透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

一期一会

2012-05-28 | A あれこれ

 今月21日の朝、全国で一体どのくらいの人たちが日食を観たのだろう・・・。

ほぼ金環状になった太陽を観ながら、こんな機会は一生に一度しか無いんだなぁ、そうか一期一会なんだ、とボクは思っていた。

一期一会というのは茶席の主人と客人に対して、これからも何度も会う機会はあるだろうけれど、一生に一度限りのことと心得て接するように求めたものだという。

金環日食のような出来事だと一期一会ということが分かりやすいが、日常的に繰り返される、例えば家族との食事や時々機会がある友人との酒席などについては、それらが一期一会だということはあまり意識にはのぼらない。

でも、「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ」 空海の作だとする説もあるこの「いろは歌」にも詠われているように、あるいは鴨長明が方丈記の冒頭に**ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。世中(よのなか)にある人と栖と、又かくのごとし。**と綴ったように今日という日は二度と来ないし、人も日々変わっていく・・・。

だから「一期一会」ということを意識して日々の営みを大切にするように心がけることが必要なのかもしれない。

ああ、こんなことを考えるなんて、歳を取ったせいかなぁ・・・。