この季節になると毎日、毎日、紅葉や黄葉の風景に憧れるようになります。
東京の郊外に住んでいるので雑木林が多いのですが一向に紅葉する気配がありません。この近辺では11月の終りにならないと紅葉しないのです。そこで富士山の5合目へ登ったり、奥多摩に行ったりして紅葉を楽しんでいます。
今年の富士山の紅葉は2017年10月19日に掲載した「富士山の今年の紅葉をお楽しみ下さい!」という記事でご紹介しました。
昨日は空高く風が舞い青空の輝く日でした。そこで奥多摩湖まで登って行って紅葉や黄葉の写真を撮ってきました。
ここにその写真をお送りいたします。
一番終りの写真は昨日の奥多摩湖の風景です。
さて皆様のお住まいの所の紅葉の時期は何時頃でしょうか?
北海道や東北の山々は文字通り錦織りなす絢爛とした紅葉に覆われていることでしょう。
そして毎年、紅葉の風景を見ると、高校時代に習った漢詩を思い出します。紅葉を焚いて酒を温めるという白居易の漢詩です。
毎年この時期になると何故か決まって思い出し、同じ漢詩を掲載しています。
去年は やはり10月31日の記事、「山々の葉が色づく季節が待たれます」でお送りしました、
同じ漢詩ですが何度読んでも、すがすがしい気分になるので又お送り致します。
唐の詩人、白居易が昔遊んだ仙遊寺の林で紅葉を焚いて酒を温めたことを回想する漢詩です。
もう自分は年老いて遠方の仙遊寺の林へは行く事も無い。しかしそこへ帰って行く君が羨ましい。そんな内容の詩です。
この句は皆様も高校時代に習ったことがあると思います。平家物語にも出て来てよく知られている漢詩です。
寄題送王十八帰山仙遊寺 白居易
曽於太白峰前住
数到仙遊寺裏来
黒水澄時潭底出
白雲破処洞門開
林間煖酒焼紅葉
石上題詩掃緑苔
惆悵旧遊復無到
菊花時節羨君廻
その昔、私が太白峰の麓に住んでいた頃はよく仙遊寺へ出かけたものだ。
水が澄む秋の季節には、川淵の底まで透けて見え、白雲が切れた辺りに
仙遊寺の山門があった。また仙遊寺の林間では散り落ちた紅葉を焚いて
酒を煖めたり、緑苔を払った石の上に詩を書いたりしたものだ。
ああ残念ながら、昔遊んだあの地に私はもう二度とは行くことはないだろう。
菊の花の咲くこの季節に、そこに帰っていく君が羨ましいよ。
(以上の訳の出典は、http://plaza.rakuten.co.jp/1492colon/diary/200812110000/ です)
ついでに語句の解説も示しておきます。
・王十八・・・・排行(兄弟・従兄弟の順の十八番目)、の意。
・寄題・・・・・その場所から離れている地で詠ずる、の意。
・太白峰・・・・都長安の県城南方20kmにある秦嶺山脈の主峰のひとつ。
海抜3767m、李白の「太白峰に登る」で有名。
・仙遊寺・・・・唐の都、長安の郊外にあった寺。
・黒水・・・・・秋の川の水の意。
・曾遊の地・・・以前に遊んだ土地。
・潭・・・・・・川の淵の意。
・惆悵・・・・・恨み嘆くの意。
最近は野外で焚火をすることが禁止されています。
しかし紅葉の風景を見ると私の心の中では紅葉の焚火をします。ほどほどに煖められた酒でほろ酔いの気分になります。
そして紅葉を見ると一段と鮮やかな色になるのです。そんな想像をしながら昨日は奥多摩の紅葉の写真を撮ってきました。
かたわらに少々声をたてる家人がいるのが、緑苔を払った石の上に詩を書いた白居易の境地とはいささか違い過ぎますが。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
東京の郊外に住んでいるので雑木林が多いのですが一向に紅葉する気配がありません。この近辺では11月の終りにならないと紅葉しないのです。そこで富士山の5合目へ登ったり、奥多摩に行ったりして紅葉を楽しんでいます。
今年の富士山の紅葉は2017年10月19日に掲載した「富士山の今年の紅葉をお楽しみ下さい!」という記事でご紹介しました。
昨日は空高く風が舞い青空の輝く日でした。そこで奥多摩湖まで登って行って紅葉や黄葉の写真を撮ってきました。
ここにその写真をお送りいたします。
一番終りの写真は昨日の奥多摩湖の風景です。
さて皆様のお住まいの所の紅葉の時期は何時頃でしょうか?
北海道や東北の山々は文字通り錦織りなす絢爛とした紅葉に覆われていることでしょう。
そして毎年、紅葉の風景を見ると、高校時代に習った漢詩を思い出します。紅葉を焚いて酒を温めるという白居易の漢詩です。
毎年この時期になると何故か決まって思い出し、同じ漢詩を掲載しています。
去年は やはり10月31日の記事、「山々の葉が色づく季節が待たれます」でお送りしました、
同じ漢詩ですが何度読んでも、すがすがしい気分になるので又お送り致します。
唐の詩人、白居易が昔遊んだ仙遊寺の林で紅葉を焚いて酒を温めたことを回想する漢詩です。
もう自分は年老いて遠方の仙遊寺の林へは行く事も無い。しかしそこへ帰って行く君が羨ましい。そんな内容の詩です。
この句は皆様も高校時代に習ったことがあると思います。平家物語にも出て来てよく知られている漢詩です。
寄題送王十八帰山仙遊寺 白居易
曽於太白峰前住
数到仙遊寺裏来
黒水澄時潭底出
白雲破処洞門開
林間煖酒焼紅葉
石上題詩掃緑苔
惆悵旧遊復無到
菊花時節羨君廻
その昔、私が太白峰の麓に住んでいた頃はよく仙遊寺へ出かけたものだ。
水が澄む秋の季節には、川淵の底まで透けて見え、白雲が切れた辺りに
仙遊寺の山門があった。また仙遊寺の林間では散り落ちた紅葉を焚いて
酒を煖めたり、緑苔を払った石の上に詩を書いたりしたものだ。
ああ残念ながら、昔遊んだあの地に私はもう二度とは行くことはないだろう。
菊の花の咲くこの季節に、そこに帰っていく君が羨ましいよ。
(以上の訳の出典は、http://plaza.rakuten.co.jp/1492colon/diary/200812110000/ です)
ついでに語句の解説も示しておきます。
・王十八・・・・排行(兄弟・従兄弟の順の十八番目)、の意。
・寄題・・・・・その場所から離れている地で詠ずる、の意。
・太白峰・・・・都長安の県城南方20kmにある秦嶺山脈の主峰のひとつ。
海抜3767m、李白の「太白峰に登る」で有名。
・仙遊寺・・・・唐の都、長安の郊外にあった寺。
・黒水・・・・・秋の川の水の意。
・曾遊の地・・・以前に遊んだ土地。
・潭・・・・・・川の淵の意。
・惆悵・・・・・恨み嘆くの意。
最近は野外で焚火をすることが禁止されています。
しかし紅葉の風景を見ると私の心の中では紅葉の焚火をします。ほどほどに煖められた酒でほろ酔いの気分になります。
そして紅葉を見ると一段と鮮やかな色になるのです。そんな想像をしながら昨日は奥多摩の紅葉の写真を撮ってきました。
かたわらに少々声をたてる家人がいるのが、緑苔を払った石の上に詩を書いた白居易の境地とはいささか違い過ぎますが。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)