このブログには間違ったことが沢山書いてあります。生来いい加減な性格でもあり、アメリカ留学中に、間違ったことでも自分の意見を言う訓練を受けたせいでもあります。間違っても自分の意見を言うことが重要だとさんざん訓練を受けました。出来るだけ間違いが少なくなるように努力はしていますが、以下に書くことにもいろいろな間違いがあると思います。
==何故修道院を訪問したか?===
ヨーロッパの小説や映画には修道院が時々出て来ます。裾の長い衣(スータン)を着た修行僧が高い塀に囲まれた修道院に一生住み込んでお祈りをしているようです。一度内部を見学したいと思っていました。先週、教会のミサに行った時のことです。玄関の前に若い男性が立っていてミサへ来た人へ挨拶をしています。少し話を聞いたらイエズス会石神井修道院で修業中の人と分かりました。そのMKさんの話し方が好ましかったのです。そこでその修道院へ電話をし、訪問しました。写真だけは、「イエズス会石神井修道院の写真だけを、とりあえずお送りいたします」という題目で7月26日に掲載しました。
訪問してお会いして頂いた塩谷恵策神父様へ聞きます;「修道院とはどういうところなのでしょうか?」。あまりにも愚かな質問に一瞬戸惑った様子です。修道院のことを本でも調べず、ネットでも検索しないで無知なまま質問したのです。ところが塩谷神父様は修道院というものを学問的に分類し、体系的に説明してくれました。その上、修道院の歴史を素人にも分かり易くお話をして下さいました。
帰ってからいろいろな検索をして今野国雄氏と鶴岡賀雄氏が執筆した学問的な文章を見つけました。内容が塩谷神父様のお話と大体一致していますので下に参考文献とともに転載させていただきます。
=====以下の雑な整理を読むと分かりやすい=====
(1)キリスト教には16世紀の宗教改革以前からある旧教と、その後に出来た新教諸派があります。旧教はカトリック、ロシア正教、日本正教などの正教諸派、聖公会、アルメニアなどの東方教会、リーテル派などで新教にはプロテスタント諸派があります。
修道院は旧教にしかありません。新教では修道院の存在を認めないのです。
(2)修道院が大きく3種に分類されます。
高い塀に囲まれた一画に一生住み込んで毎日何回も御祈りを繰り返し、修道院内で労働をして過ごします。塀の外へは絶対に出ません。世の中とは隔絶して信仰をつよめます。
ところが宗教改革の折に、このような修道院の改革も起きます。塀の外に出て、宣教や教育や医療活動に従事する修道院も出て来たのです。その旗手的存在がイエズス会だったのです。勿論、古いタイプの修道院も残りました。函館のトラピスト女子修道院もその一例です。
3番目は社会への奉仕活動を主目的にした数多くの修道会です。清貧、従順、貞潔を守りながら共同生活をします。我々が町でよく見るシスターはこのタイプになると思います。
修道会には我が国で生まれたものもあります。
(3)どのようなタイプの修道院や修道会でも清貧、従順、貞潔の3原則は共通な厳しい原則です。清貧は自分の財産を所有しない、従順は修道院の掟に従うこと、そして貞潔とは一生独身を通すことです。
(4)高い塀に囲まれ現世から隔絶している修道院は、在俗の信者のためにも祈っている。信者もその事を考えて自分の信仰を強めているのです。この理由でその存在は非常に重要であり、貴重な存在なのです。これが宗教改革以前からの古い修道院が現在でも存続する理由です。
以下にYahoo!百科事典からの文章の一部をご紹介して終りとします。
尚、2枚の写真はスペインにある修道院とロシアにある修道院の写真です。出典は、Monastery:http://en.wikipedia.org/wiki/Monastery#Buddhism です。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。
藤山杜人
――――Yahoo!百科事典 の「修道院」の項目からの抜粋――――
1、起源 (今野国雄執筆)
1947年、死海の北西岸の洞窟(どうくつ)で多くの文書が発見され(死海文書)、この文書の旧所有者たるクムラン教団にユダヤ教修道制が存在していたことが想定された。これと、従来から知られていたエジプトのテラペウタイの集団やパレスチナのエッセネ派、エルサレムの使徒集団との関係が問題にされるようになった現在では、キリスト教修道院の起源もこの時代までさかのぼって論じられなければならないかもしれないが、通常は、3世紀後半期に・・・以下省略
日本における修道院、[ 執筆者:鶴岡賀雄 ]
日本における修道院の歴史は16世紀のキリシタン時代にまでさかのぼる。布教のため来日したイエズス会士らが共同生活をした住居、また、日本人聖職者、修道士育成のため府内(大分)はじめ各地に建てた大学(コレジオ)、修道士養成校(ノビシアード)などが広義の修道院の初めであろう。また、この時代すでに日本人による女子修道会(いわゆる「みやこの比丘尼(びくに)たち」)があったともいわれる。しかし、わが国における本格的な修道院設立は、明治に入りキリシタン禁制が解かれてからのことで、1872年(明治5)フランスのサン・モール会(聖嬰イエズス愛徳教育修道会)の修道女5人が来日し、横浜の山手居留地英国兵屯地跡に修道院を開いたのが最初とされている。中世以来の伝統的修道会(オルド)としては、1896年にフランスの厳律シトー会(トラップ派)が北海道上磯(かみいそ)郡茂別(もべつ)村石倉番外地(北斗(ほくと)市)に有名な灯台の聖母(ノートル・ダム・デュ・フアール)トラピスト修道院を開き、続いて同会の女子部、厳律シトー修道女会も、98年に函館(はこだて)郊外上湯ノ川(現函館市上湯ノ川町)に天使の聖母(ノートル・ダム・デ・ザンジュ)トラピスチヌ修道院を開設した。以後、ドミニコ会(1904)、フランシスコ会(1907)、神言会(1907)など有力な修道会が次々に来日し、イエズス会も1908年(明治41)には再来日している。現状では、わが国で生まれたものも含めて、男子47、女子94の各種修道会が活動している。なお、修道院の基本構造や生活の原則は全世界で共通であるが、それは各地域の文化的伝統をまったく無視したものではない。わが国においても、日本の建築様式を取り入れた板敷きの聖堂などもつくられている。・・・以下省略
参考文献:
1. 今野国雄著『修道院』(1971・近藤出版社)
2. D・ノウルズ著、朝倉文市訳『修道院』(1972・平凡社)
3. 今野國雄著『西欧中世の社会と教会』(1973・岩波書店)
4. 今野國雄著『修道院』(岩波新書)
5. 半田元夫・今野國雄著『キリスト教史<shapetype id="_x0000_t75" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" stroked="f" filled="f" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"></shapetype> <stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas></formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock><shape id="図_x0020_1" alt="http://100.c.yimg.jp/lib/gaiji/gif/l/01133.gif" type="#_x0000_t75" o:spid="_x0000_i1027" style="VISIBILITY: visible; WIDTH: 9pt; HEIGHT: 15pt; mso-wrap-style: square"></shape><imagedata o:title="01133" src="file:///C:DOCUME~1gotouLOCALS~1Tempmsohtmlclip11clip_image001.gif"></imagedata>・<shape id="図_x0020_2" alt="http://100.c.yimg.jp/lib/gaiji/gif/l/00522.gif" type="#_x0000_t75" o:spid="_x0000_i1026" style="VISIBILITY: visible; WIDTH: 9pt; HEIGHT: 15pt; mso-wrap-style: square"></shape> <imagedata o:title="00522" src="file:///C:DOCUME~1gotouLOCALS~1Tempmsohtmlclip11clip_image002.gif"></imagedata>』(1977・山川出版社)
6. 森安達也著『キリスト教史<shape id="図_x0020_3" alt="http://100.c.yimg.jp/lib/gaiji/gif/l/01242.gif" type="#_x0000_t75" o:spid="_x0000_i1025" style="VISIBILITY: visible; WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt; mso-wrap-style: square"></shape> <imagedata o:title="01242" src="file:///C:DOCUME~1gotouLOCALS~1Tempmsohtmlclip11clip_image003.gif"></imagedata>』(1978・山川出版社)