575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室報告⑮   鳥野

2011年07月19日 | Weblog
被災地に降る雪を思いながら、一日も早い春をと、願っていたのに、早くも4ヶ月余。
容赦なく夏は来て、避難所の暑さは耐えがたいものと、思います。

「初めての短歌」の荻原教室も、春からは新メンバーの参加もあって張り切っています。

最近は題が県名から一字、ということになり、作品は多彩。その中の先生のお作を。

 「良」

 ・ 梅がなにやらけむりはじめてなんとなくひとり無印良品にゆく

 「大」
  
 ・ 春のひかりに紛れて見えず何かしら大きなものがそこにゐるのに

 「庫」

 ・ 金庫などというものはない荻原家はるのひざしのふかみにしづむ

 「香」

 ・ 春の香水あまたひろがるひだまりが残されて誰もゐないバス停

 「口」

 ・ 五月来る口をのぞけば銀冠は擦れてうすくらがりがひろがる

  「根」

 ・ 球根に夏の土をかぶせてゆくやうに或る日の母は父に対して
コメント
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