575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「推敲」                愚足

2006年12月11日 | Weblog
 推敲の仕方について岸本尚毅氏が「俳句一問一答」で次の様に述べています。

① 自分の句を他人の句のように眺めることが推敲の極意である。

② その場合、俳句の目的が、作者の体験を伝える事よりも、読み手に快い読後感を与える事にあると肝に銘じて考えるべきである。

③ 従って推敲の第一歩は、作者の視点から、読者の視点へと頭を切り替える事。

④ その為には出来た句を一つ書いて睨んでいるのではなくて、多少内容・表現が
変わっても同種の複数の句案を並べて、見比べることが大切である。

 そして、富安風生の示した「原案」「推敲」の実例を挙げています。

 原・・一塵の蜻蛉の高し峡の空
 推・・蜻蛉の一微の高き峡の空

 原・・八十路ゆく齢よろめく冬籠
 推・・八十路ふむ齢よろめく冬籠

 原・・鈴虫の甕はむくろもなくむなし
 推・・鈴虫の甕はむくろもなくうつろ

 そう言われれば後の句のほうが良さそうなのだが、明快に理由を述べよと言われると困ってしまうのだ。それに②の目的にも疑問が残るのだが。
            
コメント (2)
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