575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

五月雨や 大師と濡れる 二人旅   紅

2021年06月04日 | Weblog

五月雨は本来ならば、今の時期の雨。

今日は朝から風も伴いしっかり降っています。

          

いただいたコメントのご紹介です

亜子さん:大師は弘法大師でしょうか。お遍路に行かれたのでしょうか?「「濡れる」という表現に雨の日も晴れの日も同行二人で歩く姿が目に浮かびます。

殿さま:「同行二人」の遍路を表したのでしょう。しかし「遍路」と記せば季重なりとなるので避けています。弘法大師と濡れる五月雨。詩的な佳句。

 

気づきの足りない私は、某私鉄主催の「歩いて巡拝知多四国」で結願しておきながら、「同行二人」に思い至らず、失礼しました。(御朱印にばかり気がいってたかな)

 

歩く。。足跡というならばこの一句

波打って風の足跡麦の秋  麗子

 

殿さま:松任谷由実「あの日に帰りたい」を彷彿。麦畑を駆け抜けてゆく少女を鳥瞰する印象。

晴代さん:麦の揺れるのを風の足跡と見た景色、以前竹島への吟行時に見た風景を思い出しました。

等さん:実った麦の穂が風を受けて揺れるさまは、稲の波よりダイナミックに感じられますね。

亜子さん: 昭和19年に疎開先で麦踏をした経験があります。芽を踏むことにより強くなる。今度は風に踏まれて・・

麦の秋の波がうねるような感じが「風の足音」にぴったり。

  と選句コメントも読みごたえがあります。

「足」の字を俳号に持つ遅足さんも選句しておられました。 

 

作者の麗子さんに伺いましたら

「麦の秋」というと茶の穂のイメージになるが青々とした穂のイメージだったそうです。後で、「麦畑」でもよかったかなと。。

 

どちらにしても、風景がきちんと描かれているだけにとどまらず、

読み手それぞれに思い出の景を浮かび上がらせる、広がりのある一句と思います。

俳句のだいご味ですね! 私も学びたいと思いました。  郁子

 

コメント (1)
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