年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

ふえせかい  二宮尊徳

2022年11月04日 | 宅老のグチ
数日前に目黒区の目黒不動尊境内で、目黒不動尊子供会(不動尊ラブキッズ 合言葉)の掲示板があった。ひらがなで書いてあったので内容はすぐ理解し、二宮尊徳の考えも理解できる。この言葉を理解したら、少子の時代でクラス変えもないのでいじめの問題解決には登校拒否しかない。この詩でいじめ問題がすこし減るかもしれないと思った。しかし最後の(ふえせかい)というのが理解できないままだった。写真に撮っていてデ―タを抹消する前に調べる。
どんなものにも よさがある
どんなひとにも よさがある
良さが それぞれ みなちがう
良さが いっぱい かくれている
どこか とりえが あるものだ
ものの とりえを ひきだだそう
ひとの とりえを そだてよう
じぶんの とりえを ささげよう
とりえと とりえが むすばれて
このよは たのしい ふえせかい

二宮尊徳の「万象具徳」という言葉から来ている文章。 尊徳は、物や人が持っている良さや持ち味、取り柄を「徳」と表現して、「万象具徳 あるゆ るものには、徳がある」と考えていました。 この「万象具徳」の考え方をわかりやすく書いている詩です。 
(※)ふせせかい…増え世界。 解釈は複数あるようです。「限りあるものから、限りあるものが生み出されること」や「さまざまな価値が生まれ増えて、世界が広がること」など。
 例えば田畑という限られたところから毎年米を収穫することなど解釈する人もあるようです。
 都立中央図書館3階に二宮尊徳の報徳思想のコ-ナ-があります。先の戦争で昭和の515事件の記録から農本主義を調べていたら報徳思想が気になりました。そこで戦後に報徳の会がGHQの指導を気にしていた文章があって、どこに戦争につながったか理解できませんでした。
 大日本報徳会の初期の金銭的支援者に鈴木藤三郎という人がおります。彼は日本の製糖業で成功し、さらに醤油醸造業、製塩業の近代化に向かいますが、サッカリンで失敗となります。今ではそれぞれの業界史に少し出るだけで忘れ去られ、静岡県の森町で顕彰されているだけとなっています。福神漬の調べ事から史料がなく少しずつ明治期の理解が進んでいますがやはり福沢諭吉・中村正直の立身出世と二宮尊徳の考えを融合しないと、日本の近代化が他のアジアの国と違ったことが理解できないと思うようになりました。二宮の報徳思想は解釈の仕方では危険思想です。結局鈴木藤三郎は拝金主義者に騙され、古来の商慣習を破壊したため、妨害行為され、破綻しました。
コメント
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