■ 9月の読了本4冊。
『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』増田寛也/中公新書
著者の増田氏は2011年より日本創成会議の座長を務めている。このままでは896の自治体が消えるというショッキングな指摘、それを回避する有効な手立ては本当にあるのか・・・。
『からだのままに』南木佳士/文春文庫
**こころのままに、ではなく、からだのままに、なんですね。** タイトルの「からだのままに」はNHK BSの週刊ブックレビューの収録で著者にインタビューした児玉清さんのコメントから来ている。
『嘘と絶望の生命科学』榎木英介/文春新書
日々ピペットを握る大学院生や若手研究者を「ピペド」と呼ぶことがあるそうだ。ピペット奴隷の略称だという。予算獲得競争の激化、研究不正の続発。信じ難い生命科学研究界の実態・・・。
『つぎはぎプラネット』星新一/新潮文庫
久しぶりのショートショート。**科学が進むにつれ、人びとの仕事は分業化してきた。専門外の知識は一切不要である。私の研究所ではそれをひきうけているのである。つまり、このように各方面でおこる科学上の難問題をひきうけ、総合的に検討し、それを解決して報酬をもらうのが仕事なのだ。**(114頁) 専門分化してしまうことの弊害、それらを統合することの必要性を1960年に指摘している。やはり星新一はすごい、するどい。
10月、読書の秋。『日本アパッチ族』小松左京/角川文庫(昭和46年発行)に集中、集中。