後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「国際キリスト教大学の桜の写真をお楽しみ下さい」

2016年03月31日 | 写真
今日は晴天ですが明日から天気が悪くなるという予報です。
三鷹市にある国際キリスト教大学の桜の写真を撮って来ました。毎年行く場所です。桜が咲いている間だけ自由に入れます。正門から真っ直ぐの大通りの左右に桜の大木が並んでいます。
写真をお楽しみ頂けたら嬉しく思います。









日本社会の格差が年々増加している

2016年03月31日 | 日記・エッセイ・コラム
生活に充分な厚生年金を貰っている高齢者と毎月5万円の国民年金だけを貰っている人の間の格差、正規社員と非正規社員の間の格差、能力主義による正規社員の間の年収の格差、農業従事者や漁業従事者の中の経済格差などなど日本には大きな格差が増大しつつあります。
日本の社会がアメリカの資本主義にならって日本社会の格差が年々増加しているのです。
そこで今日は日本の格差社会の現状を概観してみようと思います。
(1)日本は世界的にも貧困率が高い先進国
以下は、http://finalrich.com/sos/sos-economy-world-oecd.html から抜粋しました。
高度経済成長期がバブル崩壊によって終焉し、その影響が格差社会を起こしたと言います。
そして1998年以降、日本の格差は紛れも無く拡大しています。
格差にはいろいろあります。年収格差、雇用格差、経済格差、教育格差、地域格差、労働環境の格差、団塊世代の格差、企業と家庭との格差、挙げればキリがありません。これらの中で今日は年収格差だけを考えて行きます。
さて完璧な社会など存在しないように全く格差が存在しない社会もありませんが、いき過ぎた格差拡大は、下積になった人々の不満や怨恨を生み出し、不幸な社会になります。日本はこの「行き過ぎた格差社会」になって行くのでしょうか?
以下では年収からみた日本の貧困率を世界の国々と比較してみます。2005年2月にOECDによって発表された図です。

上の図はOECDが発表した世界の貧困率を表したものです。貧困率の定義は末尾の参考資料で示します。
OECDとはOrganisation for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構)の略で、北米とヨーロッパを中心に、世界的に裕福である経済先進国を中心とした30ヶ国による経済機構です。
貧困率とは簡単に言ってしまえば貧乏人が、社会のどのくらいを占めるかという割合を示したものです。貧困率が大きければ大きいほど貧乏人が多いということです。
このOECDが発表したデータによりますと、日本は世界の先進国のなかでも貧困率No.5にランクインされているのです。つまり世界でワースト5位なのです。日本の貧困率は15.3%にものぼり、24ヵ国の平均である10.4%を大きく上回っています。そしてドイツやフランスなどヨーロッパの国の多くは、軒並み10%以下を示しており、多くの国が日本よりも貧困率が小さい国であることがわかります。
しかも日本より上位の国を見てみると、先進国はアメリカしかいないのです。ということは、日本は世界でもアメリカに次ぐ世界第2位の格差社会の先進国ということがハッキリと示されているのです。
(2)日本は格差の大きい先進国!ジニ係数の各国との比較
続けて世界の格差を示すデータをみていきましょう。2005年2月にOECDによって発表された図です。

上の図はさっきと同じOECDが発表したOECD加盟国の "ジニ係数" を表示したものです。
ジニ係数とは、格差社会をあらわすひとつの目安となっている指数のことで、格差社会のバロメータと言われています。この数値が大きければ大きいほど所得格差が大きい格差社会であり、1.0になると1人がすべての金を独り占めにするという完全不平等社会を示すことになります。そして逆に、ジニ係数が小さければ小さいほど所得格差が小さく、0.0になればすべての人の所得が同じという完全平等社会となります。
尚、このジニ係数の計算方法は末尾の参考資料にあります。
さて、このジニ係数においても日本はOECD参加国の中でも上位にランクインしています。
しかしこの日本がなによりも問題なのは、急速にこのジニ係数の数値が上昇していることなのです。
一昔前まで日本は「一億総中流」とか言われて、貧富の差が一番少ない国であると言われていました。それが、わずか10年程度でここまで格差が拡大してきたのです。この格差拡大は、次のジニ係数の年度別変化を見るとハッキリします。
(3)収入格差を示すジニ係数の増加の様子
下にOECD加盟国のジニ係数がどのように変化したかをしめします。

上の図は、ここ20年間のジニ係数の推移を表した図です。
この日本のところを良く見てください、確かにジニ係数自体は5番目あたりになっていますが、そのジニ係数がこの20年間で急速に上昇しているのです。
逆に日本よりもジニ係数が高い水準にある アメリカ、 イタリア、 イギリス などはジニ係数が1990年代からあまり拡大せず、むしろアメリカなどではジニ係数が抑えられてきているのです。
このことは次のことを意味しているのです。
それは日本の格差拡大は急速に進んでいること、そしてその格差拡大が進んでいるために、アメリカを超える格差社会になる意味しているのです。
さて何故このように格差の大きい社会になってきたか?
その原因は(1)高齢化社会になっている、(2)収入の少ない非正規社員が増加している、(3)正規社員は能力主義で収入格差が増大している、などなどの多くの原因があります。
しかしあまり長くなるので日本が格差社会になって来た原因は続編で議論いたします。
今日の挿絵代わりの写真は昨日、小金井公園で撮って来た花々の写真です。写真は順々にレンギョウ、ショカツサイ、ミツマタ、ユキヤナギ、そしてソメイヨシノです。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)










====参考資料==========
(1)貧困率
 貧困率とは、再配分後所得を家族の人数で調整したうえで、可処分所得の中央値の50%未満の所得しか得ていない人々を「貧困者」として定義し、その「貧困者」が、全体に占める比率のことである。貧困率が高いということは、その国が貧困である、ということではなく、その国内で、上記で定義した「貧困者」が多数いる、ということを示しており、それだけ、貧富の差が大きいということである。
例えば、日本の貧困率が、OECD諸国の中で第5位で、15.3%だということは、かなりショッキングなデータです。1980年台までは、日本は「一億総中流」とか言われて、貧富の差の少ない国であると、思われていたのです。それが、バブルがはじけて10年一寸で、「貧困者」が、15%以上もいる、貧富の差の大きい国になってしまったのです。
(2)ジニ係数
貧富の格差を測る指標に,ジニ係数がある.ジニ係数は、0から1までの値をとり、分布が平等であれば0に近づき、不平等であれば1に近づく係数であり、値の大きさが不平等度を測る指標として用いられている。例えば、5世帯の所得が、少ない順に10万円、20万円、30万円、40万円、100万円の場合のジニ係数をもとめてみよう.

世帯数の累積相対度数を横軸に、所得の累積相対度数を縦軸にとり、原点と各点を結んだ線をローレンツ曲線という。ローレンツ曲線は、所得の分布が平等であれば、原点を通過する45度線に近づき、不平等であれば45度線から右下に離れる傾向がある。

下の図のローレンツ曲線と45度線で囲まれる面積の2倍した値をジニ係数と呼ぶ。この場合,ローレンツ曲線と45度線で囲まれる面積は,0.2であり,ジニ係数は0.4である.

上はローレンツ曲線からジニ係数を求める図面です。

ジニ係数(ジニけいすう、英: Gini coefficient)とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年にイタリアの統計学者、コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。

「満開の桜を見ながらイタリアンのピエトロで食事を楽しむ」

2016年03月29日 | 写真
JR中央線の国立駅から南に真っ直ぐ伸びる一橋大学の大通りの両側に桜が咲きます。南まで矢川駅近くまで来ると今度は東西に延びる桜並木の大通りと直行します。つまり桜の咲く時期には十字形の桜並木が楽しめます。
今日は例年のように、この時期になると家内と一緒に必ず行くイタリアンの店、ピエトロに行きました。
テラス席に座って満開の桜を見ながら昼食を楽しんできました。
はじめの3枚の写真に国立市の歩道橋の上から北の方角を見た一橋大学前の桜並木の写真をお送りします。
4枚目から7枚目は東西に延びる桜並木で撮った写真です。
そして8枚目の写真はイタリアンの店、ピエトロの全景と9番目の写真は桜の見えるテラス席の写真です。
なおこの店のメニューや場所については、http://www.pietro.co.jp/restaurant/tokyo/39.html をご餡下さい。
写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。

















ますます進行する日本の地域格差と農村の荒廃

2016年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム
日本の貧困な地域と豊かな地域の格差が進んでいると言います。
いきなりで恐縮ですが、下の都道府県別の所得を県民数で割った1人当たりの所得をランキング表示した図面をご覧ください。

(出典:http://finalrich.com/sos/sos-economy-local.html )
東京都、愛知県、静岡県、滋賀県、神奈川県など大型の企業が集中している地方が上位を占めていることがハッキリとわかります。一方、沖縄県、高知県、青森県、宮崎県、長崎県などのいわゆる日本の端に当たる県は、かなり所得が低いのです。
このような地域格差が年々ひどくなっていると言います。
今日は私が1975年から山小屋へ通っている山梨県武川村、現在の北杜市武川町の範囲だけで起きた地域格差の様子を具体的にご紹介いたします。
上の図によると2005年の東京都の1人あたりの年間収入は478万でした。それに対して山梨県の1人あたりの収入は273万です。現在、北杜市に行くと物価が安いのが納得できます。
さてこの273万円は山梨県全体の平均です。同じ武川村、現在の北杜市武川町を見ると、その小さな地域にも非常に大きな経済格差が起きているのを実感しています。
次の写真は武川町の写真です。この町は甲斐駒岳の麓の甲州街道(国道20号線)に沿って釜無川の南側に広がっています。

上の写真に国道20号線の橋が中央に写っています。武川町は写真に写っている水田地帯と山側の高冷地の畑作、牧畜地帯に広がっています。
1975年から現在にいたる41年間この地域に通って見たことを簡単に書くと、水田地帯はますます豊かになったが、畑作、牧畜地帯は貧困化が進み廃屋が増えているのです。
同じ北杜市の武川町の中でも地域格差がどんどん進んで行く様子を見ております。
それではその様子を写真で示します。

上の写真は武川町の一番高い場所にある水田の田植え機械の写真です。この場所までは武川米というブランド米がとれるので水田地帯の農家の収入は安定している様子です。

上の写真は水田地帯の少し上にある畑作地帯です。昔、畑だった場所に花を植えて楽しんでいます。花は出荷用の栽培ではありません。収入は少ない筈ですが、以前の貯金でもあるのか家は立派です。悠々と暮らしている様子です。

上の写真はその花畑の一角です。

上の写真は畑作地帯からさらに登った牧畜地だった土地の現在の様子です。牧場主が高齢になったので牧畜を止めて、便利な集落に引っ越してしまったのです。牧草地には雑草が生い茂っています。同じ地域に養鶏業をしていた人も廃業してしまいました。
簡単に結論を書けば武川町の水田地帯はますます豊かになり畑作・牧畜地帯は荒れてしまったのです。
その原因は2つあるようです。
まず畑作・牧畜地帯の人々が高齢化して廃業したためです。子供は甲府市や東京で働いていてあとを継ぎません。
そしてもう一つの原因は畑作・牧畜地帯が山際にあるので、イノシシやサルやシカによる農作物の被害が深刻過ぎるのです。
1975年に、この武川町の牧畜地帯の上の雑木林に小屋を作った頃はイノシシもサルも全然いませんでした。ましてや鹿など一度も見たことがありません。よく見かけたのはキジとカヤネズミでした。リスとウサギもまれに見ました。しかし1990年前後からそれに代わってイノシシとサルが猛烈に増えてしまったのです。畑作・牧畜地帯では農作物が毎晩のように食べられてしまうので農業が出来なくなったのです。
それでも貯金のある人は花などを植えて以前の家に住んでいます。しかし多くの人は生活に便利な水田地帯に引っ越したり都会に移住しているのです。
畑作・牧畜地帯が荒廃する原因はもう一つあります。それは病院やスーパーに行くための交通が不便なためです。北杜市が自治体バスを出していますが、それも山際には来ません。病院事情にも問題があります。しかしあまり長くなるので今日はここでお終いにします。
今日書いたような水田地帯と畑作・牧畜地帯の格差の状況は全国にあると思っています。皆様からコメントを頂けたら嬉しく思います。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

「小金井公園の桜の下でお花見弁当を食べてきました」

2016年03月28日 | 写真
小金井公園の桜も急に咲き出しました。家内が作ったチラシ寿司のお花見弁当と魔法瓶のお茶を持って行き食べてきました。この小金井公園の桜は何十年も見て来ましたが桜の下で花見弁当を食べるのははじめてのことです。ゆっくり頭上の花を見ながらチラシ寿司を食べると一段と美味に感じます。月曜日なので花見客もそれほどでなく静かで良かったです。





趣味を楽しみ過ぎて民主主義の崩壊に気がつかない人々

2016年03月28日 | 日記・エッセイ・コラム
昔、漢文の授業の時、「鼓腹撃壌」という述語を習ったことを憶えている方も多いと思います。「腹鼓を打ち、足踏みをして歌いながら楽しむ」という意味ですが「日が昇れば耕作し 日が沈めば休息する。 水が飲みたければ井戸を掘って飲み。 食べ物を食べたければ田を耕す。 帝の力が、どうして私に関わりがあろうか」という詩の一節なのです。
上の文章の中の「帝の力」を「民主政治」と置き換えてみましょう。
現在、日本には民主政治が定着していて、政治に関心が無くても多くの人は幸せな生活が出来ます。ですから趣味の生活を楽しみ「民主政治」のことを考えない人が多いのです。
しかし趣味の生活にだけ耽っていると、アメリカで、民主主義崩壊の兆候が起きていることに気がつきません。
アメリカの有力紙がみな「トランプ氏は民主主義への脅威」と論調を繰り広げていることを見逃してしまいます。
太平洋の向こう側で騒いでいることに無関心な人もいます。趣味の生活だけに興味があり、何故アメリカで大騒ぎをしているか理解しないのです。
しかし人それぞれですから、それも良いでしょう。誤解しないで下さい。私はそういう人を非難しているのではありません。
しかし私自身は非常に驚き、怖い社会現象だと注意深く見守っています。
民主主義の本家本元のアメリカで民主主義が崩壊し、独裁政権が生まれる可能性のある現象が起きているのです。
独裁政権はミャンマーやタイで過去にありました。軍事クーデターで起きたのです。
そして中国や北朝鮮では共産革命戦争の結果出来たのです。
しかるにアメリカでは民主的な大統領の予備選挙で差別主義、排他主義のトランプ氏が人々の支持を集めて優勢な立場を維持しているのです。
昔の話ですが、議会制民主主義のドイツでヒットラーが扇動的な演説で選挙を勝ち続けて、しまいには独裁者になった歴史があります。
ヒットラー独裁政権成立の背景は、現在のトランプ氏支持の背景とは全く違います。ですから全然類似性は無いと主張する人もいます。部分的にはその主張に同感です。
しかし連続する予備選挙を勝ち抜いて排他的な政権を作ろうとしているトランプ氏は形の上ではヒットラーの場合と非常に似ているのです。
両者は演説の天才です。政治に関心の無かった人々を自分の支持者にしてしまうのです。
現在の社会に不満を感じている人々の心を外国人へ対する憎しみや復讐心へ変えて、それを煽り立てる弁舌なのです。人間の持ってる悪い情念を刺激し、それを煽り、増大して、自分がその憎しみを解決すると言うのです。偉大なアメリカにして、憎しみや恨みを晴らしてやると大声で叫ぶのです。
これこそが、輝かしいアメリカの民主主義の歴史を崩壊させる脅威になっているのです。ですからこそアメリカの良識ある人々や大新聞の論説委員がこぞって警鐘を鳴らしているのです。
しかしいつの世も良識ある人々は少数派です。この点が私の心配なのです。
日本は豊かな国になりました。政治に関心が無くても楽しく毎日を暮らせます。ましてや海の向こうの外国のことなど心配しなくても幸せに暮らしていけるのです。
ですから現在アメリカで起きている現象に関係が無いと考えるのは自然なことです。
しかしよく見ると、「人間の持ってる悪い情念を刺激し、それを煽り、増大して、自分がその憎しみを解決すると言う政治家」は日本にも多くいます。実例を書かない方が良いと思いますが、原発再開や安保体制の改革や日中関係などのいろいろな問題で、人々の恐怖心を刺激し、自分の支持者にしようとする政治家は少なくないのです。
「人のふり見て、わが身をなおす」という言葉のあるようにアメリカ社会で起きていることを見れば日本のことを正しく直すことが出来るのではないでしょうか。
今日の挿絵代わりの写真は昨日撮ってきた桜の花の写真です。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)







「櫻の花と野川のある風景」

2016年03月27日 | 写真
東京の国分寺市の南半分は崖の下です。その崖を国分寺崖線と言います。崖の下には数多くの泉が湧いていて、その水を集めて野川という名前の小川が流ています。下流は小金井市と調布市を通って多摩川に注いでいます。

野川のお陰で旧石器時代、縄文時代から江戸時代まで連綿として人が住み着いていました。
北側は崖で、南が平野になっている暖かい地域です。従ってこの野川の桜は一番先に咲き出します。午後からその写真を撮って来ました。

野川の両岸の芝生の上では花見をしている家族が幾組も見えました。のどかな春の午後の雰囲気をお楽しみ下さい。









高邁な精神の民間人が作った明治村・・国立野外博物館ではない!

2016年03月27日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は日曜日です。気楽に、明治村のご紹介をいたします。
明治村を訪れたのは2010年の4月はじめの桜の咲く頃でした。久しぶりの晴天で、桜が丁度満開でした。
遊歩道は高齢者にも歩けるようになだらかに出来ています。入鹿池の青い水面が雑木林の向こうに見え隠れします。

明治時代の銀行やホテル、兵舎や師範学校の建物があります。天主堂や教会堂もあります。小泉八雲が海水浴に通ったとき泊った焼津の魚屋の質素な家もあります。石川啄木一家が2階に住んでいた床屋があります。森鴎外と夏目漱石の住んでいた家もあります。
気持ちの良い里山の遊歩道を散策して行くと次から次へと興味深い建物が現れて来ます。そして明治時代の人々の一途な情熱に心が揺さぶられます。建物は何も言わずに静かに建っているだけです。その為にかえって明治の人々の喜びや悲しみの激しさを暗示しています。

明治村は昭和記念公園のような国立の野外博物館と思い込んで行きました。ところが2人の民間人が独力で作り上げたのです。
第二次大戦後、明治時代の美しい建物が荒れるにまかせ、倒壊して行く様子を見て、建築家の谷口吉郎さんが修理・保存を決心します。そして学生時代からの親友だった名古屋鉄道株式会社社長の土川元夫さんの協力を得て、昭和37年に土木工事に着手し、40年に開園しました。
愛知県、犬山市の入鹿池を囲む丘陵の里山の中に遊歩道を作り、全国から移築した明治時代の建物を散在させたのです。谷口さんと土川さんの精神の崇高さにおのずと頭が下がる思いです。
建築家、谷口さんが選んだだけに、全て建築美を漂わせています。それを入鹿池の周りの自然の景観に調和するように細心の注意を払って移築しています。
想像以上に素晴らしい野外博物館でした。下の1番目と2番目の写真に里山全体の様子を示す写真を2枚示します。そしてそれに続けて3番目、4番目、5番目の写真にそれぞれ、東京日比谷の帝国ホテル、京都にあった聖ザビエル天主堂、そして最後に京都にあった聖ヨハネ教会堂の写真を示します。









名古屋から名鉄犬山線で30分で犬山駅です。駅の東口からバスがあり、20分で明治村に着きます。是非訪問なさるさようお勧め致します。但し、野外を散策するので晴天の日に限ります。天気予報を注意深く見て訪問なさって下さい。
さらに下には長崎港の外にある伊王島に建っていた聖パウロ教会堂の写真も示します。
明治12年に建造され、昭和48年まで100年間も使用されていた木造建築です。外見は普通の和風の建物に見えますが、内部はフランスのカトリック教会のように出来ています。
明治維新後、日本人の信教の自由が定着するまでには長い年月がかかったのです。明治政府がいつキリシタン禁教と弾圧へ政策転換するか分かりません。従ってこの聖パウロ教会を作った隠れキリシタン達は用心して外見は和風の建築にし、内装をフランス人神父の指導でキリスト教の天主堂として作りました。
隠れキリシタンの人々の恐怖を示す教会堂が、現在は明治村の一番端の岡の上に静かに建っています。下には入鹿池の青い水面が広がっています。
この教会に関する建築学的な詳細な説明は、https://www.pref.nagasaki.jp/tokyo/nagasakinokyoukai-web/kyoukai/daimyouji.html にあります。
下に示す6番目と7番目の2枚の写真は2010年4月8日に家内が撮ったものです。
最後の8番目の写真は、このURLから転載させて頂きました。





この明治村は名古屋駅から離れているので行かない方も多いかも知れません。しかし是非訪れてみて下さい。感動すると思います。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)


「今日の春の花々の写真をお楽しみ下さい」

2016年03月26日 | 写真
三鷹市の「花と緑の広場」に行きました。広場を歩きながら写真を撮りました。
いろいろな花々が咲き、本当に春が来ました!  写真をお楽しみ頂ければ嬉しく存じます。

1番目と2番目の写真はショカツサイの花です。



上の3番目はジャーマン・カモミールです。

上はマーガレットです。

上の写真はパンジーの花輪です。

上の写真はパンジーの花壇です。

上の写真の花の名前は分かりません。今年はじめて見ました。
何方かお教え下さい。

教養としてのキリスト教・・・復活祭とは?

2016年03月26日 | 日記・エッセイ・コラム
キリスト教のことを知れば欧米人の考え方が分かると言います。文学や絵画彫刻や音楽がもっと味わい深くなるとも言います。ですから多くの日本人は教養としてキリスト教を身につけています。
明日はそのキリスト教の復活祭です。そこで復活祭の意味やその重要性について簡単に書いてみたいと思います。
簡単に書いてしまえば復活祭はキリストが十字架にかけられ処刑され、3日後に生き返ったことをお祝いするお祭りです。
キリストが生まれた日はクリスマスとして日本でもお祝いの食卓を囲む人が多く、日本の重要な歳時記として定着しています。クリスマスはヨーロッパの原始宗教の冬至祭を踏襲しました。
その一方で復活祭は日本ではあまり有名ではなく、一部のクリスチャン関係者だけが祝っています。
復活祭は春の到来を祝うお祭りを踏襲していますので、日本でももっと有名になっても良いと思います。しかし「一旦、死んだ人が生き返る」という不自然さ、不合理さがあるので日本では受け入れらなかったのでしょう。
しかしキリスト教徒にとっては復活祭は一番重要な祭日です。クリスマスよりも非常に重要な祭日です。
その理由はキリスト教信仰の中心をなすのが、キリストが生き返り、その後、天に登って神の右の座に着いたという事実を信じることなのです。そして最後の審判の時が来ると、キリストは再び帰って来ます。そして全ての死者の肉体も蘇り、復活するのです。
復活祭とはイエス自身の生き返りを祝い、全ての死者の生き返りを祈る重要な祭日なのです。
上に書いたことはあまりにも荒唐無稽なことですね。少なくとも大部分の日本人には受け入れられない空想に過ぎません。私も本物の日本人ですから復活祭が日本へ受け入れらなかった事情は痛いほど良く分かります。なにせ仏教にはそんな空想論は皆無なのです。
さてそれはそれとして少し復活祭に関連した写真を見てみましょう。
写真の出典は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E7%A5%AD です。

上の絵画は生き返ったキリストが弟子たちの中心に立っている光景です。ある弟子は本当に生き返ったキリストなのかと疑って眺めています。トマスはキリストの脇腹の傷跡に指を入れてみて、「これは本物の生き返ったキリストだ!」と納得します。

上の写真は復活祭のミサをしておいるあるカトリック教会の祭壇の光景です。

上と下の写真は復活祭の折に卵に絵を描いて祝う「風習を示しています。ウサギも付き物です。

さて欧米人は本当にキリストの復活や全ての死者の肉体の生き返りを信じているのでしょうか?
これこそ欧米人の心の裏にある迷いなのでしょう。ある時は信じ、ある時は疑います。私はカトリックなのである時は確かに信じています。
100%そのまま信じている欧米人もいます。60%信じている人もいます。20%信じている欧米人もいます。しかしここで重要なことは欧米人なら皆が以上に書いた復活の話を知っているのです。
先日ご紹介した革命家のチェ・ゲバラも聖書の一句を使った「愛が無ければ革命家になれない」というセリフを言っていたのです。
昔のソ連のスターリンも知っていたのです。なにせ彼は若いころ神学生だったのです。そして聖書よりも共産主義が人々を救うと信じて転向したのです。
ですから共産主義はキリスト教の裏返しだと言われています。
このように欧米の文化や政治や社会現象にキリスト教があるのです。無意識のうちに欧米人はその影響を受けているのです。
それは我々日本人が仏教の影響を無意識のうちに受けているのと同様です。カトリックの私も影響を受けています。
明日は復活祭です。教会を覗いて見るのも良いかも知れません。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

「今日はユキヤナギの花の写真を撮りに行きました」

2016年03月25日 | 写真
春先に咲く純白の花は何故か淋しげに見えます。まだ寒い風に枝が震えいる風情がさびしげに感じられます。
ユキヤナギ(雪柳、学名:Spiraea thunbergii)は、バラ科シモツケ属の落葉低木です。
中国原産という説もありますが、日本原産であると考えられているようです。小金井公園で撮ってきました。









大統領候補のトランプ氏はすでに日本人の考え方へ3つの影響を与えている

2016年03月25日 | 日記・エッセイ・コラム
アメリカの大統領にヒラリー・クリントン氏がなろうがトランプ氏がなろうが関係無いと感じている方もいらっしゃると存じます。日本人がいくら議論しても選挙権があるわけでないのですから無駄ですと言う方もいます。
しかし日本の社会とアメリカとは深く太い絆で結ばれています。それは戦後の日本の逃れることの出来ない運命のようなものです。
そこで3月3日に、「トランプ氏が大統領になったら三つの甚大な影響を受ける日本」と題した記事を掲載いたしました。そうして次のような影響があるのではないかという指摘をいたしました。
(1)政治では安倍総理の軍備強化路線を助け、自主防衛政策を促進
(2)日米貿易で日本が不利になる条件の要求
(3)日本が排他的で差別的な社会になる
この3月3日の記事はあくまでもトランプ氏が来年、アメリカ大統領になったらという仮定のもとに予想した内容になっています。
しかしトランプ氏が共和党代表になるための各州における予備選挙の結果が毎日のように日本のマスコミに報じられています。そして彼は相変わらずトップの座を維持しているのです。
その上、彼の過激な発言がアメリカのテレビの視聴率を大いに上げる効果があるので、テレビ局からは大歓迎されて報道されています。視聴率が上がれば莫大な広告収入がテレビ会社に入るのです。
トランプ氏の外国に対する差別主義的な考え方が報道され、それに対する懸念や心配をしている日本人も多いようです。げんに日本の外務省はトランプ氏の考え方や政策に関するあらゆる情報を集める作業を始めたという報道がありました。
このような情勢ですので、トランプ氏は既に日本人の考え方へ大きな影響を与えていると言っても過言ではないと思います。
そこでトランプ氏の影響について以下の3つを取り上げたいと思います。

(1)日本人は自主防衛を真剣に考えはじめた。
トランプ氏はアメリカ軍の基地を日本や韓国に置いておくのは無駄だと発言しています。全ての米軍基地を撤収するとは言っていませんが、米軍が駐留するなら日本はもっと経済的な負担をすべきだと主張しているのです。
この発言は日本から米軍基地の撤収を意味しないようですが、日本人に自分の安全と防衛はどのようにすべきか考えることをせまっているのです。
軍備というものには上限がありません。中国が軍備を強化するに従って上限も引き上げなければ日本は安全ではないのです。ですからこそ日中友好関係が絶対的に必要になってくるのです。軍備は絶対に必要ですが中日友好があれば上限を低めに抑えることが出来ます。
日本から全ての米軍基地を撤収してもらうことは日本の安全を考えれば現実的ではありません。必要不可欠な米軍基地は保持し、必要性の無い基地は撤収の方向にすべきなのでしょうか?
しかしその問題は専門的に深く研究して進めるべきことは論を待ちません。
米軍基地への財政支援は現在以上どこまで増額すべきなのでしょうか?
トランプ氏の発言は日本人の防衛に対する考え方に大きな影響を与えていると思います。

(2)日米の貿易はアメリカにとって不利だという発言の影響
日本の産業を守って自給自足体制に近づけるという政府の方針は原則としては正しい姿勢です。
その政策に従ってアメリカから輸入される農産物や畜産物に関税をかけています。アメリカは日本から輸入する車や工業製品に関税をかけています。トランプ氏はそれが不公平だと言うのです。その上、ドルと円の為替レートを日本が産業が有利になるように操作していると言うのです。
一般的に関税は消費者の立場から言えば無い方が良いに決まっています。しかしそれでは日本の農業や畜産業も林業と同じように壊滅的な打撃を受けるのです。
産業の保護のために関税をかけるべきですが、消費者の立場からは関税の無い自由貿易が良いのです。
トランプ氏の発言は日本人に自由貿易の利害得失を考えさせるキッカケになります。輸出入の品目ごとの適正な関税率を改めてアメリカと相談すべき時期がいずれ来るのでしょう。

(3)イスラム教徒差別、外国差別の発言は日本人の差別的な考えを増長している

上の(1)と(2)の影響はトランプ氏が本当に大統領になった場合に強烈になります。まだ大統領になったわけではないのでこの2つの影響は単なる観念的な影響にとどまっています。
それに反して(3)の影響は現実的な問題として考えるべき影響です。
メキシコ人を悪しざまに蔑み、イスラム教徒はアメリカへ入国させないという差別主義的発言は自由主義の国々に衝撃を与えました。例えばイギリスの議会はすぐにトランプ氏の英国への入国禁止の決議をしたくらい激しく反発したのです。
その上、3月23日には中東の混乱の原因の一つになっているIS(イスラム国)の殲滅には核兵器を使うのも辞さないと発言したのです。
イスラム国の一般市民も殺戮してしまうことになるのです。このようにアメリカだけが良ければ外国のことは一顧だにしないという差別主義はアメリカの大統領候補には前例が無いのではないでしょうか。
一部の日本人には中国や韓国を悪しざまに蔑み差別する人がいます。しかし最近はトランプ氏の毒気に当たったように静かになってしまいました。
しかし日本には江戸時代から連綿と続く鎖国主義があります。トランプ氏はその鎖国主義的な考えを増長すると考えられます。

以上、トランプ氏の日本人の考え方への影響を概観しました。
概観なので細部には間違った点もあると存じます。皆様からのコメントを歓迎いたします。
今日の挿絵代わりの写真は昨日撮ってきたヒナゲシと菜の花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)






「今日は早咲きのポピーの花の写真をお送りします」

2016年03月24日 | 写真
毎年、3月下旬この農家の畑に行くとポピーの花が咲いています。
野菜を作っている農家ですが花が好きな方なので10坪くらいの花畑に四季折々いろいろな花を咲かせています。毎年、感謝しながら何度も写真を撮らせて頂いております。感謝しています。









「今年のソメイヨシノの櫻花の写真をお楽しみ下さい」

2016年03月23日 | 写真
先程、ソメイヨシノの木が沢山植えてある広大な多摩墓地に行って桜花の写真を撮って来ました。全然咲いていない木も多いのですが10本位の木に花が咲いていました。
写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。













陽賜里工房の恒例の春のお花見会のご案内

2016年03月22日 | 日記・エッセイ・コラム

山梨県、北杜市の甲斐駒の麓にある陽賜里工房ガーデンの春の公開と花見が例年通り開催されます。桜が満開になる頃です。庭でお茶をゆっくり飲んで寛ごうという企画です。ホストは原田聖也さんという男性とその母上です。

日時:4月8日(金)、9日(土)、10日(日)の、朝10:00時~午後4:00時ころまで、
ところ:山梨県北杜市武川町山高 3567-556の陽賜里工房ガーデンです。

連絡先:原田聖也さん、携帯電話:090-4170-0370 E-Mail:t-taraku@t-net.ne.jp

このオープンガーデンには私も家内と一緒に参加したことがあります。5年前の春のオープンガーデンの報告記事を以下に掲載いたします。ご参考になれば幸いです。
======花の園の中の喫茶店・・・陽賜里工房というコーヒー店===
戦後に学生時代を過ごした方々にとっては喫茶店という言葉は懐かしいと思います。名曲喫茶とか純喫茶とか歌声喫茶とかいう名前で、コーヒーの香りとともに文化的な場所でした。当時、コーヒーは高価な飲みものだったのです。
それから幾星霜、不思議な喫茶店へ行ってきました。陽賜里工房という名前で、春と秋の2回しか開店しません。
春の花々、秋の花々に囲まれたコーヒー店です。店主は原田聖也さんという男性で、コーヒーの修業を重ね、特別のコーヒー豆焙煎工場のものを仕入れて使っています。食品衛生法を勉強をし、飲食店開業の資格も取りました。
この喫茶店は北杜市の真原桜並木のはずれにある花の園です。庭全体がなだらかな南向きの斜面になっていて満開の桜の木が2本、ピンクのユキヤナギ、水仙、ヒトリシズカ、イカリソウなどに囲まれて店主手造りの店があります。
花園の一番高い所にはロマンチックなデザインの木造の家があり店主が寝泊まりする場所になっています。お客は勝手に花の園を歩きまわり、花々を鑑賞します。そして花疲れしたら洒落た店に入って香り高いコーヒーを頂きます。
コーヒーを飲む場所には女主人が居て、つれづれの話し相手になってくれます。店の主人のお母さんです。上品な日本語を使う方です。花の園の作り方などのよもやま話です。私がカトリックの話をしましたら、ご自分の信仰のバプテスト教会の話を静かにして下さいました。亡くなったご主人はその教会の牧師さんで、ご自分も宣教活動をしながら幼稚園の園長さんもしていたそうです。兎に角、折り目正しい一生を過ごした方なのでお話をしていてもスッキリとした印象です。
下にこの花の園の中の喫茶店の写真をお送り致します。