511 火の見櫓のある風景 塩尻市片丘で見かけた簡素な造りの火の見櫓 撮影日141019
510 秋のフォトアルバム 火の見櫓のある風景 塩尻市塩尻町にて 撮影日141019
■ 遠景に2層の山の連なり、やや紫を帯びた色。中景には樹の帯を背景に瓦葺き屋根の民家が並び、その中に火の見櫓がすくっと立っている。そして黄色く色付く稲刈りのまだ済まない圃場。近景は稲刈りが終わった圃場と緑の畦道。
いままで描いたことがない構図。だから描いてみようと考えるか、だから描くのをやめようと考えるか、この違いは大きい。ここでは前者を採って描いた。このような構図は着色次第だと気がついた・・・。
■ 先日、所用があって上京した折りにチューリッヒ美術館展を観たことは既に書いた。会場にはホドラーの絵も数点展示されていた。水彩画のような描法の風景画を観て、スイスの清澄、静謐な自然を大胆なタッチの油彩では描くことができないのかもしれないな、と思った。
フェルディナント・ホドラー「日没のマッシア川とモンテ・ヴェリタ」
国立新美術館のミュージアム・ショップで買い求めたポストカード
ホドラーの人物画からは明るい表情を感じることはなかった。画家の不幸な人生が投影されているのかもしれない。あるいは僕が無意識のうちにそのような先入観を持って観たのかもしれない。
「フェルディナント・ホドラー展」が上野の国立西洋美術館で来年(2015年)の1月12日までの会期で始まった。展覧会のウェブサイトに次のような解説文があった。
**自然の世界にはさまざまな秩序が隠されており、類似する形態の反復やシンメトリーをなす構造がいたるところに存在すると考えていました。彼はそれを「パラリズム」(平行主義)と呼び、絵画のシステムとして応用していったのです。**
類似する形態の反復に美を見い出す・・・。これは「繰り返しの美学」そのもの。
1853年生まれのスイスの画家が自然に反復すなわち繰り返しの美を感じとっていたことを知り、うれしくなった・・・。
会期中に上京の機会があれば観に行きたい。