毎週、日曜日の読売新聞の書評欄は必ず見るようにしています。
書評を書いている人が学者の場合は自分の博識ぶりを自慢するような書評が多く、本そのものの内容や批評が書いていない傾向があります。それに反して作家やタレントの書いた書評は判り易く、本の内容を適切に紹介し、その上自分の感想も簡潔に書いてあります。
今日は作家で、写真家でもある星野博美さんの「舟越保武全随筆集 巨岩と花びら ほか」の書評が明快で良かったです。この本は求龍堂が出版し、2600円で販売されています。
舟越氏は1912年に生まれ2002年に亡くなった有名な彫刻家です。石に直接彫り込むという手法で、数多くの重厚な藝術作品を残しました。
この随筆集のメイン・テーマが石に形を彫り込む職人の強靭な精神の重要性であります。
そして、その精神は日本の墓石を彫る石工(いしく)達と共通の職人魂が基盤になっているのです。石の彫刻家としての精神を描いた部分が重要な部分です。
しかし、随筆集ですから父との確執や薄幸だった継母への思いや家族との関係も書いてあります。気楽に読める随筆も沢山混じっている様子です。
是非、買って読みたくなるような本です。
今日の星野博美さんの「舟越保武全随筆集」の書評の紹介はここで終りとし、以下に舟越氏の作品を2つご紹介致します。
=======舟越氏の作品を2つ===============
ところで舟越保武はキリスト教関係の彫刻も沢山制作しました。有名なものは長崎の公園にある「26聖人像」です。
下にその関連の写真や資料をご紹介いたします。
その前に東京の郊外にあるイエズス会修道院の聖堂の入り口に立っている和服姿のマリア像をご紹介いたします。手に抱いているのが幼い頃のイエス様です。舟越氏の作品の一つです。2010年に小生が撮影した写真です。
この写真については、「イエズス会石神井修道院の写真だけを、とりあえずお送りいたします」をクリックすると説明があります。
さて長崎の観光名所の一つに日本26聖人像の写真と素晴らしい文章のついたブログをご紹介いたします。江島達也さんのブログ: http://hayabusa-3.dreamlog.jp/ です。
このブログの中から観光名所になっている、26聖人像の写真をお借りして以下に示します。(出典」は、http://hayabusa-3.dreamlog.jp/archives/51207384.html です)。
有名な彫刻家の船越保武氏が4年余の歳月をかけて昭和37年に完成した芸術作品です。余談ながら私はカトリックなのでこの像の前に立ったり、写真をみるのが好きです。祈っているのです。
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この26人は1597年2月5日、長崎の西坂で十字架にはりつけにされて殉教しました。
ローマ教皇ウルバノ八世は、1627年9月14日に、フランシスコ会関係殉教者23の列福を認めたのです。続いて同じ年の9月15日にイエズス会殉教者3名の列福も認めました。
それから235年後の1862年6月8日にローマ教皇ピオ九世により聖人と認められたのです。1862年といえばまだ江戸時代です。日米、日露なとの修好条約が出来、領事館が出来たころです。
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