575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

続 俳句とワイン

2006年12月06日 | Weblog
俳句をワインに喩えた文の続きです。


雀の子そこのけそこのけ御馬が通る 一茶

南仏最高の赤「エルミタージュ」
肉体的で重厚ですが、熟成すると人を感動させるような
繊細さと優しさが滲みます。


柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 子規

ボルドー赤の不動の傑作「シャトー・ラトゥール」
近代的なワインであるボルドーの中でも最も渋みの伝統を継承。


みづうみのみなとのなつのみじかけれ 田中裕明

ボルドーの赤の妃「シャトー・マルゴー」
知る人ぞ知る最高のエレガンス。ショパンの夜想曲のように
安易な曲かと思えば、いつの間にか終りのない旅に連れてゆかれる。


本の著者はマブソン青眼さん。俳人で比較文学者。
長野に住み、一茶の研究をしているフランス人です。

青眼さんによると、伝統あるフランスのワインは
葡萄の品種を1つか2つ、多くても3つしか使わないそうです。
ブルゴーニュの赤は、ピノ・ノワールという1つの品種しか使わず、
醸造者は複数の品種をブレンドして自分の感性を表現することは出来ません。
その代わり、2000年前から伝わる様々な畑の特徴を生かし、
葡萄本来の味を超えた風土の味を出すようにするのだそうです。

俳句をワインで喩えるなんて!考えたこともありませんでした。
さすがフランス人ですね。

                    遅足


コメント (4)
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