 -執念の調査が解き明かす新戦前史-
近代食文化研究会著 |
どうやら地方の方言のような食べ物で、地域と時代によって呼び方が変わっている。定義もなく何となく言われている。その調査をした本だった。
文字焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き等の明治期に発生した子供の食べ物の様だ。
漬物のべったら漬は江戸時代には浅漬と言われ、明治に入ってベッタリとか言われ、関西の朝日新聞が東京に進出したころからべったら漬となったようだ。江戸っ子の夏目漱石が浅漬と言っていて、べったら漬という言葉を嫌っていた。
食は時間が経つと料理が変化し中身も変わる。特に子供相手だと記録が少なく、大人になって思い出し記録するので正確性に欠ける。
静岡の介護施設のhpで回想法という方法で昔の記憶を取り戻した話の中でべったら焼きの話があって、レシピを記憶をたどって再現したところがあった。
回想法とは認知症の治療法の一種で認知症の人が自分の過去や昔のことを話す療法である。個人のプライバシ―の問題もあり、ネットには出にくい。食の思い出だから出たのだろう。
今は文化人の記録で時代考証をしているが、そのうち大正期の記憶が高齢者施設から発信されるかもしれない。特に戦前から戦中にかけて、人は生きるために働いていて、日記などのようなものにも記述が少ないと思われる。