生まれて育ったところを「ふるさと」と言い、懐かしい、楽しい思い出が沢山つまっている。と、信じている人々が多いと思います。でも生まれ育った土地以外にも心引かれる、懐かしい土地が出来てしまうこともあります。
何度も引用させて頂いている「ひかるの」さんの心のふるさとはカトマンズのようです。カトマンズを離れてタイのバンコックに移っても、ブログにはカトマンズのことを懐かしく、いとおしく、思い出しては、書いています。そして現地のカースト制についても詳細に書いています。アジアの社会の一角の複雑さを説明しています。
下記の文章はバンコックへ移ってから書いたものですが、貴重な情報なので転載させて頂くことに致しました。
そして現在、ひかるのさんは東京へ帰っています。しかし落ち着かない様子で、今日はまたカトマンズのことを書いています。(http://asiancloth.blog69.fc2.com/)
=====ひかるの様のブログの10月23日掲載記事の前半分======
バンコクの街中の路上を眺めていると、ついついカトマンズのことを考えてしまう。
ネパール政府が 今週の水曜日までにカトマンズ、ラリトプル、バクタプルの歩道の
露店を撤去するという決定をし、2,3日前から警察を使って、撤去作業を進め、
場所によっては、警察とのいざこざも生じていたようだ。
私が カトマンズ滞在中、よく通った場所はどうなったのだろう。
皆、他に仕事がないから、路上での商いをしているぎりぎりの生活をしている人たち
だったが、マオイスト主義政党も政権の中枢に入ると、弱者に眼を向けることから
遠ざかっていくようである。
ネパールの政治の中枢にいるのは バウン族(ヒンズー教カーストの最高位に属する
僧侶階級)、彼らは自分たちの血族にしか興味を示さない。
自分たちより下のカーストは 自分たちに奉仕するのが当然であると思っている。
インドのカースト制は基本的には様々のカーストを含んだコミュニティを持っており、
その中でバランスを保っているところもある。
この形は、カトマンズの先住民族 ネワール族のカースト社会に近いものだろう。
ネパールのヒンズー教徒のカースト、特にチェットリ、バウン族のカーストは
そうしたコミュニティを持たない。
4,5百年前から イスラム勢力との戦いに敗れ、ネパールに入り込んできた
チェットリ、バウン族は ネパールに国境を接するインド側の様々の地域から
入り込んできているから、バウン族、チェットリ族間の血縁関係はない。
インドのベンガル州、ビハール州、ウッタル・プラディッシュなどインドの各地から
ネパールに入り込んでいる。
=============以下省略===============
このように現地の詳細な事情を理解した上で、カトマンズを故郷のように懐かしがっています。このような日本人が存在している。そのことで心が豊かになります。
皆様へも、しみじみとした豊かな気持ちになって頂ければ嬉しく思い、ひかるの様のブログを、またまたご紹介いたします。(終わり)