ネットの上で感動的な経験を与えてくれる人がいます。でも会えない人、運命的に会える人、様々です。「昼のガスパール」のオーナーのオカブさんとは昨年12月下北沢の喫茶店でお会いしました。まだお若い方で、コンピューターのソフト関係の会社を立ち上げていて、とても忙しいようです。左サイドバーの推薦したいブログの中にあります。
ウイーンのオペラの話でも聞こうとお会いしましたが、キリスト教の宗派間の対立の話になりました。どんな宗教でも「寛容の精神が非常に重要だ」、ということで意気投合しました。彼はS教会という独立した教会の信者、私はカトリック小金井教会へ行っています。
今日は日曜日なので彼のS教会の集会へ参加して来ました。
============その為の準備==============
小金井教会へは昨夕の夜6時からのミサへ家内と行きました。ミサは比較的少人数で始めから終わりまで、美しい旋律の歌で行います。祈りや対話も歌になっています。聖書の朗読と山本神父様の説教だけは歌でありません。夜の静けさの中の歌ミサは神秘的で良いものです。
仏教にも声明(しょうみょう)があります。カトリックの歌ミサを聞きながらそれを思い出していました。兵庫県の山間地のお寺の住職をしていた叔父の読経の声を思い出していました。そして今日、お会いするオカブさんと牧師のT師のためにもお祈りをしました。ネットの上で知り合ったオカブさんは私にとっては、「宗派の壁を越える」ということを教えてくれた特別の友人になりました。
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S教会は世田谷区にあります。10時15分から45分まではネット友のオカブさんの司会と講話で「祈りの会」がありました。終わりに参加者全員が神への祈りをそれぞれの内容でとなえます。これはカトリックには無い祈りのスタイルなので何かとても新鮮に感じました。
礼拝は10時45分から12時15分までありました。
一番驚いたのは祭壇の中央に一人の若い女性が立って司式や聖書の朗読をします。T牧師様は説教のときだけ祭壇に登ります。カトリックのような法服を着ていません。平服の背広・ネクタイです。聖餅や葡萄酒を配るのも平服の一般信者です。カトリックでは美しい法衣を着た山本主任司祭様が司式、先唱、祈り、など全てを執り行います。聖餅を配るのは司祭様です。女性が祭壇の中央で司式することは絶対にありません。
T牧師様の説教はパウロの投獄に関する話でした。神学者のように厳密に、誠実に話を進めていました。この独立した教会の理論的主柱になっている牧師様という印象を受けました。
オカブさんは隣に座って、何かと世話をしてくれます。お陰でくつろいだ気分で礼拝を楽しむことが出来ました。奥様がオルガンを弾いて前奏、聖歌の伴奏、後奏をなさっています。
礼拝の後でT牧師様やオカブさん達とコーヒーを飲みながら雑談をしました。
カトリック教会のミサとS教会の礼拝を比較すると両者の違いが明解に分かります。
(1)S教会は信者の寄付だけで牧師様の生活費を含めた全ての経費を独立採算制で運営しています。カトリック教会は本部との連携決算で完全な独立採算制ではないのです。この違いは信者一人一人の責任感の上で大きな違いが生じます。
(2)S教会では聖職者と一般信者の間に上下関係がないので、平等感が支配的です。カトリック小金井教会では山本神父様を信仰の厚い指導者として上に置き、崇め、尊敬するのです。
(3)S教会では信者全員が一致協力して自分たちの信仰の集団を維持、発展させています。素朴な手作りの教会です。一方カトリック教会はローマ法王を頂点にした全世界にまたがる強大な組織であり、自分たちの手作りという感じが希薄です。
皆様はキリスト教徒でない方々も多いと思います。しかし上の3つの違いの長所短所を容易にご想像出来ると存じます。
上に書いたことは、厳密ではありませんが、キリスト教のプロテスタント宗派(S教会)と旧教(カトリック)の相違と言えるのではないでしょうか。
蛇足ながら私はカトリックです。死ぬまでカトリックでありたいと思っています。しかし他の宗派の良いところは理解し、尊敬しています。仏教についても良いところは尊敬しています。宗教で一番重要なのは「寛容の精神」と信じています。
今日はネットで知り合った友人のオカブさんのお陰で信仰を広げ、深めることが出来ました。感謝致しております。オカブさん、有難う御座いました。(終わり)
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人