昨日のNHKクローズアップ現代で取り上げられた『希望再生のヒントを探る希望学』を大変興味をもって観ていた。
以前にも、新聞で同様の『希望学プロジェクト』が紹介されており、その著書を読んでみたいと考えていたところである。
番組の紹介によると、『希望学』とは、希望を人間の感情としてのみではなく、社会全体の問題として、
社会的な意味を探る『希望を科学する』学問として研究されているそうである。
現代社会は、世界同時不況などによる経済不況、少子高齢化、人口減少などから閉塞感を招き希望を失いかけており、
いい未来を築きたいと変革を求められているが、一行に光が見えて来ないというのが共通の実感であろう。
番組では、過って製鉄の街としてラグビーの街として栄えた釜石市の大調査の結果が紹介された。
若い人達が故郷を去り、人口減少傾向となって収縮して寂れていた街が、どうやって希望を再生するか実例と共に紹介された。
Uターン組が風を起して、希望をもたらしたヒントは、寄り添いながら地域のあり方を考えた結果だそうである。
そこには、価値観の異なる人々のつながり・交わりがあり、一人ひとりが模索しながら、新しい社会を作り出す努力がある。
さらに、興味を持ったのは、これから同プロジェクトが取り組む大規模調査の対象が、我が『ふるさと福井』であることだった。
福井県は、都道府県ランキングでは、「住みやすさ」第1位、「貯蓄高」第3位、「出生率」第1位、「低い失業率」第1位など、
希望の持てる生活ぶりと感じていたが、『希望が持てる』第44位と全く逆の結果だそうである。
そのようなデータが、調査対象に選ばれた所以であろうが、その結果が期待される。
福井も過っては、繊維の町として栄えて、大手企業などが進出して繊維関係者が多かったが、今はその面影は見られない。
生活満足度は、高いが、未来を志向するに希望をもって明るく生きるために、何が足りないのか、
県民の意識や産業動向などの調査の結果が待ち遠しい。
番組でも、『希望』とは、心の持ちようであり、豊かであっても、失敗や挫折の繰り返し経験して、
新しい価値観の希望が生まれると紹介されたが、希望を再生する創意と工夫が待たれるところである。
日本は、政権交代で新しい政権が発足するが、挫折と失敗を繰り返して今日の惨めな国家に成り下がっている。
その先に、新しい希望が見えてくるのだろうか?
国民は、自分の利害得失ばかりに目を奪われて、国家の視点が抜けているように思えてならないが、
政治家は、目先の現象や支援者の意見ばかりにとらわれず、国民に希望が見えるビジョンを示してリードして欲しい。
この『希望学』の著書を、政治家の質必読書に指定したいところである。