最近のイギリスでの国民投票でEUからの脱退が決定しました。離脱の票を入れた人々が自分たちは軽率だったからもう一度国民投票をしなおせと叫んでいる様子をテレビで見ました。離脱反対の人々も勿論、再投票を要求しています。
その映像を見てから数日間、人間の軽率さを考えていました。そして直接民主主義のあれこれを考えていました。
人間の軽率さを言われれば私自身のことを言われているようでいろいろな想いが湧いてきます。
戦前生まれ、戦後生まれの私は、時代、時代の波に乗って考え方をいとも簡単に変えてきました。
戦前の鬼畜米英が戦後はアメリカ崇拝に変わりました。戦後の復興の時代は全てのものを大切にする精神に染まっていました。それが高度成長の時代になると「消費は美徳だ!」という思想に取りつかれ電灯はつけっぱなし、水道の水は惜しみなく使いました。流石に食べ物だけは全て食べましたが、その他の消耗品は惜し気も無く使い捨てるような風潮に染まりました。
土地の値段は絶対に下がらないと信じきっていましたが、バブル経済の崩壊で一挙に暴落したのです。
あの強いソ連や共産党中国が共産主義を止めて資本主義になるとは夢にも思いませんでした。ただ唖然としているだけです。
時代の波に乗って気楽に考え方を変えて来た自分が恥ずかしくなります。間違いなく軽率な男でした。
ですからこそイギリスの多くの人々が軽率だったと叫んでいる姿を見ても笑うことが出来ません。何故か悲しく感じるだけです。
そもそもEUに加盟すれば、その4つの自由の原則を守るのが強制されます。4つとは、商品・労働者・資本の移動の自由と開業の自由です。
その上、EUが独自に作るEU法は、EU加盟国内の法律と平行して執行される独自の法体系なのです。このEU法は加盟国の法体系に直接作用し、とくに経済政策や社会政策においては国内法に優先するのです。つまり国家の主権の一部を放棄することになるのです。
このような条件を要求しているEUへイギリスが加盟したこと自体が軽率だったとも言うことも出来ます。しかしそれを非難する資格は人間にはありません。人間はみな同じように軽率な傾向があるからです。
一方、国民の感情に流されやすい国民投票を行ったことを多くの日本人が軽率だと評しています。
しかし私はそれが本来の民主主義だと信じています。国家の重要問題は国民投票で決める勇気を持つべきだと思います。
日本の憲法改正問題は国民投票で決めるべきだと思っています。
この際、私の思っているEUへ対する疑念を書きます。
EUはイスラム教のトルコ共和国を絶体に加盟させません。その一方でNATO軍事同盟にはトルコを歓迎し加盟させています。ヨーロッパ人の身勝手を示していると非難されても仕方のないことです。
分かりやすく書くとEUはキリスト教国の同盟なのです。中東のイスラム教の諸国の過激派がEU圏内でテロを行うことは残念です。絶対に止めるべきですが、その遠因がEUの狭量さにあったとしたら、それは不幸なことです。
人間は本来軽率な存在のようです。その人間が2000年前のキリストの教えを書いた新約聖書や、2500年近く前のお釈迦さまの教えの要約を書いた般若心経を現在でも読んでいることがとても不思議です。人間は軽率なだけではないのです。人間を信じています。人間が大好きです。
今日の挿し絵代わりの写真は記事の内容とは関係ありません。毎年7月6日から8日まで開催されるお入谷の朝顔市の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料============
入谷朝顔市;http://www.gotokyo.org/jp/kanko/taito/event/iriya_asagao.html
入谷朝顔まつりは毎年7月6日から8日まで開催される、日本最大の朝顔市です。この三日間は入谷鬼子母神や言問通りには120軒の朝顔業者と100の露店(縁日)が並び、毎年約40万人もの人出で賑わっています。
入谷の朝顔が世に知られるようになったのは、江戸時代末期の頃といわれています。最初は御徒町で栽培されていたものが、時代の変遷とともに入谷の植木屋が造るようになったそうです。明治中期になるとその出来栄えの素晴らしさから、鑑賞用として広く知られるようになりました。
最盛期の頃は、花粉の交配によって一千種類もの朝顔が花を咲かせたといいます。その後、大正の時代に一度入谷の地から姿を消した朝顔ですが、戦後に朝顔同好会(現 朝顔実行委員会)により、再び朝顔市として今の姿を取り戻すこととなりました。
江戸時代から夏の風物詩として江戸っ子に親しまれてきた朝顔。時代を超えて、江戸の夏が感じられる三日間です。
その映像を見てから数日間、人間の軽率さを考えていました。そして直接民主主義のあれこれを考えていました。
人間の軽率さを言われれば私自身のことを言われているようでいろいろな想いが湧いてきます。
戦前生まれ、戦後生まれの私は、時代、時代の波に乗って考え方をいとも簡単に変えてきました。
戦前の鬼畜米英が戦後はアメリカ崇拝に変わりました。戦後の復興の時代は全てのものを大切にする精神に染まっていました。それが高度成長の時代になると「消費は美徳だ!」という思想に取りつかれ電灯はつけっぱなし、水道の水は惜しみなく使いました。流石に食べ物だけは全て食べましたが、その他の消耗品は惜し気も無く使い捨てるような風潮に染まりました。
土地の値段は絶対に下がらないと信じきっていましたが、バブル経済の崩壊で一挙に暴落したのです。
あの強いソ連や共産党中国が共産主義を止めて資本主義になるとは夢にも思いませんでした。ただ唖然としているだけです。
時代の波に乗って気楽に考え方を変えて来た自分が恥ずかしくなります。間違いなく軽率な男でした。
ですからこそイギリスの多くの人々が軽率だったと叫んでいる姿を見ても笑うことが出来ません。何故か悲しく感じるだけです。
そもそもEUに加盟すれば、その4つの自由の原則を守るのが強制されます。4つとは、商品・労働者・資本の移動の自由と開業の自由です。
その上、EUが独自に作るEU法は、EU加盟国内の法律と平行して執行される独自の法体系なのです。このEU法は加盟国の法体系に直接作用し、とくに経済政策や社会政策においては国内法に優先するのです。つまり国家の主権の一部を放棄することになるのです。
このような条件を要求しているEUへイギリスが加盟したこと自体が軽率だったとも言うことも出来ます。しかしそれを非難する資格は人間にはありません。人間はみな同じように軽率な傾向があるからです。
一方、国民の感情に流されやすい国民投票を行ったことを多くの日本人が軽率だと評しています。
しかし私はそれが本来の民主主義だと信じています。国家の重要問題は国民投票で決める勇気を持つべきだと思います。
日本の憲法改正問題は国民投票で決めるべきだと思っています。
この際、私の思っているEUへ対する疑念を書きます。
EUはイスラム教のトルコ共和国を絶体に加盟させません。その一方でNATO軍事同盟にはトルコを歓迎し加盟させています。ヨーロッパ人の身勝手を示していると非難されても仕方のないことです。
分かりやすく書くとEUはキリスト教国の同盟なのです。中東のイスラム教の諸国の過激派がEU圏内でテロを行うことは残念です。絶対に止めるべきですが、その遠因がEUの狭量さにあったとしたら、それは不幸なことです。
人間は本来軽率な存在のようです。その人間が2000年前のキリストの教えを書いた新約聖書や、2500年近く前のお釈迦さまの教えの要約を書いた般若心経を現在でも読んでいることがとても不思議です。人間は軽率なだけではないのです。人間を信じています。人間が大好きです。
今日の挿し絵代わりの写真は記事の内容とは関係ありません。毎年7月6日から8日まで開催されるお入谷の朝顔市の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料============
入谷朝顔市;http://www.gotokyo.org/jp/kanko/taito/event/iriya_asagao.html
入谷朝顔まつりは毎年7月6日から8日まで開催される、日本最大の朝顔市です。この三日間は入谷鬼子母神や言問通りには120軒の朝顔業者と100の露店(縁日)が並び、毎年約40万人もの人出で賑わっています。
入谷の朝顔が世に知られるようになったのは、江戸時代末期の頃といわれています。最初は御徒町で栽培されていたものが、時代の変遷とともに入谷の植木屋が造るようになったそうです。明治中期になるとその出来栄えの素晴らしさから、鑑賞用として広く知られるようになりました。
最盛期の頃は、花粉の交配によって一千種類もの朝顔が花を咲かせたといいます。その後、大正の時代に一度入谷の地から姿を消した朝顔ですが、戦後に朝顔同好会(現 朝顔実行委員会)により、再び朝顔市として今の姿を取り戻すこととなりました。
江戸時代から夏の風物詩として江戸っ子に親しまれてきた朝顔。時代を超えて、江戸の夏が感じられる三日間です。