575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

吊り橋をゆく白靴の恐怖かな  亜子

2021年06月18日 | Weblog

 

今回の兼題「白靴」の句はいかがでしたか?

私は、かなり苦戦して、まず

白い靴のイメージを一生懸命ひろげてみました。

結婚式の新郎の靴、祝福の花吹雪。つばの広い帽子をかぶったお嬢さんのサンダル。

素足にさらっとはいたスニーカー。まぶしい素肌。

うーん。広がらない・・・というか月並み(笑)

この句は、白靴と吊り橋、恐怖を取り合わせました。

 いただいたコメントです。

紅さん:視点がとても面白いですね。

泉さん:ハイヒールの白い靴を履いているので、うまく歩けない様子がわかる。

殿さま:四国のかずら橋。風の強い日で左右に揺れています。さすがに誰ひとり渡ろうとしません。岩登りを趣味とする私。中途まで平然と歩いていき愕然。向こうからバイクが走ってきます。Uターンして走り戻った恐怖が蘇った一句。

たった17文字で読み手の記憶を呼び戻し、そのときの感情を追体験できる。

俳句ってすごいなと思います。

  私もいただきました。

橋板の隙間からは、渓流が見えたかもしれません。すこしヒールの高い白靴で歩いたならば、

吊り橋の揺れとまたちがった小刻みのかかとの揺れが起こり、感情の揺れとも増幅してどんなに不安定なことでしょう。

白靴を履いている人間はもちろん、靴自身も恐怖に震えたと思うのです。 郁子

コメント
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