■ 『「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本』苅部 直/新潮選書を読み始める。
この本のことは毎日新聞(2017年6月25日付)の読書欄「今週の本棚」で知った。三浦雅士さんがこの本を**近代西洋思想に共感できる下地があった**というタイトルで紹介していて、**西洋との出会いがなければ、日本列島住民は自ら西洋を作ったに違いないと思わせるからだ。**と結んでいる。
この書評を読んで夏目漱石の『私の個人主義』に収録されている「現代日本の開化」という講演録のことが浮かんだ。記憶が定かではないが、高校の国語の教科書にも載っていたような気がする。漱石は講演の中で、日本の文明開化を外発的と評していたように記憶している。自然に開く花のようにではなく、外からの力によって無理やり開かされたのが日本の文明開化だ、といった内容だったように思う(違っているかな)。この本は手元にあるから、読み直してみればはっきりするが・・・。私も同様の認識だ。
これから読む『「維新革命」への道』は漱石の批評とは逆の「内発的」だったというような内容ではないのかな。
早いものでもう師走。年越し本はどんな本になるだろう・・・。