『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

史上初・・・

2009年03月03日 | Weblog
と言ってもたいした事じゃありません。
会社の仕事での話。

今、本社で超高圧電子顕微鏡を製造中です。
僕が面倒を見るはずだった装置だけど、後輩が一人で頑張っている。
たまに様子を見に行ってはいるけれど、所詮は過去の人。

4年に一度しか机ない装置。
世界一の性能と大きさを誇る、我社の広告塔的な装置なのに
社内の公開もしないで出荷される事が殆ど。

僕が異動した部署で、高電圧専門チームを立ち上げた。
高電圧技術は経験が7割と、日記でも何度か書いたことが有るが
この超高圧電源こそ、回路図がそのまま形になったようなもので
高電圧回路技術を学ぶ人には、一回は見てもらいたかった。

それで、旧知の仲間に無理を言って電源を組み立てている最中の
電源回路が収まっている高圧タンクの中を見せてもらえるように
ずっと前から頼んであった。
絶縁のために、高い圧力の絶縁ガス(SF6という温暖化ガス)を
使う大きな圧力容器のタンクです。

その蓋が開いている状態で、上から覗くなんて事は本社の
設計部署に居る人間でも、経験できないこと。
それを「見学」のために、1時間ほど時間を割いてくれた。
僕の過去の実績を理解してくれている仲間が居て、初めて実現するイベント。

最初は、チームのメンバーだけに見せる予定だった。
ところがそのことを今の会社の専務に話をしたら、
出来ればみんなに見せてやりたい・・・と言われて急遽、人数を増やした。
最終的に電気設計部署の全員と、機械系設計者が5人。
それにいつも事務作業で頑張ってくれている事務方の3人を加えて
総勢22人、うち女性3人の「見学会」に様変わりしてしまった。

装置の中の説明は、僕が全部やって今の仕事との共通点や
見学した装置の難易度なども全部自分で解説した。
最後に僕を育ててくれた大先輩や、元弟子の現担当者をみんなに紹介。
大きな装置の上に上って中を見せてもらえて、みんな嬉しそうだった。

会社の歴史の中で、タンクの蓋が開いた状態で
一般の人に見せたのは初めてのこと。
埃が入ったり、ちょっとしたトラブルが工期を大きく左右するだけに
出来上がった装置の見学会もしないで出荷してしまうのが普通。

それなのに、「女人禁制」みたいな男の現場に、見学ツアーの乗りの
他部署の女性が装置のデッキに立つのも初めてのこと。
そんな迷惑なお客さんを快く受け入れてくれた現場スタッフに感謝。
それでも、ピカピカに光り輝く部品で作り上げられた装置の
心臓部を見ることが出来て、皆が感激していた様子を見て
彼らも、何処か誇らしく思えたのじゃないだろうか?。

いつも僕は、
「自分の描いた図面で、出来上がった立体的なイメージが浮かぶか?」
と、設計する時に自分の考えを具体的にイメージする事をしてきた。
そして、今の部署の若手にも同じ事を言って色々やらせている。
何か、考えが纏まらずに僕に質問してきた時には必ず、
「お前はどう作りたいのだ?」
「お前はどう考えていたんだ?」
という質問をする事で、そういうイメージを描いていたかどうかを試している。
それは今日、時間を作ってくれた元弟子に対しても同じようにやってきた。

そういう意味で今日は逆に、現物を見て、回路図をイメージしてくれたら・・・
と、期待を込めて開いた見学会。
その主旨も、元弟子は理解してくれていたんだと思う。

長い付き合いの仲間と元弟子に助けられて、有意義な時間を過ごせた。
感謝!
コメント
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