透明タペストリー

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「空海に学ぶ仏教入門」

2018-02-21 | A 読書日記

■ 空海が唐から帰国後に著した「十住心論」を通じて、伝統仏教の概要を解説した『空海に学ぶ仏教入門』吉村 均/ちくま新書を読み終えた、いや、字面を追い終えた。

十住心というのは、**インドや中国からの様々な仏教の教えを、十の心のあり方に体系化した**(039頁)ものだという。心のあり方が十もの段階に分けることができるとのことだが、自分の内面、心を見つめることなどしていないので、この本の説明文を読んでも理解することができなかった(わざわざ書くまでもないが、この責はもちろん私にある)。

第一段階は「異生羝羊心」というとのことで、次のように説明されている。**欲望のままにふるまい悪をなす心です。しかしそうやって得られるのは、苦しみでしかありません。本人はそのことに気づいていないのです。**(041頁)

次、第二段階の「愚童持斎心」は第一段階を受けて次のように説明されている。**しかし、そのような人も、何かのきっかけで、よいことをなすことがあります。それに慣れてくると、次第に心は変わり、以前とは違って、悪いことを見ると、嫌だ、という気持ちがおきるようになってきます。**(041頁)

まあ、私の心もこの段階くらいにはあるのかもしれない・・・。

この本は第1章から第6章から成り、第3章から第6章にわたり、十住心について詳しく解説している。が、既に書いたように理解が及ばなかった。

**本書が、仏教や弘法大師の教えへの関心のきっかけとなりましたら、それにまさる喜びはありません。**(237頁) このように著者の吉村氏はあとがきに書いている。

もともと仏教にはあまり関心がないが、空海(弘法大師)には関心があり、これからも「空海本」は読んでみようと思う。以上!