575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

北風に命を・・・

2006年12月22日 | Weblog
575の会12月の句会は、11人が出席し、和気藹々でした。
投句はいずれも個性豊かで、趣深く、お互いがいい勉強をさせていただきました。

そのなかの「ここならば北風の骨ひろえそう」の句。

私には、さっぱり理解できず、景も浮かびません。作者の意図を伺っても、やっぱり”難解句”として通過してしまいました。

ところが夜半、じっくりと読み返してみて、身に沁みる想いが迫ってきました。

ああそうなんだ、作者は北風に命をみていたんだ。そして風の終末を悼んでいたんだ、と。

 こがらしを詠んで、秀作とされているのは山口誓子の、「海に出て木枯らし帰るところなし」
 この句は、特攻隊員を追悼する想いが込められいるとも、言われています。

 よく、比較されるのが池西言水の「凩の果てはありけり海の音」。こちらも風に命を見ているのだと思います。

あーあ、北へ行きたいなー。
オホーツクの波に流してきた夫の骨が、北風に乗ってあの浜へ戻っているかも知れません。
そこは、以久科原生花園の砂丘の麓、知床連山が遠望できる砂浜です。
小清水の原生花園から東へ20キロ余、草丈の高い悪路をひたすら海へ向かってハンドルを切り、やっと行き着いた静寂の地。二人だけで小半日、山と海を見ていた大切な処です。

あそこは、彼の墓所。北の果てへ送ったつもりが、戻されて、誰かに拾われたりして。・・・ウフフッ、それもまたよきかな、です。

     オホーツクの波にゆだねし夫の骨氷結の時玻璃とならんか

                                                                     鳥野
コメント (2)
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今日は冬至です。

2006年12月22日 | Weblog

明日から日が長くなりますが、
寒さはこれからが本番です。

八事の句会での冬至の句です。

 恵まれて柚子湯さまさま命かな  玉木孝男

 血圧もいと穏やかに柚子の風呂  古賀晶子

そういえば今年の言葉は「命」でしたね。

 古暦まだ過去未来繋ぎゐて  中嶋英子

これも良い句ですね。感心しました。

                   遅足
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