透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 2022.02

2022-02-26 | A ブックレビュー

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 1995年、阪神・淡路大震災の惨状に、こんなことは生きている間に二度と起きないだろうと思った。ところが2011年、今度は東日本大震災、福島第一原発の大事故でまたもや大惨事に。その後も豪雨が毎年のようにこの国を襲い甚大な被害が発生している。そしてコロナ禍。2年以上もマスク生活を強いられるなどということを誰が予想できただろう・・・。そして今後はロシアのウクライナ侵攻。将来歴史の教科書に太文字で表記されるであろう出来事がいくつも続く。大変な時代を生きているのだ。ところでウクライナといえば、名作「ひまわり」の印象的なシーン、あの広大なひまわり畑シーンの撮影地なんだとか。

こんな前置きをしてから書きにくいが、月末だからブックレビュー。2月の読了本は6冊。このところ新書を読むことが多い。

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』今村翔吾(祥伝社文庫2021年20刷)
江戸の火消たちが活躍する時代小説、となれば読まないわけにはいかない。江戸の消火事情が分か。。

『いま、幸せかい? 「寅さん」からの言葉』滝口悠生(文春新書2019年)
「伯父さん」
「何だ?」
「人間てさ」
「人間?人間どうした?」
「人間は何のために生きてんのかな?」
「何だお前、難しいこと聞くなあ、ええ?」
「うーん、何て言うかな。ほら、ああ、生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間生きてんじゃねえのか」

『毛 生命と進化の立役者』稲葉一男(光文社新書2021年)
驚異のミクロの世界。神さま(造物主)は決して手を抜かず、微細な部分もきっちりデザインしている!

『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』伊藤公一朗(光文社新書2018年10刷)
データ分析の基本のき、因果関係分析入門。

『日本美術の核心 周辺文化が生んだオリジナリティ』矢島 新(ちくま新書2022年
日本美術に関するなるほど!な解説。キーワードは庶民性と素朴な造形。

『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』岡嶋裕史(光文社新書2022年)
**リアルでは男性の人が、メタバースでは女性のアバターを使い、婚姻することは可能か。それを女性と信じて婚姻した配偶者が、実は相手がリアルでは男性だったと知ったときに、詐欺罪は成立するのか。人間が操るアバターだと信じて疑わなかった相手と結婚したら、その背後にいたのがAIだったときどうするのか。**(244頁) ??? こんな状況を想定することが必要になるんだろうか、混乱してくる・・・。