透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 塩尻市洗馬の火の見櫓

2014-10-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)塩尻市洗馬太田

 この火の見櫓を取り上げるのは2回目。火の見櫓巡りを始めてまもなくして載せたが、その時は遠景写真だけだった。

3角櫓に6角屋根、円形見張り台とオーソドックスな組合せの火の見櫓。



屋根下に半鐘は既になく、替わりにモーターサイレンが設置されている。これはよくあるケース。屋根に蕨手が辛うじてひとつ残っている。梯子が見張り台の床面で終わっているから昇降に苦労すると思う。なぜ踊り場のように床上まで伸ばさなかったのだろう。見張り台の下がすっきりしているが、ブレースが入っていない。



櫓上部のブレースに平鋼(フラットバー)を使っている。東信方面でよくあるタイプ。運搬・建て方時に修正を要するほど歪まない、という判断からか。円形の踊り場、横架材(水平材)に半鐘が吊り下げてある。以前は見張り台に吊り下げてあったのかもしれない。



下方のブレースには丸鋼を使っている。リング式ターンバックルは本来の使い方をしているかどうか、観察してこなかった・・・。梯子に雑草が伸びているのは昇り降りしていない証拠。この火の見櫓も撤去されてしまうのだろうか・・・。


 


― 火の見櫓って美しい

2014-10-13 | A 火の見櫓っておもしろい



 前々稿で塩尻市宗賀の火の見櫓を取り上げました。消防詰所とともに最近撤去されてしまった火の見櫓です。すぐ近くに見張り台から上の部分を移設・保存することになっているようで、コンクリート基礎をつくるところでした。屋根を地上レベルで観察できるようになりました。

この屋根各部のバランスの良さ、プロポーションの美しさ、これはもう芸術です。方形屋根の下り棟(稜線)のカーブの美しいこと。職人の優れた美的センスに脱帽です。

 

この蕨手を見ていて対数螺旋ではないか、と思いました。 

既に何回も書きました。火の見櫓のある美しい風景を見るのもいいですが、各部のディテールを観察するのも楽しいです。

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火の見櫓観察のポイント(改訂141013)を載せておきます。

1 火の見櫓の立地、環境

10 周辺の環境、地形
11 立地(例:公民館の敷地、神社の境内、道路の辻、道路またぎのものもある)
12 観察時の季節や天候、時間帯(例:桜の開花時期、紅葉の季節、降雪時、降雨時など、
   朝焼け時、夕焼け時など)
13 消防詰所(屯所)や消防倉庫の有無、火の見櫓との位置関係やデザイン
14 その他

2 火の見櫓の全体の様子 

20 形式:柱型(1本柱)、梯子型(2本柱)、控え柱の有無、
       櫓型(3本柱、4本柱 その他の型)
21 櫓の高さ、脚の長さ、脚間長さ
22 プロポーション:上方への絞り方(櫓が描く曲線の様子) 総高/脚間長さ、逓減率
23 屋根と見張り台の形、大きさ及びバランス
24 色 (防錆塗装のシルバー、赤や青、緑、その他の色)
25 損傷の有無 発錆状況など
26 その他

3 火の見櫓を構成する各部の様子

300 屋根の有無 屋根の形(平面形と立体形)
301 屋根の飾り(避雷針と飾り、蕨手、その他)
302 半鐘の有無 半鐘の設置位置、形(梵鐘形(表面の様子)、双盤・ドラ形、板木) 
303 半鐘用の小屋根の有無 形
304 見張り台の有無 見張り台の形、床の構成、手すりのデザイン
305 踊り場の有無 踊り場の形、床の構成、手すりのデザイン
306 櫓の平面形(3角形、4角形、その他)と立体形
307 櫓の構成部材(鋼材:等辺山形鋼、鋼管、平鋼、丸鋼、その他 木材、石、コンクリート、
    その他 他用途のものの転用)、
308 櫓の構成部材の寸法、接合方法(鋼材:ボルト、リベット、溶接)、
    ブレース(筋かい)の材料(丸鋼、山形鋼、平鋼、その他)と構成  
309 梯子の設置の仕方(櫓の内部、外部、櫓の横架材利用)
310 梯子の構成部材 手すりの有無など
311 脚部のデザイン 単脚、複合脚(トラスの組み方やアーチの有無 カーブの様子)
312 基礎:独立基礎、一体型(塊状)基礎、その他
313 消防信号表示板の有無、材質(鋼板、木板、デザイン 
314 銘版の有無と記載内容(製造所名、製造年、寄贈者名など)
315 付加されているもの(スピーカー、モーターサイレン、アンテナ、照明、赤色灯、ウインチ、
    ソーラーパネル、ホース掛けなど)の有無 
316 その他

4 その他 

41 観察者の主観的な印象、観察者個人の関心について
42 地元住民の関わり方
43 その他