■ 世の中に存在するもの、それが自然のものであれ人工のものであれ、趣味の対象になっていないものはない。雲好き、国道好き、灯台好き、城好き・・・。「火の見櫓っておもしろい」の出版を考えるようになって、マニアな人が書いた本が気になりはじめ、何冊か読んだ。
今日(23日)書店で『ふしぎな県境』西村まさゆき/中公新書を買い求め、早速読み始めた。
群馬、埼玉、栃木の三県境があり、そこが県境マニアの聖地になっているということを何かで読んだことがあるし、その場所の写真を見たこともある。また、長野県飯田市と静岡県浜松市の境、兵越峠で毎年秋に行われている「峠の国盗り綱引き合戦」のことも新聞記事で知っているし、和歌山県には三重県と奈良県に挟まれた飛地があることもやはり何かで読んだ。
この本は今日明日で読み終えてしまうと思う。だから、年越し本にはならないだろう。ならば年越し本は? まだ分からない・・・。
181222付日本経済新聞より
■ 『コンビニ外国人』芹澤健介/新潮新書を読み終えた。
本書でも紹介されている毛受敏浩氏(日本国際交流センター執行理事)が先日NHKのラジオ深夜便の明日への言葉というコーナーで「今、移民を考える」と題して話をされていた。
メモした話の内容
日本の人口は減少の一途で22世紀になると半減する。
日本は外国人がいないとまわらない社会になっている。
移民という言葉に反発が強く、定住外国人という表現をしている。
新宿区では12パーセント(約42,000人)が外国人、今年の成人式では45パーセントが外国人だった。
ドイツでは600時間のドイツ語講習の受講を義務付けていている。韓国でも同様のことを義務付けている(確か415時間だった)。
介護問題など、日本に時間的な余裕はない。
持続的な国にするために優秀な外国人に来てもらうようにする必要がある。
知らない外国人を遠ざけないこと、日々の暮らしから一歩踏み出すこと。
*****
本書ではコンビニで働く留学生にインタビューしたり、技能実習生や地方の自治体を取材したりして得た日本の産業の労働実態を報告し、課題についても論じている。
**「若い人は出ていくばかりで、地元に残っとるのは私のような年寄りばかりでしょう。「正直、これからどうすればいいんじゃろ」と頭を抱えておりました」**(206頁 広島県安芸高田市の市長のことば)
安芸高田市では多文化共生推進室を設置して、外国人の定住支援に向けて、英語、中国語、ポルトガル語の通訳を配置したという。
**「どこの自治体も人ごとじゃないんですよ。人口減や老々介護は全国共通の問題です。いまどき『ワシは外国人は苦手なんじゃ』とか言っている場合ではないんです。『多文化共生』は私たちの必須科目なんです。(後略)**(208頁)
日本で暮らす外国人の数は約270万人で京都府の人口(全国13位)とほぼ等しいという。この現実を踏まえ、「多文化共生」を受け入れないとこの国はいずれ消滅するという厳しい状況を認めなければならないということか・・・。
「火の見櫓っておもしろい」書籍化プロジェクト進行中!
■ 火の見櫓巡りが趣味の私。新聞記者(タウン情報(現在のメディアガーデンプレス))、信濃毎日新聞)の取材にその魅力を語り、ラジオ番組(FMまつもと「夕暮れ城下町」、FM長野「ラジモ!」)やテレビ番組(長野朝日放送「abnステーション」)に出演する機会も得た。後は本を出すだけ、と冗談で友だちに話していたが、それが実現に向けて動き出している。本好きの私としてはとてもうれしい。
先日、出版に向けてお世話になっているK君から本文や写真のレイアウト、文字のサイズ、フォントなどについて数パターン示された。
私の希望を伝え、とりあえず全章についてたたき台のゲラ(編集のことをよく知らないが、「ゲラ」で良いのだろうか・・・)をつくってもらうことにした。
表紙をどうするか、K君にスケッチにしたらどうかとアドバイスされた。どのような視点から火の見櫓を観察しているのか、分かるようにすべきだと。社会学的なアプローチもあるし、建築工学的なアプローチもある。他にもいろんなアプローチがあるでしょうと。載せる写真のデータをきっちり揃えること、各章のとびらの扱い・・・。まだまだやることがたくさんある。
ブックデザインはおもしろい。