今回の兼題「白靴」の句はいかがでしたか?
私は、かなり苦戦して、まず
白い靴のイメージを一生懸命ひろげてみました。
結婚式の新郎の靴、祝福の花吹雪。つばの広い帽子をかぶったお嬢さんのサンダル。
素足にさらっとはいたスニーカー。まぶしい素肌。
うーん。広がらない・・・というか月並み(笑)
この句は、白靴と吊り橋、恐怖を取り合わせました。
いただいたコメントです。
紅さん:視点がとても面白いですね。
泉さん:ハイヒールの白い靴を履いているので、うまく歩けない様子がわかる。
殿さま:四国のかずら橋。風の強い日で左右に揺れています。さすがに誰ひとり渡ろうとしません。岩登りを趣味とする私。中途まで平然と歩いていき愕然。向こうからバイクが走ってきます。Uターンして走り戻った恐怖が蘇った一句。
たった17文字で読み手の記憶を呼び戻し、そのときの感情を追体験できる。
俳句ってすごいなと思います。
私もいただきました。
橋板の隙間からは、渓流が見えたかもしれません。すこしヒールの高い白靴で歩いたならば、
吊り橋の揺れとまたちがった小刻みのかかとの揺れが起こり、感情の揺れとも増幅してどんなに不安定なことでしょう。
白靴を履いている人間はもちろん、靴自身も恐怖に震えたと思うのです。 郁子