透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「フォッサマグナ」を読んだ

2018-12-16 | A 読書日記



■ 書店で本が私に声をかけている、本自ら「読んで」とアピールしていると感じることが時々ある。この本『フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』藤岡換太郎/講談社ブルーバックスがそうだった。書棚からこの本を取り出し中身を確認することもなく、レジカウンターへ。

昨日(15日)読み始めた。かなり時間を割いて今日読み終えた。「知らなかったなぁ」の連続で、なかなか面白く、興味深い内容だった。

フォッサマグナと糸魚川-静岡構造線とは同じ、と思っている人が少なからずいるのではないだろうか。実は私もそうだった(と正直に書く)。この本を読んで、フォッサマグナはかなり幅のある帯であり、その西側の境界線が糸魚川-静岡構造線だという基本的なことを知った。東側の境界線として柏崎-千葉構造線などの候補が挙がっているが、西側ほどはっきりしていないそうだ。著者はこの理由についても触れているが、ここでは省略する。



フォッサマグナは南部(韮崎から南側の範囲)と北部(諏訪湖から北側の範囲)とでは形成過程が全く違うということが示され、それぞれどのように形成されたのかということについての著者の試論が説明図を載せるなどして分かりやすく説明されている。

**3本のリフトのうち、2本が日本海の拡大に寄与し、もう1本が北部フォッサマグナをつくった。**(182頁の図の説明)
**北部フォッサマグナの形成とほぼ同時期に、伊豆・小笠原原孤が衝突して南部フォッサマグナが形成された。**(186頁の図の説明)
**北にはプレートを産生するオラーコジンが、南にはプレートを引きずりこむ房総沖海溝三重点があったことで、フォッサマグナはその形を保つことができたのではないか**(194頁の図の説明)

最も簡潔にフォッサマグナの形成について説明している箇所を挙げておく。


フォッサ(Fossa): 地溝
マグナ(Magna) : 大きな

リフト:大地の裂け目
オラーコジン:大規模な溝状の断裂

来春、糸魚川フォッサマグナ ミュージアムに行こう!