日本の冬、オハクチョウとコハクチョウが渡って来る。
双方が並んでいたら、体の大小や嘴の黄と黒の部分の多少で分るかもしれない。
日本海側にはコハクチョウ、太平洋側にはオオハクチョウが多く飛来するというが、見分けるのは難しい。
昨年暮れ、石川県の河北潟のバードウォッチングに参加した。夕方宿への移動中
まだ緑色の櫓田の中に数十羽のコハクチョウの群れを発見して観察した。
こちら側の田がねぐららしく、向こうの田から七羽八羽と群れが飛んでくる。夕方の曇り空を飛ぶ白鳥の羽の白さが光る。
花岡大学の「百羽の鶴」には"ひわ ひわ"と飛ぶ鶴の群れが描写されている。白鳥も遠目には"ひわ ひわ"がぴったりだ。が、日没が迫り空の暗さが増して来ると白鳥の群れは、だんだんと低空を移動するようになり、私たちの真上を飛んだ。
「コウ・コウ」という鳴き声の間に「ヒッュ ヒッュ」という羽音が聞こえ、羽根と羽根の重なりや体に密着した黒い足さえも間近に見えた。
それは決して"ひわ ひわ"優しげなものではなく、空を切裂いて必死に飛ぶ姿だった。「ああ このようにしてシベリアから北海道へ、そして徐々に南下して、ここへ来たんだな!!」と胸が熱くなってくる。
ところで、白鳥のねぐらの近くに数十羽のマガンの群れがいた。そこで仲間のカメラマン達が撮影しようと近づくと、いち早く飛び去ったのはマガン。白鳥は動じない。日本人は昔からガンやカモを捕食してきた。そんな歴史もあってマガンは人間を警戒したのであろう。では 白鳥は? あになに大きくて食べ出がありそうなのに? 余程不味いのかな?
感動が疑問に変わった。色々調べてみたが、昔の人々が白鳥を食べたかどうかは分からず仕舞いである。
舞ひ舞ひつ空の白鳥透きとほる 加藤知世子
白鳥にこゞしき雪の越の山 石塚友二
白鳥の己れの白さ暮れなづむ 阿波野青畝
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双方が並んでいたら、体の大小や嘴の黄と黒の部分の多少で分るかもしれない。
日本海側にはコハクチョウ、太平洋側にはオオハクチョウが多く飛来するというが、見分けるのは難しい。
昨年暮れ、石川県の河北潟のバードウォッチングに参加した。夕方宿への移動中
まだ緑色の櫓田の中に数十羽のコハクチョウの群れを発見して観察した。
こちら側の田がねぐららしく、向こうの田から七羽八羽と群れが飛んでくる。夕方の曇り空を飛ぶ白鳥の羽の白さが光る。
花岡大学の「百羽の鶴」には"ひわ ひわ"と飛ぶ鶴の群れが描写されている。白鳥も遠目には"ひわ ひわ"がぴったりだ。が、日没が迫り空の暗さが増して来ると白鳥の群れは、だんだんと低空を移動するようになり、私たちの真上を飛んだ。
「コウ・コウ」という鳴き声の間に「ヒッュ ヒッュ」という羽音が聞こえ、羽根と羽根の重なりや体に密着した黒い足さえも間近に見えた。
それは決して"ひわ ひわ"優しげなものではなく、空を切裂いて必死に飛ぶ姿だった。「ああ このようにしてシベリアから北海道へ、そして徐々に南下して、ここへ来たんだな!!」と胸が熱くなってくる。
ところで、白鳥のねぐらの近くに数十羽のマガンの群れがいた。そこで仲間のカメラマン達が撮影しようと近づくと、いち早く飛び去ったのはマガン。白鳥は動じない。日本人は昔からガンやカモを捕食してきた。そんな歴史もあってマガンは人間を警戒したのであろう。では 白鳥は? あになに大きくて食べ出がありそうなのに? 余程不味いのかな?
感動が疑問に変わった。色々調べてみたが、昔の人々が白鳥を食べたかどうかは分からず仕舞いである。
舞ひ舞ひつ空の白鳥透きとほる 加藤知世子
白鳥にこゞしき雪の越の山 石塚友二
白鳥の己れの白さ暮れなづむ 阿波野青畝
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