梅が咲き菜の花畑が一面に黄色になると、嗚呼、春が来たという嬉しい気分になります。次に咲くのはコブシと白木蓮です。少し遅れて紫紅色の木蓮も咲きます。その次はいよいよ桜が華麗に満開なります。レンギョウもユキヤナギも咲いて春たけなわの楽しい季節になります。
まだ早いのですが近所で撮った昨年の白木蓮の花の写真をお送りします。3月の中旬に咲く白木蓮です。
さて面白くない話です。
人は千差万別で本当にいろいろです。宗教に関心のある人、全く無関心な人。どちらでも良いのです。
しかしこれから書く話は宗教に関心の無い人にとっては全く面白くない話と思います。
今日の話はキリスト教が「愛の宗教」だという説明です。
この事実はキリスト教の教義や年中行事の知識を幾ら理解しても絶対に理解出来ない本質なのです。
信じて修行をすると実感出来る感性だけが頼りになるキリスト教の本質なのです。
キリスト教だけではなく、宗教の深い理解には信じて感性を働かし実感することが一番重要なのです。
佛教に「不立文字」という言葉があります。禅宗の教義を表す言葉です。文字による教義の理解のほかに、信じて修行を体験することによって仏教の真髄が理解出来るという教えです。 ですから座禅をします。修行として作務を毎日行います。
キリスト教も同じです。信じて教会に足繁く通うと「キリスト教が愛の宗教」だと実感出来るのです。実感出来ればキリスト教の真髄の「神が全ての人間を愛している」という事実が理解出来るのです。
しかし遥か星空のかなたにいる神の愛など実感出来ないのが普通です。
しかし神父さん達の愛は実感出来ます。
明治に九州の人々を愛しソーメン製造工場を私財で作ったド・ロ神父。フランスに一度も帰らず九州の土になったのです。
日本には1928年に来たチマッティ神父も日本人を愛しました。宣教活動をしながら数多くの学校を作りました。
東京都の調布市にはサレジオ神学校を作り、1965年にそこで帰天しました。享年86歳でした。
日本人を愛し、サレジオ会の日本人が第二次大戦で徴兵され、戦死する度に深く嘆き悲しんだのです。その様子を写した写真が彼の記念館にあります。
そして日露戦争が起きてもロシアに帰らず日本人の面倒を見たロシア正教のニコライ師も深く日本人を愛しました。ロシアには帰らず谷中の墓地に眠っています。
話はいきなり矮小になりますが私共も神父さまに愛されました。洗礼を受けた塚本金明神父。アメリカ人のムニ神父さま。山本量太郎神父さま。
塚本金明神父とアメリカ人のムニ神父さまのお墓は近くの府中市にあります。折にふれて墓参りに行きます。
欧米人の信者がローマ法王を「パパ!、パパ!」と呼んでいる場面をよく見ます。
肉親の父親でもないのに「パパ!」と呼ぶのは日本人としては違和感を感じることでしょう。
不愉快に感じるかも知れません。
しかし欧米人はローマ法王を実の父親のように愛しているのです。親しく思っているのです。
それが出来れば目に見えない神が人間一人一人を愛していると実感出来るのです。
キリスト教の真髄は神の愛です。
汝の隣人を愛しなさい。韓国人を愛しなさい。中国人を愛しなさい。そうすれば神が私を愛してくれるのです。
神の愛は世界に平和をもたらします。
末尾の参考資料にキリスト教の伝承行事の説明をつけておきました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料=============================
「教養としてのキリスト教・・・謝肉祭、灰の水曜日、四旬節そして復活祭」
欧米の人々は無宗教の人もいますが多くの人はキリスト教の影響を強く受けています。洗礼を受けて信者になっている人も多いです。
ですから欧米の文化や社会の背景にはキリスト教があると言えます。そして政治の世界も当然、キリスト教の影響を受けています。
従って欧米人と交流したり、いろいろな事業を協力しあって進めて行くためにはキリスト教のことを知っていると良いのです。ことが円滑に運ぶのです。欧米人に親しみを感じます。
そこで今日は間もなくやって来る復活祭(イースター)の前の謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、そして四旬節のことを簡単に説明致します。
時系列にしたがってやって来る順序は、謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、四旬節、そして最後の復活祭(イースター)という順序になります。
しかしそれぞれの宗教的な意味を説明するためにはこの順序を逆にして説明したほうが分かり易いのです。
復活祭 (イースター) は、十字架にかけられ死んだイエス様が3日目に蘇られたことを記念する、キリスト教の最も重要なお祝いの日です。クリスマスより重要とも言えます。
その復活祭の日の決め方は、「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」です。 この決め方に従うと2017年以降の復活祭は次の通りです。2017年4月16日 2018年4月1日 2019年4月21日 2020年4月12日 2021年4月4日 2022年4月17日になります。
復活祭前に節制した生活を送る準備期間を四旬節(40日間)と呼びます。40という数字は、イエス様が荒れ野で40日間断食をされたことに由来しています。それに倣って40日の間に断食をしたり節制したりする習慣が生まれたようです。
もう少し厳密に言うと、四旬節が始まるのは その直前の水曜日 、すなはち「灰の水曜日」 からです。
「灰の水曜日」という名前は、この日に司祭が灰で信者の額に十字の印をつけることに由来します。自分が灰のように消えてなくなるはかない者であることを認め、ただ神の慈しみによって生かしていただいていることを思い起こすのです。
灰の水曜日に用いる灰は、前の年の「枝の主日」に祝別されたシュロの枝を焼いて作られます。エルサレムにイエス様が入城した時に群衆が棕櫚の葉を手に持って打ち振り、歓迎しました。シュロの枝は勝利と歓喜の象徴として、凱旋の行列に用いられるといわれますが、イエス様がこれによって人間の栄華も歓喜も、灰のように塵になる儚いものであることを認識させられるのです。
さて謝肉祭はカーニバルとも呼ばれますが、これは分かり難い祭です。
断食をしたり節食をして静かに過ごす40日の四旬節に入る前に、思いっきり飽食をして仮装をして踊り狂います。この世の楽しみを思う存分してから40日間の静かな節制生活に突入するのです。
ですから有名な南米のリオのカーニバルも「灰の水曜日」の前日にピタリと止め、静かになります。
以上はカトリックの習慣です。しかし欧米では夏のバカンス以外の休日は、多くカトリックの習慣に従って決まっています。ですから謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、そして四旬節、そして最後の復活祭(イースター)などは歳時記として欧米社会に定着しているのです。
それらは欧米社会の風物詩になっているのです。復活祭(イースター)はクリスマスと共に日本の俳句の季語にもなっています。
灰の水曜日が近づいて来たのでこんなことを書いてみました。
まだ早いのですが近所で撮った昨年の白木蓮の花の写真をお送りします。3月の中旬に咲く白木蓮です。
さて面白くない話です。
人は千差万別で本当にいろいろです。宗教に関心のある人、全く無関心な人。どちらでも良いのです。
しかしこれから書く話は宗教に関心の無い人にとっては全く面白くない話と思います。
今日の話はキリスト教が「愛の宗教」だという説明です。
この事実はキリスト教の教義や年中行事の知識を幾ら理解しても絶対に理解出来ない本質なのです。
信じて修行をすると実感出来る感性だけが頼りになるキリスト教の本質なのです。
キリスト教だけではなく、宗教の深い理解には信じて感性を働かし実感することが一番重要なのです。
佛教に「不立文字」という言葉があります。禅宗の教義を表す言葉です。文字による教義の理解のほかに、信じて修行を体験することによって仏教の真髄が理解出来るという教えです。 ですから座禅をします。修行として作務を毎日行います。
キリスト教も同じです。信じて教会に足繁く通うと「キリスト教が愛の宗教」だと実感出来るのです。実感出来ればキリスト教の真髄の「神が全ての人間を愛している」という事実が理解出来るのです。
しかし遥か星空のかなたにいる神の愛など実感出来ないのが普通です。
しかし神父さん達の愛は実感出来ます。
明治に九州の人々を愛しソーメン製造工場を私財で作ったド・ロ神父。フランスに一度も帰らず九州の土になったのです。
日本には1928年に来たチマッティ神父も日本人を愛しました。宣教活動をしながら数多くの学校を作りました。
東京都の調布市にはサレジオ神学校を作り、1965年にそこで帰天しました。享年86歳でした。
日本人を愛し、サレジオ会の日本人が第二次大戦で徴兵され、戦死する度に深く嘆き悲しんだのです。その様子を写した写真が彼の記念館にあります。
そして日露戦争が起きてもロシアに帰らず日本人の面倒を見たロシア正教のニコライ師も深く日本人を愛しました。ロシアには帰らず谷中の墓地に眠っています。
話はいきなり矮小になりますが私共も神父さまに愛されました。洗礼を受けた塚本金明神父。アメリカ人のムニ神父さま。山本量太郎神父さま。
塚本金明神父とアメリカ人のムニ神父さまのお墓は近くの府中市にあります。折にふれて墓参りに行きます。
欧米人の信者がローマ法王を「パパ!、パパ!」と呼んでいる場面をよく見ます。
肉親の父親でもないのに「パパ!」と呼ぶのは日本人としては違和感を感じることでしょう。
不愉快に感じるかも知れません。
しかし欧米人はローマ法王を実の父親のように愛しているのです。親しく思っているのです。
それが出来れば目に見えない神が人間一人一人を愛していると実感出来るのです。
キリスト教の真髄は神の愛です。
汝の隣人を愛しなさい。韓国人を愛しなさい。中国人を愛しなさい。そうすれば神が私を愛してくれるのです。
神の愛は世界に平和をもたらします。
末尾の参考資料にキリスト教の伝承行事の説明をつけておきました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料=============================
「教養としてのキリスト教・・・謝肉祭、灰の水曜日、四旬節そして復活祭」
欧米の人々は無宗教の人もいますが多くの人はキリスト教の影響を強く受けています。洗礼を受けて信者になっている人も多いです。
ですから欧米の文化や社会の背景にはキリスト教があると言えます。そして政治の世界も当然、キリスト教の影響を受けています。
従って欧米人と交流したり、いろいろな事業を協力しあって進めて行くためにはキリスト教のことを知っていると良いのです。ことが円滑に運ぶのです。欧米人に親しみを感じます。
そこで今日は間もなくやって来る復活祭(イースター)の前の謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、そして四旬節のことを簡単に説明致します。
時系列にしたがってやって来る順序は、謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、四旬節、そして最後の復活祭(イースター)という順序になります。
しかしそれぞれの宗教的な意味を説明するためにはこの順序を逆にして説明したほうが分かり易いのです。
復活祭 (イースター) は、十字架にかけられ死んだイエス様が3日目に蘇られたことを記念する、キリスト教の最も重要なお祝いの日です。クリスマスより重要とも言えます。
その復活祭の日の決め方は、「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」です。 この決め方に従うと2017年以降の復活祭は次の通りです。2017年4月16日 2018年4月1日 2019年4月21日 2020年4月12日 2021年4月4日 2022年4月17日になります。
復活祭前に節制した生活を送る準備期間を四旬節(40日間)と呼びます。40という数字は、イエス様が荒れ野で40日間断食をされたことに由来しています。それに倣って40日の間に断食をしたり節制したりする習慣が生まれたようです。
もう少し厳密に言うと、四旬節が始まるのは その直前の水曜日 、すなはち「灰の水曜日」 からです。
「灰の水曜日」という名前は、この日に司祭が灰で信者の額に十字の印をつけることに由来します。自分が灰のように消えてなくなるはかない者であることを認め、ただ神の慈しみによって生かしていただいていることを思い起こすのです。
灰の水曜日に用いる灰は、前の年の「枝の主日」に祝別されたシュロの枝を焼いて作られます。エルサレムにイエス様が入城した時に群衆が棕櫚の葉を手に持って打ち振り、歓迎しました。シュロの枝は勝利と歓喜の象徴として、凱旋の行列に用いられるといわれますが、イエス様がこれによって人間の栄華も歓喜も、灰のように塵になる儚いものであることを認識させられるのです。
さて謝肉祭はカーニバルとも呼ばれますが、これは分かり難い祭です。
断食をしたり節食をして静かに過ごす40日の四旬節に入る前に、思いっきり飽食をして仮装をして踊り狂います。この世の楽しみを思う存分してから40日間の静かな節制生活に突入するのです。
ですから有名な南米のリオのカーニバルも「灰の水曜日」の前日にピタリと止め、静かになります。
以上はカトリックの習慣です。しかし欧米では夏のバカンス以外の休日は、多くカトリックの習慣に従って決まっています。ですから謝肉祭(カーニバル)、灰の水曜日、そして四旬節、そして最後の復活祭(イースター)などは歳時記として欧米社会に定着しているのです。
それらは欧米社会の風物詩になっているのです。復活祭(イースター)はクリスマスと共に日本の俳句の季語にもなっています。
灰の水曜日が近づいて来たのでこんなことを書いてみました。