575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

オシドリの里へ   鳥野

2008年02月05日 | Weblog
偶然に出会った「思い羽」という文字。意味も実物も知りたくて、草女さんにしつこく尋ねた犯人は私めです。

答えは「<風切羽>の1種、初列、次列に続く三列風切のことで、銀杏の葉の形に似ていることから”いちょうばね”ともいう。
何時もは地味な羽色だけど、繁殖期になると、美しく色づくからそう呼ばれるのでしょう」と。

鳥博士の説明は正解でしょうが、納得がいかない。

これはもう実物を見るより手はありません。、設楽へ行こう。

設楽町田峯、地元の伊藤仙二さんが、もう20年間も保護管理していて、有名なオシドリの里です。
餌付けしているわけではなくあくまでも給餌、その日に必ず群がって来るという確約はない。
会うことができますように、と祈る思いでした。

いました。寒狭川の淀みにゆっくり浮かんでいました。
美しい鴛、控えめな鴦。銀杏形の思い羽は鮮やかな錆朱。艶々と耀いて誇らし気です。

手造りの観察小屋は粗末ですが、オシドリへの配慮が行き届いていて、自然の状態を見ることができました。
思い羽を詠んだ秀句の多いことも知りました。

  恋知らぬ子よ思ひ羽の色深む  長谷川久々子

  思ひ羽を飾りて根雨の鳥見小屋  朝妻力

  思ひ羽の水をたたいてゐるばかり  馬場龍吉

  思羽流れて濠の昏さかな  二松斐子

  思羽いとしや老の書にはさむ  山口青邨

  思ひ羽拾ひて水郷去らんとす  加藤三七子
コメント (1)
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