透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

繰り返しの美学なディスプレイ

2009-08-01 | B 繰り返しの美学



 こぶりの南部鉄瓶が等間隔に、そして向きを揃えて並べられている。その数5ケ。このようにきちんと並べられていると、美しい。繰り返しの美学*なディスプレイ。

オブジェとしてのセッティングかなと思ったが、訊けばこの鉄瓶で紅茶をサービスするのだそうだ。

今日の昼、この
カフェ
(←過去ログ)にお邪魔した。入り口で靴を脱いで入る。デザインの異なる椅子とテーブルが設えてある。6人掛けのテーブルでカレーを食す。美味。そこでこの鉄瓶に気がついた。「あ、繰り返しの美学!」

オーナーにお願いして写真を撮らせてもらった。

食後、コーヒーを飲みながら福岡伸一さんの『世界は分けてもわからない』講談社現代新書を少し読む。

居心地のいい空間、またお邪魔しよう・・・。



このカフェで本を読むなら小川洋子がいい。江國香織もいい。でも川上弘美のこんなエッセイが一番いい。




蔵は続くよ いつまでも 追記

2009-08-01 | A あれこれ



 松本 中町の蔵

蔵の壁面に開口部を設けて、そこに扉を付けるとなると結構費用がかかるだろう。**現在では一枚の扉に二千万円かかるという人もある。**と『民家のデザイン』川島宙次/相模書房にある。まさか、まさか。でも一体どの位かかるものか見当もつかない。百万? 二百万? 今度調べてみよう。

土蔵に限らないが壁という単一のシステムでつくるならば、施工はしやすい。が、そこに窓をつくるとなると、途端に難しくなる。更にそこに扉をつけるとなると施工の難易度は増す。

扉につけられた「ぎざぎざ」と枠につけられた「ぎざぎざ」(名称が分からない)がピッタリ合うように精度よくつくらなくてはならない。左官屋さんの腕の見せ所だ。下地を作る大工さんにも高い技術が求められる。

この蔵のまぐさには何も装飾が施されていない。裏日本の蔵はここに装飾が施されている例が多いと先の本には出ている。

開口部廻りはこの位のデザイン的な処理が好みだ。

 追記

「ぎざぎざ」と重ね合わせるシステムを「掛子」という、と教えてもらった。観音扉の召し合わせ部をぎざぎざにしっくいなどで塗ることを「掛子塗り」ということ、さらにこの写真のような扉を「掛子塗り戸」ということを事典を引いて知った。Y君に感謝。