575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

難解句の読み方

2006年12月12日 | Weblog
梅咲いて庭中に青鮫が来ている  金子兜太

文字通り読めば、梅が咲いて庭中に青鮫が来ている、という意味です。
青鮫は熱帯の海にいます。背中は暗青色、腹部は白、精悍なイメージです。
そんな青鮫がいつの間にか海となった庭を泳ぎまわっている。
梅の花に青鮫という、とんでもない取り合わせですが、鮮烈なイメージです。
あとは、自由にそのイメージを楽しめるかどうか?でしょうか。

俳句の読み方は、第一に一語一語に忠実に句の意味を読み取る。
第二に想像力を働かせて自由に味わう。

(岸本尚毅の俳句の一問一答より)



ある本を読んでいたら金子兜太さんが
これまでの自作のなかで、好きな句を紹介していました。
想像力を働かせて楽しんで下さい。

蛾のまなこ赤光なれば海を恋ふ

水脈の果炎天の墓碑を置きて去る

彎曲し火傷し爆心地のマラソン

        (遅足)
コメント
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